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災い転じて春来る
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「神社といえばってやつだな。俺絶対大吉出ると思う」
同じく立ち上がった千里が、なぜか声高に宣言する。
「何を根拠に言ってるんだよ、千」
つっこむラッセルに、千里は笑って「いやプラス思考が大事かなと思って」と言ったものだから、ラッセルもまた、言い放った。
「じゃあ俺も絶対大吉だ。晴月もな!」
「もう決まってるの? 面白いね」
--という会話の後に、訪れたおみくじ会場にて。
「桜井先輩たち、本当に大吉だったのかな」
自身が引いたくじを見て、柚春はぽつりと呟いた。
「稲積は?」
「中吉。ワットは?」
「僕も中吉だねぇ」
いい結果が出ますようにと念じながら引いたのに、なんとも中途半端なこの結果。
それでもウォルターが「お揃いだねぇ」と言ってくれたのでちょっと気がまぎれた。
だけど晴月にあんなことを言っておきながら、心の底からうきうきできないのは――。
(ワットが「今」は付き合えないって言ったのは時間稼ぎ? それとも本当に大切にしてくれているから?)
ずーっとずっと、そのことが引っかかっている。
(気になるなら、聞くべきなんだ。はっきりした答えはもらえないかもしれないけど、それでも)
柚春は可もなく不可もない中吉のおみくじから顔を上げて、ウォルターの手をとった。
「おや、どうしたんだい?」と聞くウォルターに「ちょっとこっちに来て」と告げて、近くのベンチに向かう。
柚春が無言で腰を下ろすと、その横にウォルターも座った。
言おうか言うまいか、行ったら余計悪い結果になるんじゃないか。
聞こうと決めたのに、いざ口を開こうとすると、ドキドキした。
でもこれ以上、気持ちを胸に秘めておくことができない。
(桜井先輩と晴月さんを見て羨ましいなんてちょっとでも思うのは嫌なんだ。僕にはワットっていう素敵で大好きな人がいるのに!)
柚春はふうっと息を吐くと、思い切って口を動かした。
「話をぶり返して悪いなって思うんだけど、さっきのナンパの女の人、僕たちがワットを見つけられなかったら、どうするつもりだったの?」
早口で聞いたのは、途中で言うのをやめてしまわないように。
ウォルターはぱちりと一度目を瞬いて、ゆっくり答えを返してくれた。
「それはもちろん、断るよ」
「なんて言って? 時間がないからとか? それとも恋人がいるって?」
「それは……」
たたみかけるように聞いた柚春に、ウォルターが黙り込む。
これ以上は言っちゃいけないと、頭の片隅で声がする。
でも言わなければこのままだとわかっているから。
柚春は先を続けた。
「僕は本当は自分が恋人だって名乗り出たかった。ワットは僕がいることに気づいてたじゃない。だからあの子が恋人だよって……言ってくれたらいいなって……言ってくれるとは、思わなかったけど」
ウォルターは黙ったままだ。
綺麗な眉が八の字に下がった困り顔。
(違う、こんなふうに責めたかったわけじゃないんだ……)
柚春は自分の言動に、ウォルターの反応に泣きそうになった。
(だめだ、泣いちゃ……ワットが困っちゃう)
柚春は震えそうになる唇を引き結ぶと、さっき晴月にもらった福豆の袋を取り出した。
茶色い豆に混じってピンクの豆が数粒。そのうち一つを指でつまみ、柚春はウォルターの唇にぎゅっと押し付けた。
「ワットを幸せにするのは僕の役目だから、誰にも譲らないで」
唇に吸い込まれるように消えていくピンク色に、想いをこめて、ウォルターを見つめる。
(お願い、ワット。譲らないって答えて――)
と、ウォルターの口角がゆっくり上がった。
「じゃあ僕はその何倍も、稲積を幸せにするよ」
ウォルターは柚春の手首をそっととり、手のひらを上向かせた。
なにをと思う間もなく、彼が取り出したのは、ピンクの豆が詰まった小袋。
それを、ウォルターは柚春の手のひらの上に、ざあっとあけた。
「これだけ食べれば、きっとすごく幸せになれるよねぇ」
「すごい……こんな豆もまかれてたんだ」
手のひらに、ころころ転がる豆を見、柚春が感嘆の声を出す。
ウォルターは人差し指と親指で豆をひとつまむと、それを柚春の唇に押しつけた。
「んっ……」
ピンクの唇をゆっくり開いて、ピンクの豆を食べる柚春。
「これで、二人で幸せになれるね」と言えば「もう幸せだけどねぇ」とウォルターが笑った。
「ナンパをすぐに断らなかったのは、大事な人たちにすら秘密にしてる関係を、全く知らない人に話すのが嫌だったんだ。話すなら大事な人からが当然じゃないのかなって」
(ワット、そんなこと考えてたんだ……)
2つ目の豆に手を伸ばすことはせず、柚春はまじまじとウォルターの顔を見つめた。
「でも稲積には説明不足だったよね。ごめんねぇ」
いつものおっとり口調で謝るウォルターに「僕こそっ!」と声を上げる。
「僕、周りの人のこととか考えてなかった。全然、自分のことばっかで……」
次第に消えゆく語尾。うつむく頭。その上に、ぽんとウォルターの手がのった。
「僕の仕事柄、もうちょっと待ってもらうことになっちゃうけど……」
「大丈夫! もう気にしないことにする!」
明るく言い切り、柚春は頭の上のウォルターの手をとった。
それを引っ張り下ろして、逆の手にのっているピンクの豆を、半分ほどざぁっと注ぐ。
「だからワット、僕が高校卒業してワットの生徒じゃなくなったらそのときは……」
「この豆の効果が発揮されるとき、だねぇ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬田一稀
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月14日
参加申し込みの期限
2024年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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