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災い転じて春来る
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盛大な豆まきの終了とともに、人々が出店や社務所に流れ始めた。
寝子島の一行も然り。
柚春と晴月は、出店が並ぶ参道を歩きつつ、バレンタインについて話していた。
「晴月さんはバレンタイン、桜井先輩と過ごすの?」
「ラッセルと? 今のところ特に約束はしてないけど。あ、でもさっき、離れないでって言われた」
「えっ? さっき?」
(そんな重大な告白をここで!?)
突然の発言に、柚春は思わず足を止めた。
しかし後に続く男性陣が何事だと気づく前に、すぐにまた歩き始める。
ただ心臓はドキドキバクバク。
「それで晴月さんは」
「できるだけ一緒にいるって答えた」
「すごい! 両思いだ!」
柚春は思わず、目の前でぱちぱちと拍手をした。
「すごい? そうかな」
はにかむ晴月に「そうだよ!」と答える。
「こんなにたくさんの人がいる中で、たった二人が好きあってるんだよ。奇跡みたいなものだよ!」
「そう言われるとなんかとてもすごいことな気がしてくる」
晴月は嬉しそうにふふふと笑った。
その笑顔が恋心に満ちているようで、柚春はついつい尋ねてしまう。
「桜井先輩のどんなところが好き?」
それに晴月は即答で「一生懸命なところ!」
(あー、すごい納得する)
今男子たちは男子たちだけで後ろで盛り上がっている。
(でもきっと、晴月さんと二人きりの時は全然違う感じなんだろうな、先輩。っていうか今とっても大事なこと話してるのに)
もう耳を、象かウサギのようにして聞いてほしい。
そう思いながらやっぱりどうしても気になって、ついついもうひとつ聞いてしまった。
「チョコはどんなのあげたいなーとかある?」
この質問には晴月は即答しなかった。逆に疑問で返される。
「チョコは、二人で選ぶんじゃだめなの?」
聞いてきた晴月に、柚春は目を瞬いた。
「二人で? その考えはなかったなあ。でもそうしたら好きなものが渡せるし選ぶの楽しいし、いいかもしれないね」
柚春の返事に、晴月はにっこり大きくうなずいた。
「じゃあラッセルに言ってみようかな」
「きっと桜井先輩喜ぶよ」
「だったら嬉しい。ラッセルがにこにこしてると私もとっても楽しいんだ」
それはとても純粋な気持ちだった。
きっとラッセルも、晴月に対して同じことを思っているだろう。
(優しいカップルだなあ。絶対応援したくなるよ)
そんなことを思っていたら、不意に晴月からの質問が。
「柚春さんは、先生にチョコレートあげるの?」
「うんそのつもりだけどね」
「一緒に買いに行く?」
「たぶんそれはないなぁ」
言いながら、たぶんじゃなくて絶対無理だと柚春は思った。
本土ならまだしも、寝子島では、チョコを買いにみんなが訪れる店があるところは、ある程度決まっている。
その中を、ウォルターと二人で歩くのはどうしたって厳しいだろう。
ちょっとだけ悲しい思いは、そのまま顔に出ていたようだ。
「私聞いちゃダメなこと聞いた?」
晴月が不安そうに柚春を見つめている。
「そんなことないよ。ごめんね。ちょっと暗い顔しちゃったかも」
「先生が心配しちゃうよ。柚春さんと先生が出会ったのも奇跡なのに」
晴月の言葉に、柚春ははっとした。
ウォルターと一緒にいることが当たり前になってきて、そんなことは忘れていた。
先のことばかり望んでいた。
(でも当たり前って思えるのも、本当はものすごいことなんだ……)
そんな話をしてるうちに、一行は、目的の場所に到着した。
「やっぱ恵方巻は外せないだろ!こういう時しか丸々食えないしな~」
屋台に付随した食事処の一角で、ラッセルはにこにこ笑顔でそう言った。
両手で握った太巻きに入っているのは、穴子、えび、かんぴょう、しいたけ、きゅうり、だし巻き卵、桜でんぶいった定番の具だ。
「すっげえボリューム。これ一本で腹いっぱいになりそう」
「本当だね。端まで具がぎっしり入ってるよ」
晴月は興味津々に、ラッセルが持つ太巻きの端を見ている。
その手にはラッセルなものよりも少しばかり細い、中巻きが握られていた。
節分といえば太巻きが主流だが、一本かぶりつきということで、太さが選べるようになっていたのだ。
「それでラッセル、このお寿司はそのまま食べるの?」
「そうだ。『恵方を向いて無言で丸かぶりすると幸運に恵まれる』んだ。晴月もやってみ?」
「無言? しゃべっちゃだめなの? こんなに美味しそうなのに、感想も?」
「一応決まりだからな。あっ、でも無理すんなよ。喉つまったりしたら危ないからな」
「うん、わかった!」
晴月は元気に大きくうなずいて、『恵方』と紙が貼られた方角を見ると、ぱくっと中巻きにかぶりついた。
「んんっ!」
ずいぶん思い切ったから、一口で口がいっぱい。
(晴月、ハムスターみたいになってる。かわいいなー)
そう思いつつ、「うまいか?」とラッセルが聞けば、晴月は、頬をいっぱいもぐもぐしながら、こくりとうなずいた。
そして大きなエメラルドグリーン色の目で「ラッセルは食べないの?」と聞いてくる。
きらきらと輝く鮮やかな緑は、ラッセルに春の新緑を思わせた。
(節分って鬼を払うのばっかり有名だけど、季節の変わり目なんだよなぁ。って、春かぁ……)
春、自分はきっと大学に通っているだろう。そう信じて受験勉強に励んでいる。
そして晴月はきっと変わりなく、自由に過ごすのだろう。
(生活が変わって先がどうなるかわからないけど……もう一緒にいるって約束したから。な、晴月)
ラッセルはにっこり笑ってから、思い切り口を大きく開けて、恵方を向いた。そして晴月と同じように、ぱくっと思い切りよく、太巻きにかぶりついた。
一口で口に消えた分量は全体の四分の一ほど。
ちょっと無理をしすぎたか、端っこが喉にあたって咳き込みそうになった。
(晴月に気をつけろって言っておきながら、俺がダメじゃん)
うっかり涙目になるラッセル。「大丈夫?」と顔を覗き込んで、目で効く晴月。
ラッセルは「平気平気」とうなずいて、もしゃもしゃと太巻きを食べ進めた。
もうお茶は準備してあるし、あとは美味しく食べ終わるのみだ。
晴月は再び恵方に向き直り、もぐもぐ中巻きを食べている。
頬がぷくぷく動く様が愛嬌があって愛おしくて、ラッセルはほっこりあたたかな気持ちになった。
同じ食事スペースで、千里は、おだしが美味しい! 大きな海老天が2匹のった『えびえびそば』をすすっていた。
一番人気は恵方巻きだが、その次に人気がこのそばだった。
人でいっぱいの会場で豆まきに参加となれば、ちょっとしたおしくらまんじゅう状態だが、2月である。寒いことは寒い。
「あったかくてうまっ!」
「マジうま」
千里に並んで、透破もそばをすすっていた。
中にピンクと白のかまぼこが入っているのを見て、これも紅白の縁起物なのかなぁなどと思ったりする。
(豆といいそばといい、これで厄が落ちて季節も変わって、あいつらに進展があるといいんだけどな)
透破は少し離れた場所で、串にささったお団子にあまーい蜜がかかった『とろみつだんご』を食べる柚春を見やった。
着物ですすると汁が飛ぶそばを食べるのもなかなか勇敢だが、とろーり蜜のかかった団子を食べるのもなかなかチャレンジャーだ。
(って隣であの野郎がティッシュ持ってスタンバイしてるけど。あんなことしたら子供じゃないって拗ねられるんじゃね?)
それはそれで一興と、透破は口角を上げる。
そのときだ。千里はふと思い出したように、口を開いた。
「あ、そういえばオレ今度、大学の入学祝いにバイク買ってもらうんだ。兄貴のお古があるんだけど誰かいるか?」
ちょうど恵方巻きの最後の一口を飲み込んだラッセルが、こちらを見た。
「ああー、バイク持ってたから頻繁に寝子島にもこれたのか。俺はパス。必要に感じたら考えとくわ」
そう言って、まだハムスター状態で中巻きをもぐもぐしている晴月に、かいがいしくお茶を差し出したりしている。
「焦んなよ、ゆっくり、ゆっくりでいいんだからな」
「じゃ、お兄さんは?」
千里が透破に視線を向けた。
「バイクかぁ」
(いつもはカプギアの形で柚春の鞄の中にいるけど、自分の足で動けるようになったらいいよなあ)
「確か二人乗りもできるんだよな?」
「できるできる。お兄さん免許持ってる?」
(あっ、そうか免許……)
バイクがあっても免許がなければ乗ることができないのか。とりに行くことを考えると金もかかるし、現実にするのはなかなか大変そうだ。
でも、思うのだ。
(オレが柚春を後ろに乗せたら、あいつはどんな反応するのか。見ものじゃねえ?)
「……もっと焦ればいいんだよな。あっちの金髪みたく感情に振り回されて。冷静に対処できる関係なんてつまんねえだろ」
透破が思わずつぶやいた言葉に、千里がそばをすする手を止めた。
(お兄さん、妹の恋愛に反対なのか?)
思ったが、初対面で聞くなんて無遠慮なことはしない。
幸せそうに見えてもみんないろいろあるんだなあと、そのための厄払いなんだろうなあと思いながら、千里はそばを食べ続けたのだった。
「ほらワット、大丈夫だったでしょ?」
甘い蜜のかかった団子食べ終わり、柚春は得意げに、隣のウォルターを見上げた。
しかし。
「着物は無事だったけど、ついてる」
囁きとともに、ウォルターの右手親指が、柚春の唇の端を拭う。
しかも彼は、指の腹にぺったりついた甘い蜜を、ちろりと出した舌で舐めとったではないか。
「あ……」
柚春を見る青い目が空のようにキラキラしていて、それなのに唇と舌はやけに赤くて、艶めかしくて。
(なんか、いつもと違う。どこがどう違うってわからないけど、ワットがすごく違う人に見える)
と、ウォルターは、すうっと目を細めて微笑んだ。
「何か僕の顔についてる? あ、稲積にはまだついてるねぇ」
そう言って彼は、口を拭ったばかりの親指で、今度は柚春の唇全体をそっとなぞった。
(今のって間接キス……こんな、とこで)
ナンパははっきり断らなかったのに、こんなことしてくるウォルターの気持ちが、柚春にはわからない。
(なのに、すごくドキドキしてる)
晴月に言った「お互いに好きになったのが奇跡」という言葉が、柚春の頭をぐるぐる巡った。
「なあ、食べたならおみくじいこうぜ、おみくじ」
そばを食べ終わった透破が立ち上がった。
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2024年01月14日
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2024年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月21日 11時00分
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