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ミッドナイト・フレンズ・ストーリー
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【渚のバカヤロー】
見慣れた笑顔。いつもの表情。飄々として、イタズラっぽく青い目を細めて、
ウォルター・B
は七瀬をとっくり見下ろしておりました。
思わずこてん、と首をかしげて、
「……なんで?」
「こんなにいい夜だからさぁ。ぶら~っとそのへんを流してたら、僕の生徒がなんだかふらふら~っと、海岸のほうへ歩いてくじゃないか。気になって見に来てみた、ってわけ」
彼の肩越しにのぞく向こう、浜辺の上の道路脇に、星空の下でも目の覚めるようなブルーの車が止まっているのが見えました。
そうですか、と言ったきりもの言わず、うつむいた七瀬の物憂げに怪訝そうな顔を浮かべて彼は、隣へぽすんと腰を下ろします。
「よいしょっと。余計なお世話だったかなぁ?」
「生徒だから。ですか?」
「うん?」
声色の複雑な、けれどかすかな響きを感じ取ったのか。ウォルターはふむ、と少しばかり考えるそぶりを見せてから、
「いや君、前科アリだからね? 心配するな、なんて言わせないよぉ」
冬山で遭難しかけた一件を言っているのでしょう。
けれど、七瀬のほしい言葉とは違いました。
ほしい言葉? ほしいって、なにを?
「僕が子どもだから、ですか?」
「少なくとも、いい大人はそんな物言いはしないねぇ。それに今日び、シーズンオフのこんな夜中に歩いて浜辺に下りるのもね」
「夜中のドライブは、大人のすることですか」
「ま、時にはそうかなぁ」
「……ウチは、子どもじゃなかとですよ」
「分かってるよぉ」
はっとして彼を見ると、口元にうっすらと笑みを残したまま、青い瞳のいたずらっぽさはひと時失せて、まっすぐに七瀬を見つめています。にごりなく真摯で、ためらいなく迷いもない、一心に注ぎこまれる無垢な輝きが、そこにはありました。
「分かってる。大人は考えることが多いものさ。それを隠しがちなだけで」
「ウォルターさんも……?」
「誰でもさぁ。というか、君ね」
ぐいと七瀬の首をおおうあたたかさは肩ごしに回された彼の腕であり、彼の大らかで少しいい加減で、でも寛容で好ましい気質がゆえにであり、
「僕が君を心配したり助けようと思うのに、なにか理由がいるの? 僕が君の先生じゃなかったら、僕を助けちゃくれないのかい」
ああ。そんな彼が、たまらなく好きなのに。
七瀬自身が、どうして忘れていたのでしょう。彼と、自分と、その間柄にまだ、決まりきった名前などついていないのに。ステレオタイプな型を定める必要なんて、ひとつもありはしないのに。
締めつけられるように胸がきゅうと縮んで、七瀬は身じろぎせぬまま、包み込むぬくもりにしばし、身を任せました。
んじゃいこうかぁ、とおもむろに彼は言い、立ち上がると手を差しのべました。
「どこへ?」
「夜のドライブ。大人の特権ってやつだねぇ」
手をとると、彼は満足そうににっこり。七瀬の頬にもにへらっと笑みが浮かびます。
七瀬がちょこんと助手席に収まると、ブルーのスポーツカーは滑るように走り出し、寝子島街道を西へ。といって目的地があるわけでもなし、とりとめなくタイヤは転がり続けます。
星に月。暗い宇宙へ、寝子島のちょっぴり控え目なネオンサインやビルの明かりが色を投影しています。青、赤。緑に紫。オレンジも。それらが窓の外、尾を引いて七瀬の視界を流れてゆきました。
「今日は冷えるねぇ。寒くないかい」
「ん~。すこし」
いつもなら大丈夫、なんでもなかとですよと我慢してしまうところかも。けれど今夜はなんだか、ワガママのひとつも言いたい気分。
「ウォルターさん。僕、ちょっと小腹がすいたとです」
「あー、ね。この時間に目が覚めちゃうとさぁ、お腹が鳴るよねぇ。なんか食べようか」
「お菓子……甘いモノ……」
「いいねぇ。背徳的だねぇ」
「ドーナツ。うん、ドーナツが食べたいです」
よしきた、とスポーツカーは右折し、幾度か左折してさらに右折して、夜中でも光の絶えない一角へ。
緑の看板は言わずと知れた、starboxsでした。
「スタボって、こんな時間でも開いてるんですね」
「店舗によって違うらしいけど、ここは24時間営業だってさ。もちろん、そう、ドーナツもあるよぉ」
コーヒーと抹茶チョコドーナツ、ブラウニーを注文し、窓際の席へ。ウォルターはハムとエビのなにやら巻き物のようなものをトレイに乗せています。サラダラップというやつです。
店内には七瀬とウォルター、奥の席には見るからにホストな疲れた顔のお兄ちゃんと、あちらにはくすくすと小声でなにかささやきあっている若いカップル。十代でしょうか。
スピーカーからとろとろと漏れ出るような音量で流れるジャズミュージック。外を通りすぎてゆく車の音はまばらで、人どおりはほとんどありません。寝子島の夜は大様にして静謐で、穏やかで、雑味が無く透きとおっていて、眠れない人びとを包み込み受け入れてくれました。
コーヒーを含む彼を、ちらり。物言わぬまま。言葉が必要なシーンもあれば、必要ないこともあるでしょう。今は後者で、沈黙こそが心地よく、そして彼という存在をより強く感じました。
ふと七瀬の目線をとらえて、ウォルターは片目をぱちり。そしてなにごともなかったようにコーヒーをもうひと口。なにもない窓の外を、満たされたように静かに見つめます。
なにかが変わったわけでもなく、胸の内がすっかり晴れたわけでもないけれど。少なくともこのフラットな時の流れは七瀬にとって、かえがたく最上のものとなりました。
ドーナツをぱくり、ひと口。抹茶の苦味とチョコの甘さが相まって、なんとも幸せな味わい……と、
「あ~ん」
気がつくと目をふせた彼が口を開けて、七瀬を待っておりました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月14日
参加申し込みの期限
2023年12月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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