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イケナイコトカイ
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普通科三年四組の教室、その一番後ろの席、しかも窓際の隅にさゆるとじゅんは並んで座った。
露呈すれば一発退場、下手をすれば警察を呼ばれるような状況ながらじゅんに緊張の色はない。むしろうっとりしたように、
「教室の匂い……ホコリっぽくていいねえ」
などとひたっている。
ここまで来るだけでも大変だった。じゅんは掃除用具入れを見て「こんなのあったあった。まだ使ってるんだ!」と近づいて開閉し、廊下に貼られた保健だよりに気づくと「いま考えればこういうのちゃんと読んどきゃよかったんだよねー」と熟読し、まだ子どもみたいでかわいい高校一年生たち、急に大人っぽくなった三年たちを見比べて「これから育つよねー」「育ったよねー」などと近所のおばあちゃんみたいなコメントをくり返したのである。
当然、目立つ。
さゆるは自分の見た目が人目を惹くのを知っている。自分では認めたくないのだが、どうしても注目を集めてしまうのだ。「自然に男を誘っている」などと言われたこともある。ルッキズムもいいところ、むしろ目立ちたくないさゆるからすれば迷惑このうえない話だ。十八になりなんとか視線を受け流せるようになった今日この頃だというのに、じゅんがこれでは意味がない。わざわざ注目を集めるような言動をするたび、彼女の手を引いて道を急がせざるを得なかった。
やがて授業がはじまった。教師は
桐島 義弘
、他人に興味をしめさない彼の授業ならまず安心だ。「きみのような生徒はいたかな?」と気がつくことはなさそうだから。実際、義弘は受験生向けに難問解法のテクニックを説明することに没頭しており生徒に注意を払う様子もなかった。
「数学、とくに難題に必要なのはひらめきだ。しかしひらめきは天才だけの特権ではない。今日はその話をしよう。配ったプリントの四ページを見てほしい。努力が発想を呼びこむ! ひらめきを得られる訓練をしようじゃないか」
受験数学それも二次試験頻出の例題を、ときにロジカルに、ときとして熱いパッションをまじえて義弘は解説する。
途中、じゅんがさゆるの肘をつついた。
「なに言ってるか全然わかんない。さゆるはわかる?」
「だいたいは」
「マジ?」
「ようは図形問題は補助線が命、ってことでしょ。あの問題、一見複雑な迷宮みたいだけど、AとDに線が引ければ出口が見えてくるって話。もちろん公式が出てこないと詰まっちゃうけど、鍵となる言葉が問題文にも……」
「もういい。もういい。ノーサンキュ、ノーサンキュ、プリーズ」
じゅんは頭をかかえた。
「あたし勉強悲惨だったけどさ、いまのさゆるの言葉、ひとかけらも理解できない。ひょっとしてギリシャ語?」
「数学の基礎はギリシャで生まれたから、あながちまちがいでもないかも」
「うげ。言わなきゃよかった」
じゅんはぺたりと机に突っ伏すのだった。
桐島の数学で懲りたかと思いきや、じゅんはまだ授業を受けたいと言った。
「しんどい授業にうなったりこっそり寝たり、ノートに落書きしたりも青春ってやつでしょ?」
「よくわからないけど、ポジティブなのだけは事実ね」
ならばさゆるも付き合うまでだ。じゅんにとっては青春体験学習かもしれないが、自分には受験勉強なのである。一石二鳥と行っていい。
やはり生徒の反応をまったく気にしないマイペースな
五十嵐 尚輝
の授業、つづけて「スポーツ系の学科を受ける生徒ちゃんには心構えを教えるわ。それ以外の子は、自習しても寝ても自由よ~」とフリーダムな
相原 まゆ
の授業を受けた。昨年まで、まゆはもっと厳しかったはずである。『まゆタン先生は男ができて変わった』という噂は本当かもしれない。
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かくて昼をむかえたふたりは学食に入った。
「これも楽しみだったんだ~」至福の表情でじゅんはトレーを運んでくる。カレーセット、ようはカレーとミニうどんのコンビである。「つらい授業を耐えしのぎ、待ちに待った学食ランチ!」
「がっつり食べるのね」
さゆるはスパゲティだけだ。もちろんソースの選択肢などなく、ミートソースオンリーである。
「育ち盛りですから」
「まあ、高校生はね」
「またそんな意地悪を言う~」
言いながら大テーブルの、やはりさゆるがえらんだ一番隅の席にむかいあって座った。
「学食って初体験なんだよね。あたし高校行ってないから」
コシのないヘナヘナのうどんなのに、一口するなり「おいしい!」とじゅんは上機嫌だ。「お、おっきい肉」カレーをすくって「……と、思ったらちゃんと切ってないタマネギでした」とまた笑う。やはりじゅんにはすべてが楽しいらしいのだ。
中学は給食だったから、とじゅんは言った。「こう、お金払って学校でご飯食べるって経験、ついぞしないままだったんだよ」
「そう。中学時代、私は弁当だったな」
いつも家政婦の手によるものだった。業務としての弁当。美味ではあったが、どこか後ろめたい気持ちがしたものだ。
「どんな中学生だったの、じゅんは?」
「学校に限れば、まあそれなりに楽しくやってたよ。友達は少なかったけどさびしくなかった。美少年がロボットに乗るアニメにはまってて――」
とうとうと語った。
やっぱり、じゅんは。
さゆるの目には薄い雲がかかる。
義父(ちちおや)との件がなければ、ごく当たり前の人生だったのかもしれない。
「あたしは」
スパゲティにほとんど手を付けずに言う。
「中学生のときにはもう、壊れてた。実兄との――」
片篠藍人、彼ととの歪んだ関係はすでに、当たり前の人生から大きくレールを外れたものだ。
無意識のうちに手首をさすっている。
「長すぎる夜から逃れるために溺れたリスカ代わりのセックス」
それだけじゃない、と言ったとき、さゆるはもうフォークを置いている。食欲など消え失せていた。
「私、中絶の経験があるんだ。十四歳の夏」
お兄さんとの、とたずねるじゅんに首を振る。
「大学生グループに拉致されて数日間輪姦されてね」
そのときの主犯の顔は忘れていない。まさか再会するとは思わなかった。テレビ画面ごしではあったが。
報道されたのだ。犯人は十輪田 黄金(とわだ・こがね)という名で、留年と再受験をくりかえし十年近くマタ大に在籍した『大学生』だった。ボランティアサークルを主催し、表向きは健全ながらそのじつ性犯罪を重ねたあげく逮捕されたという。すぐに大量の余罪が見つかり、さらには匿名の情報提供も連続して毎日のように十輪田の罪状は膨れ上がっていった。近年まれにみるセンセーショナルな性犯罪事件として連日ニュースや週刊誌に取り上げられている。現代の日本の司法では極刑はないが、積み重なった結果により生涯十輪田は刑務所ですごすことになるとみなされている。なかでも決め手となったのは、彼を追っていた私立探偵が警察に送った大量の証拠だという噂もあるが本当だろうか。
「……」
じゅんは目を閉じて顔を天井にむけた。
「ごめん、じゅん。このタイミングでする話じゃなかった」
「いいんだよ、さゆる。……生きていくって、つらいことだよね」
「だからこそ」
さゆるは身を乗り出した。手を伸ばしてじゅんの手に重ねる。
「だからこそあたしは、いまを大切にしたいって思ってる」
「うん」
アニメのセリフみたいだけどさ、と、じゅんは目に涙をためながら言った。
「さゆるが傷ついてきた埋め合わせにはならないだろうけど――それでもあたし、さゆるのことをいっぱい愛したい」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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