this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
イケナイコトカイ
<< もどる
1
…
16
17
18
19
20
…
30
つぎへ >>
星ヶ丘、住宅地を抜けた斜面に位置するカフェだ。
まるで炭焼き小屋のようなログハウス、煙突も飾りではなく本物だ。戸を開けるとストーブがあかあかと燃えている。
「このお店、夜しか営業してないそうなんですよ」
七瀬は店内へウォルターをいざなった。ドアを抜けると木の匂いに包まれる。
無骨な外装ながら内側は瀟洒といっていい。内装は煉瓦とフローリング、テーブルも椅子もすべて木製で、手作りらしくひとつひとつ形がちがう。やはり木製の手すりも、つるつると心地よい手触りだった。丸い柱を避けてアップライトピアノが鎮座している。
「知る人ぞ知る名店、あるいは隠れ家といったイメージだねぇ」
ウォルターも気に入ったらしい。ランプの優しい明かりに目を細めた。
客入りはちらほらといった具合だった。窓ぎわにむかいあって座る。
「それで、ウォルターさんと一緒にやりたかったイケナイコト、ですが」
「いよいよ発表か、楽しみだね」
内緒話を打ち明けるように声をひそめて七瀬は告げた。
「すばり『夜パフェ』です。ひそかな聖地らしいですよ、この店が」
「ほう」
「飲み会の〆にラーメンを食べるように、一週間の終わりにパフェを食べるんだとか。こんな時間にですよ?」
「それはイケナイ、とてもイケナイことだねぇ。メアリ、いや、体重計に叱られそうだ」
そちもワルよのう、とウォルターはわざとらしく言うのである。
「前から気になっとったとですが、どうせ行くなら二人のほうがと思いまして」
そう、堕ちるなら一緒に、なんてね――。
かつて読んだ本の一節を七瀬は思い出す。
「悪の道連れということか」たまらくなったのか、ウォルターは含み笑いをこぼす。「喜んで付き合おうじゃないか」
店員呼び出しのブザーなんてない。七瀬が視線を向けただけで、店主らしき男性がやってきた。
「いらっしゃいませ。ご注文は」
「僕は、オススメの苺パフェにします。ウォルターさんはどうしますか?」
「なかなか迷ったけど、王道のチョコレートパフェをいただくとしよう」
「苺とチョコ、パフェひとつずつでお願いします」
ストーブのほかに空調も効いているようで、屋内にいるかぎりは春のようだ。
けれども外は厳寒、いつの間にやら桜の花ならぬ粉雪まで舞っているではないか。
「降ってきたね」
「帰り、スリップするくらい凍らなければいいですけど」
「ならいっそ」ウォルターは何の気なしに言った。「この山小屋に泊めてもらおうか? 寝袋くらいあるんじゃない? 大きめだったらふたりで一緒にもぐりこんでさ」
「ウォルターさん!?」
彼言うところの『真に受けちゃいけない』たぐいのジョークだとはわかっていた。それでも七瀬の声はわずかにうわずってしまう。
「なんてね。近場だし大丈夫だよ」
「ですよね」
安堵なのか失望なのか、自分でもわからぬため息を七瀬はついた。天才肌でミステリアス、現時点はまちがいなくいつものウォルターさんだと思う。
まもなくパフェが運ばれてきた。細長いグラスにぎっしりと、苺の赤とクリームの白、ブルーベリーの青が重ねられている。ミントの葉は緑のアクセントだ。
「さすが星ヶ丘のお店というだけあって、パフェの見た目もすごくオシャレですね」
対するチョコレートパフェはブラウンが基調、しかしバラエティに富んだブラウンなのだ。淡い茶色、濃いチョコレート色、黒に近いコーヒー色、やはりぎっしりと層をなしている。
「いただきます」
「いただきます」
「……と、その前に」
七瀬はスマートフォンを取り出した。
パシャリ、小さな音が立つ。不意をつき、七瀬はスマホで『パフェを食べようとするウォルターさん』の写真を撮ったのだ。さすがのウォルターも予想外だったようで、スプーンを手に硬直してしまった。
「今日の記念、です」
ふふんと笑ってみせる。
「もう、驚かせないでほしいねぇ」
いまので寿命が縮んだよ五分くらい、とウォルターは口を尖らせたが、
「ま、このパフェで一日くらい延びる気がするけど」
すぐに破顔してパフェに取りかかったのである。
黙々とパフェを減らす数十秒が過ぎて、
「おいしい」
「だね」
潜水していた海女が海面に浮かんだように、ふたりは同時に息をついたのだった。幸福な者同士の視線を交わしあう。
「見た目ほどは甘くなくて、さっぱりです。なるほど、〆にというのも頷けますね。ウォルターさんのは、お味どうですか?」
「だね、ビターなココアパウダーがいい仕事しているよ。これなら毎日……はさすがに無理にしても、毎週食べてもいいねぇ。真面目に働いた一瞬間のごほうび、って気もするよ」
このとき七瀬は気がついた。
おや、ウォルターさん口の端にクリームが。
白と茶色が半々といったところ。ついてますよ、と七瀬はジェスチャーで示すも、
「どうした倉前? moustache……あー、えーと、口ひげでも生やしたいって意味?」
彼には微妙に伝わっていない様子だった。もどかしくなって、
「ついてます」
たまらず七瀬は手を伸ばし、ウォルターにとってmoustacheが生えるあたりを自分の指ですくいとったのである。クリームのついた指をペロリと舐める。
うん、こちらもちょうどいい甘さ……って、
……あぁ。
慌てて言う。
「すみません、無意識に。……嫌でしたか?」
「まさか。でも僕なら」
ウォルターは謎めいた笑みとともに言ったのである。
「直接、唇でぬぐいとるかもねぇ」
――きっとこれも『真に受けちゃいけない』ジョーク。
なのでしょうか。
<< もどる
1
…
16
17
18
19
20
…
30
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
イケナイコトカイ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!