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寒くないかと修が問うと、「もちろん!」とあおいは応じた。
「寒いのいやだから早足で帰ろー! えいほえいほ」
彼女の歩調が早回しのようになる。いちいち『えいほえいほ』などと口に出して言うのは彼女の親友ののこの影響だろうか。
あおいの気持ちを読み取れたことは喜ばしい。
だが……この場合やぶ蛇だったようだな。
修は軽い後悔を覚えていた。
理由は簡単、早く歩けばそれだけ、あおいと一緒に歩く時間が短くなるからだ。いくら頑張ってももう、あと数ヶ月も体験できない貴重な時間が。
「なにか自販機で温かいドリンクでも買っていかないか?」
一秒でも長引かす方法、それは休憩だと修は考えた。
「ごめんね今日はやめとく。引っ越しが近いから最近、できるだけ無用な出費を減らしてるの。結構かかるんだよ引っ越し代ってー」
苦笑いするもあおいはペースを落とさない。自室でホットのほうじ茶でも飲むと言う。
おごるよと申し出てもあおいのことだ。「修くん、無駄づかいはダメだよ」とか言ってノーサンキューをつらぬくだろうな。俺はあおいが喜ぶのなら、自販機丸ごとだって、いや、寝子島じゅうの自販機を買いあげたって惜しくないというのに。
しかし、
「あっ」
と口にしたのはあおいも修も同じだ。しかもぴったり同一のタイミングで声が重なった。
視線の先、正面に見えたドリンクの自動販売機に『ホットなフルーツスイーツテイストはいかが?』なる書き文字が躍っていたのである。今朝こんなポップはなかったと思う。昼の間に追加されたのか。
先日あおいは修の問いかけに対し、好きなものとしてフルーツスイーツをあげた。もちろんフルーツケーキやタルト、パフェにゼリーなど、比較的冷たいものを想定しての発言だった。もちろんコールドスイーツといっても、冬にも嬉しい味覚であることはまちがいないだろう。『あおいの好物はフルーツスイーツ』、この情報は修の脳のひだに刻みこまれた。
そのときの記憶がまだ新しいうちに、このタイミングで『フルーツスイーツ』のマジカルワードが飛び込んできた。たまげずにはいられない。さらにはあおいも同時に気がついて、ぴたりシンクロで声を上げたとなれば、これはもうちょっとした奇跡と言っていいのではないか。
それと気づいて思わず軽く笑ってしまったのは、修もあおいも同じだった。笑うタイミングまでシンクロしている。
「自動販売機のドリンクで、ホットなフルーツスイーツテイストか……気になるよな?」
「さすがに見て見ぬふりはできないよ~」
困ったような声を出すが、あおいも覚悟を決めたらしい。彼女のなかではこれは無用な出費とはならないようだ。
ホットなフルーツスイーツテイストの飲料というのは、ホットアップルサイダーのことだった。サイダーといってもこの場合は炭酸を意味しない。果汁たっぷりのリンゴジュースのことだ。無濾過の濁ったリンゴ果汁に薄口のオレンジジュースを混ぜ、レモン果汁とスパイシーなクローブを加える。ここにシナモンテイストをきかせたホットドリンクなのである。アップルパイを思い出す芳香、軽やかなのにクセになりそうな甘さ、そして後味の爽やかさが魅力である。値段は一般的なジュースの倍ほどするが、それに見合う満足度だった。
ふたりは一缶ずつ買って、一緒に口にして一緒にほうと白い息を吐く。一昨日まで春がきたのかと思うほど温かかったのに、昨日からまた極寒の日々が戻ってきただけになおさら美味に感じた。腹部からじわじわ、四肢へぬくもりがひろがっていく。魔法の森の奥深くで禁断の飲み物に出会った気分だ。飲めば妖精に変身してしまうと知ったとしても、きっと飲むのをやめられないだろう。
「街角の自動販売機で極上でホットなフルーツスイーツ体験ができるなんて、さすが寝子島だな」
「あなどれないよね。やっぱり私、この島が好き」
「だったら……」
「『九州になんて行くな』はなしね。私には、かなえたい夢があるから」
先を越されたな、苦笑して修は言った。
「いや応援するよ。でもいつか、またここでホットアップルサイダーを飲みたいな。俺は。あおいと」
「明日でもいいよ。これ気に入ったし!」
「おい」
情緒というものがなあ、とわざとらしくコミカルに修はぼやいて見せた。
「イケナイコトなら任せて、って感じ」
先ほどのあおいの言葉を思い出す。
そうか。
俺にとってのイケナイコトは、あおい、きみに『行くな』って言うことになるのか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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