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イケナイコトカイ
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昨夜は時間通り眠ったつもりだった。今日も学校、しかも午前中に体育があるというハードスケジュール、さらには寒波迫る真冬の屋外で持久走だというではないか。体調大事、健康第一、睡眠不足はいろいろなものの大敵だから、万全を期すべく早めに床についたのである。
そんな
愛猫 萌々子
が本日最初にいだいた感覚、それは――。
寒っ!
だった。
どうして!?
氷柱がしたたりそうな睦月の朝であっても、布団はぬくぬくなのが定めではなかったか。ゆえに布団を出ることを体は拒み、起きろと叫ぶ魂と一進一退のせめぎ合いを演じるのがこの時期の定番ではなかったか。
「どうしてこんなに寒いのですか……」
ぎゅうっと目を閉じたまま萌々子はうめく。
窓を閉め忘れて寝たとか?
ありえないです。
よもや寮のルームメイト
笛吹 ぴりり
が、「換気は大事!」とオープン・ザ・ウィンドウ・ワイドリーを敢行したとか。
いえ、ぴりりちゃんに限ってそんな。
だとしたらなぜこんなに凍えているのか、どうして布団がないのか。
目を開けて知った。寒いはずだ。萌々子は吹雪のただなかにいたのである。
しかも時間は夜。屋外だ。とどめなく降る雪に建物はもちろん、道路脇の車両まですっぽりと覆われている。雪のせいだろう人通りは皆無だった。
ただ外にいるだけでも驚天動地だが、さらに信じがたいことにここは外国の街角らしい。煉瓦造りの建物が多く、かかっている看板や案内板も見慣れないものばかりだ。書かれている文字は例外なく英語である。
――『East Boston』。
標識にはそんな文字があった。地区名だと思う。
西ボストン……? えっ、アメリカ!?
どうして自分がアメリカにいるのだろう。夢にしても突飛すぎないか。
(もう二年たったのか。ここに渡ってきてから)
誰の声?
萌々子は飛び上がりそうになった。男性の声が聞こえたのだ。それも自分の内側から。
(ここで新しい人生が始まると思ってた。なのに)
声の主は独白している。聞き覚えのある声だった。
ひょっとして。
萌々子は視点を下げた。わが手を見る。やっぱりと思った。
自分の手ではなかった。サイズが大きい。男性の手だ。それも、萌々子のよく知っている手、何度も抱き上げてもらった手だった。
徐々に体の自由がきかなくなりつつある。『声』の主が体を取り戻しつつあるのだろう。
それでも萌々子は力を振りしぼり、通りに面したショーウィンドウに顔を向けて鏡のように写った自分の顔を見る。
ああ! やはりお兄様なのですね!
萌々子が見たのは
愛猫 公英
(あいび きみひで)、最愛の兄の姿だった。
公英は萌々子より十歳年長だ。かつては成績優秀、品行方正な優等生で、まるで親のように、いや、実の親以上に萌々子の面倒をみてくれた。ときには自分の学校を休んででも、不調の母親にかわって萌々子の参観日や音楽会に顔を出し、運動会だって弁当持参でおとずれたものである。母親が亡くなってからはその傾向はますます強まり、溺愛といっていいほどの域にたっしていた。これは、家庭より仕事を優先しつづけた父親への反発が根底にあったのかもしれない。
絵に描いたような真面目人間だった公英だが大学入学を境に、昆虫並みの完全変化を遂げた。
音楽に目覚めたのだ。聴くだけではなく演奏するほう、つまりミュージシャンとしての自分を公英は発見したのだ。
メガネはやめてコンタクトに、髪は伸ばして染め、一人称の『僕』は『俺』に取りかえた。口調もワイルド方向へ路線変更だ。家にはあまり帰らなくなり、萌々子のことを想う気持ちに変化はなかったものの、「それってグレイトじゃねぇの? ライフ・ゴーズ・オンっしょ」などと宇宙語みたいな言葉を発するようになったので、一時期萌々子はすいぶんとまどったものだ。
そんなお兄様のイメージチェンジにも慣れたというのに……。
しかしなんという変貌ぶりだろう。声や手の助けがなければ別人とみまちがえたかもしれない。
萌々子の記憶にある公英は染めた金髪だった。それも、中途半端に地毛が生え、いわゆるプリン髪になっていることが多かった。だが現在、公英の髪は完全に黒で、だらしなく伸び肩の下まで続いている。愛嬌のある童顔だったはずが、基本的なパーツこそ同じだがひどく痩せ、目の下にはクマまでできていた。メガネに戻っている。瞳にも光がない。血色だってそうとう悪い。これでは年相応どころか、三十歳を超えているとすら思われはしないか。
服装だってみじめなものだ。かつてはラメの入った派手なシャツや絞り染めのカットソー、はたまたスタッドつきの革ジャン、あるいは鼓笛隊風だったり、フェイクファーで襟回りを飾ったモッズコートだったりとミュージシャンらしく尖った、それでいてお洒落な着こなしが特徴だったはずの彼が、いまはヨレヨレのダウンジャケットにレザーパンツなのである。それとて新品なら見栄えもしようが、ジャケットはほころびだらけで穴も空き、パンツのほうも裾がほどけかけていた。上下いずれも古着屋に出しても、即ボロ布に解体されそうに思えた。ギターのケースをかついでいることだけが、ただひとつ残ったミュージシャンらしさといえようか。
お兄様、どうしてこんな風に。
(渡米して二年。あっという間の二年だった)
公英の声がする。ぼんやりと遠くから、井戸の底から響いてくるように。
でも、二年って。
公英が渡米したのは四年ほど前のはずだ。時間軸がずれているのではないか。
これ以上公英の体をコントロールするのは無理だと悟ったが、祈るように萌々子は右手に意識を集中した。右手をポケットにつっこむ。スマホを取り出して画面をつける。
やった!
日付を確認した。やはり二年前、それも真冬ではなく三月末ごろだった。いくら東海岸でも季節外れの大雪だと思われる。
つまり私は、二年前のお兄様を追体験しているということですね。
神魂の影響なのだろうか。理由はわからないが、これが実際にあったことだと萌々子は確信していた。
ミュージシャンになる、ビッグになると宣言して、公英は大学卒業と同時に家を出て行った。
お兄様からの連絡は、一年ほどで途絶えてしまいました。
でも順風満帆で忙しいんだろうって、すこし恨めしく思っていたくらいでしたが。
まさかこんなことになっていたなんて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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