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Dating? Serious relationship?
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車から降りて建物に入れば、そこに広がるのは異空間。
壁や天井のペイントと並ぶ店々がマッチして、まるでハワイの海岸通りを歩いているかのようだった。
「へぇ。フードに雑貨、ファッションも揃ってるって」
「他にもヨーロッパのフロアとか、恐竜博物館とかもあるって!」
日本に居ながらにして海外旅行気分が楽しめるとあって、多くの人で賑わっている。この建物を見て回るだけでも1日がかりだねと笑い合う2人は、まずレザークラフトの店を見つけた。
キーホルダーやコインケースなど好きなベースを選び、亀や椰子の木など刻印をしてオリジナルのアイテムに仕上げることができるらしい。
「名前も刻印できるんだ」
「イニシャルぐらいなら大丈夫だろうけど、さすがに名前はねぇ」
うっかり置き忘れて誰かに見られでもしたら、その後が大変だ。困ったように笑うウォルターに、柚春も苦笑するしかない。
「そうだよね……」
学校で『ウォルター先生』と『稲積』と呼び合うことは、柚春も仕方が無いと思っている。
でも、学校の外でさえ名前で呼ばれないのは、少しばかり不服だ。
柚春がウォルターを『ワット』と愛称で呼ぶことには慣れてきたのか、彼から咎められなくはなった。が、彼の気が向かないのか、外でも他の生徒と会うことが多いからか、なかなか『柚春』と名前で呼んでくれることが少ない。
こうして遠くまで来て、デートと意識してくれて、ようやく名前を呼んでくれる。
もともと、
気まぐれな彼との口約束
が始まりだ。『気が向いたらね』というのは何かと便利な言葉で、最初こそ名前で呼ぶように何度も口を尖らせていたけれど、最近ではそれも言わなくなった。
特別なときや、今日のように周りに見知った顔が居ないときは、ちゃんと名前を呼んでくれるからだ。
(それでも学校以外では、もっと名前を呼んでほしいな)
商品を眺める素振りで顔を伏せた柚春は、今一度お願いしてみようか迷った。
けれどもし、親しく名前を呼ぶ姿を寝子高関係者に見られたら? もしそれが口が軽く悪いことのように吹聴する者だったら? 立場が悪くなるのは彼ばかりで、迷惑はかけられない。だけど――。
「ね、ずっと気になってたことがあるんだけど……『ワット』って特別な愛称だったの?」
何かを振り切るように顔を上げて、柚春はウォルターに向き直った。
「どうして?」
「だって、『ウォルター』だと『ウォルト』とかのほうが一般的じゃないかなって」
少なくとも、今のところは名前で呼んでくれているのに拗ねるのも、何か違う気がしたのだろう。
それに、メアリに聞いても解決しなかった『ワット』の出所。勇気を出して聞いてみるなら、今な気がした。
「あぁ、そう呼ぶ人もいたねぇ。でも、柚春に聞かれて思い出したのは『ワット』のほうかな」
今は呼ぶ人がいなくなってしまったけれど――そう苦笑する彼の横顔は、懐かしむように目を細めている。
きっと、大事な人に呼ばれていた愛称なのだろう。
「特別な呼び名だったら、僕が呼んでもいいのかなって思ったから」
「今さら?」
「今だから!」
教えてもらった去年の夏から、勇気を出せるようになるまで少しかかった。
愛称で呼べるようになると、彼との距離がちょっとだけ近くなったような気もして嬉しかった。
これからも、彼のことは親しみを込めた特別な名で呼びたい。けれど、彼にとっての大事な思い出にある呼び名なら……そっとしてあげたいとも、思う。
(メアリさんもああ言ってくれたし……大丈夫だとは思うけど)
柚春は不安そうな眼差しで、そっとウォルターを見つめ続けた。
「……大丈夫だよ。嫌なことを思い出すとか、そういうのじゃないし。特別親しい人だけが呼んでいたかって聞かれたら、思い出せないんだけど」
優しく頭を撫でるウォルターは、『ワット』と呼んでくれていた人の顔を思い出す。故郷を離れ、今では愛称や略称で呼ぶ人も少なくなってしまった。いつしかこの愛称でよく呼んでくれるのは柚春になっていて、むず痒いこともあるけれど。
「柚春がそうやって呼んでくれるの、僕は嬉しいよ。場所はまだ選ぶけどね」
学校では先生と呼ぶように。そんな含みのある顔で笑って、ウォルターは次の店に視線を向けた。
「僕も、ワットに『柚春』って呼んで貰うの嬉しいよ。だから、だからね……っ」
「稲積」
突然突き放すように、ウォルターの声音が変わった。
先生の顔をしなきゃいけないということは、近くに見知った顔をみつけたのかもしれない。
わかってる。外出するということは、こういうこともあるって。
(わかってる、けど……!)
それなら、先生の顔をしなくていいときくらい、ちゃんと名前で呼んでくれたらいいのに。
これはデートかなぁ、なんてからかって、手も繋いでくれないときがあるのは。
周りに誰もいなくても、気分がのらないのか名前で呼んでくれないときがあるのは。
「ねぇ、ウォルター先生」
気になる人影から逃れるように背を向けて、商品を吟味するフリをし始めたウォルターに、柚春は生徒の顔で問うた。
「外国には、『Dating』って期間があるって……ほんと?」
無邪気に、にこやかに。それでもどこか、冷ややかさも滲ませた瞳。
「いず……」
言葉に詰まって、ウォルターは柚春を見つめ返した。
英語圏の文化を聞いてるだけですよと言わんばかりの顔で、柚春は何かを続けようとして――唇を嚼んで言葉を飲み込む。
「……どこか、適当な店で待ってるね」
絞り出すように告げた言葉は震えていた。
だから子供なのだと、柚春はただ己の弱さに腹立たしくなって、ウォルターと顔を合わせぬまま店を出た。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月11日
参加申し込みの期限
2024年04月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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