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Dating? Serious relationship?
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そして、翌日。
ロイヤルブルーのスポーツカーは、助手席からの希望に従って寝子島を飛び出し、国道を北東へ。
1時間も走れば、大きな複合型施設がいくつも建ち並ぶ大都会。観光客でもひしめき合う横浜に到着だ。
「適当に走ってきたけど、ここで良かった?」
手近なショッピングモールの駐車場に空きマークを見つけ、そのまま立体駐車場を上っていく。
もしお姫様にご満足頂けないようであれば、車はここに停めたまま移動してもいいだろう。横浜ともなれば、移動手段も水上バスにロープウェイ、それから三輪自転車のタクシーなど、観光向けの変わった乗り物がたくさんある。
「なんでもあるから、どこに行くのか迷っちゃいそうだね」
と、色々考えを巡らせていたウォルターだったが、柚春はさっそく周辺とこの館内に何があるのかとスマホで検索しているようだ。嬉しそうに声を弾ませてフロアマップまで読み上げるから、ウォルターは杞憂で良かったと苦笑する。
彼女の案内によると、付近には劇場や美術館。東アジア最大級の中華街にいくつものショッピングモールがあり、寝子島で見慣れているはずの海でさえ、なぜだかオシャレに見えると不思議がっている。
――せっかくのデートなら、知ってる顔に見つからない場所へ。
そんな思いから、柚春は寝子島大橋を渡るルートをせがんだのだろう。
どこへ行ったとしても、2人の関係や肩書きは今すぐ変えてあげられない。けれど、少しでも恋人らしくありたいと願うくらいなら、ウォルターも我が儘と感じることはないし、車を走らせることなど造作もないのだ。
ただ、そんなささやかな願い事すら、こうして願われなければ叶えてあげられない。今はまだ、ウォルターが率先して彼女を連れ出すことでさえ、周囲は良い印象を抱かないとわかっている。だからウォルターは、自分が受け身となり柚春に引っ張られていることに、無力さを痛感し歯痒く感じていた。
でも今日は、柚春の嬉しそうな様子が見られた。それだけで、少し遠出して良かったと思ってしまう。
「そういや、
指輪が欲しい
って言ってたっけ?」
車を停めて、枠線内に収まったかどうかミラーを確認しながら、何でも無いことのように言う。
見に行こうかと誘うことも、楽しみにしてるとも言えないけれど、忘れてないよと伝えることくらいは許されるだろうか。
エンジンを切り、静かになった隣へ視線を移す。柚春はシートベルトに手をかけることもなく、ウォルターを見て呆然と瞬きを繰り返していた。
「あれ、違った?」
「違わない! 違わないけどっ!! ……覚えててくれたんだって、嬉しくて」
ホッとしたように息を吐き、破顔してみせる姿が可愛くて、ウォルターも釣られて微笑む。それでも、彼女が何を望んでいるかわかった上でからかってしまうのはやめられない。
「どの指だったっけ。確かお守りになる指だよね」
意地悪く笑って顔を覗き込めば、きっと柚春はむくれてみせるだろう。恋人同士とは言えずとも、好き合っている者同士がつける指など決まっているではないかと、それはもうメアリがお小言を言うかのように懇々と説明するはずだ。
「……が、いい」
「ん?」
そっとウォルターの左手に自分の右手を重ね、柚春はきゅっと甲の上から彼の手を握りしめた。
「薬指が、いい」
ハッキリと意思表示をする柚春は、むくれてなどいなかった。恥ずかしくて俯くでもなく、真っ直ぐにウォルターを見つめている。
「……どっちの?」
思わず、ウォルターはそう聞いていた。
それくらい、真摯な眼差しに適当な返事をするのが躊躇われたからだ。
「い、いまは右で!」
「右なんだ」
「だって左は……」
焦ったように手を離そうとする柚春と指を絡め、ウォルターから軽く握り返してやる。さすがに、左手の薬指に揃いのリングを付ける意味を知らないとは言えない。
「ごめん、からかいすぎた」
彼女が真っ直ぐに思ってくれていることはわかってる。わかっているから――好きだと、同じ想いであると隠さずに答えた。そのことに後悔があるとすれば、こうして遠慮をさせてしまうことだろうか。
「……ワットは知ってる? 指輪をつける指に、それぞれ意味があるって」
親指から小指まで、左右によっても意味が異なるんだよと言う柚春は、にんまりと笑って見せた。ということは、右の薬指もそれはそれは良い意味があるんだろうなとウォルターは続きを促す。
「左薬指が恋人のいる証で、右薬指は募集中って意味になることもあるらしいよ」
ところが、彼女の口から飛び出たのは――どう聞いても、良い物とは言えなかった。
ぱちくりと瞬くウォルターを見て、柚春は得意げな顔で笑むばかり。
いや、『募集中』ということに焦って「早く恋人にしてね」という意味が含められているなら、彼女にとっては良い意味なのかもしれない。が、柚春が卒業するまであと1年。そんな危なっかしい合図を身につけられたままというのは、たまったものでは――と、面食らったような顔で聞いていると、クスクスと笑い声が聞こえる。
「左薬指は大事な日のために取っておいて、右薬指に指輪をつける恋人も意外と多いんだって。だから右薬指には『予約済』って意味もあるみたい」
「それはまた……両極端だねぇ」
「もちろん僕がワットとペアリングをつけたい理由なんて、わかりきってると思うけど」
じっと見つめる瞳が、僅かに緊張していた。
そういう意味合いを含んでいるだろうな、とウォルターだって予想はしていたけれど何も聞かなかったし、柚春だって今までハッキリと明言してはこなかった。
理由を言えば、「やっぱりダメだ」なんて言われると思ったのかもしれない。
「学校ではつけてくれなくても、それ以外の場所ではつけてくれるんだよね?」
必ずつけると言ってあげられたらいいのに。
そうすれば柚春が喜ぶことなんてわかりきっているし、この誰も聞いていない車の中であれば口約束だと割り切って返事をしてもいいはずだ。
……だけど、そうやって流してしまうことが、酷く彼女を弄んでいるようにも思えて。
「善処します」
今日のウォルターには、これが精一杯の答えだった。
学校ではないからと油断できるわけでもない。普段からアクセサリーをよく身につける性分だったならともかく、そうでないウォルターが指輪をしているとなれば、めざとい同僚に会えば突っ込まれることもあるだろう。
そういう事情は、柚春にだって理解が得られていると思っていた。わざわざ説明しなくても、聞き分けてくれるだろうと――どこかで、勝手に思ってしまっていた。
「今ね、お店を色々調べてるんだ。学生にも買えて、それなりに見栄えがして……ワットがつけても恥ずかしくないようなの」
嬉しそうに話す柚春の中で、じわじわと不安が広がり溢れそうになっている。
そんなことなんて、ウォルターはこれっぽっちも気づくことが出来ないでいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月11日
参加申し込みの期限
2024年04月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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