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あなたがここにいてほしい
【プレイバック】迷い子がふたり【bitter】
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パンッ、と乾いた音がした。
やがてそれは、頬を張られた音だと悟る。自分の頬だ。耳がキーンとなるくらい力一杯打たれた。
「痛っ!」
抗議するが早いか。
「
ああもうっ!
」
泣きそうな声が聞こえた。
「ああもうっ! こんなところで何やってんだ倉前……倉前七瀬!
七瀬!
」
まだジンジン痛む右頬に暖かな手が触れた。左頬にも。
あったかい。
人の体温だ。目を開けた七瀬は、キスできそうなほどの位置に人の顔を見た。
その人は、しゃがみ込んだ七瀬の首を両手で空に向けさせ、真上から見下ろしている。後光のように月明かりを背負っている。
「ウォルターさん……?」
「そうだよっ!」
ウォルターさん、ですね。
夢にしては、ずいぶんほっぺが痛いです。
ウォルターさんはひどく怒っていて、目がつり上がっているのに――。
「でもどうして……泣いて、いるんですか?」
「泣いて!? 僕は、
僕は怒っているんだよ!
倉前がこんなに僕を心配させたからっ!」
いや、でも泣いてますよね、だって涙が。
僕にこぼれ落ちる涙が、こんなにもあったかいのに。
ウォルターに渡された魔法瓶の蓋には、熱い紅茶がなみなみと注がれていた。
急かされながら飲み干し、さらにもう一杯おかわりする。
自分がひどく喉が渇いていたと知ったのは、その二杯目が終わるころだ。
同時に、焼いた石でも呑んだような気持ちでもあった。内側からカッカと暖まってくる。
「よし、じゃあ行こう」
やっぱりウォルターだった。厚手のライダースジャケットを着ている。七瀬が無事とわかっていくらかほっとしているようだが、まだ眉間にはしわが寄っていた。
「立てる?」
手を借りて七瀬は立った。けれどふらつく。ウォルターは黙って腕を取り七瀬に肩を貸した。
「あの、そこまでしてくれなくても」
「四の五の言わない。凍死するところだったんだよ」
意外にも、七瀬は最初の地点からそれほど遠いところに来ていたのだと知った。間もなく視界がひらけ、例の東屋が見えたからである。
「どうやって……ここに……?」
「メールくれたじゃないか、山から。僕、わりとすぐ返事したのに反応がなくてさ。気になって」
とすればうたた寝のあいだに電池が切れていたのか。
とどいた写真からある程度あたりをつけ、ウォルターは東屋まで来たのだという。七瀬の荷物が残されているのを見つけ、そこから駆け回ったすえにうずくまる七瀬を見つけたというのだ。
「ごめんなさい。ウォルターさん、これには事情があって」
「明日聞くよ」
まだ怒っている様子のウォルターにこんなことを言うべきか七瀬は迷った。しかし、考えたすえ口を開いた。
「前に僕、ウォルターさんを心配するあまり頭突き、しちゃいましたよね……今日、そのお返しもらっちゃいました」
頬の痛みを思い出す。忘れ得ぬ痛みだ。たぶんきっと、一生。
「もうちょっと倉前の血色がよかったら」怒るかと思ったが、七瀬の意識がはっきりしているとわかったからだろうか、ウォルターの顔には笑みが戻っていた。「白雪姫よろしくキスで目覚めさせてもよかったんだけどねぇ」
「ほんとですか?」
「また遭難して試してみるかい?」
「遭難はもうごめんですよ」
でもまさか、と七瀬は言う。
「メールの返事がないだけで、探しに来てくれたなんて……」
「忘れたのかい? 前に言ったろ。倉前が迷子になったら僕は、探しに行くに決まってるじゃないか、ってねぇ」
今度は七瀬が嗚咽する番だった。顔が上げられない。ウォルターの肩に顔を押しつけくぐもった声を漏らす。
「よせよう。レザージャケットは水に弱いんだ、涙には特にね。それに僕も」
自分の両目の間を指でつまみ、ウォルターはぐいと空を見上げたのである。
「僕も、弱いんだからさぁ」
その夜七瀬は救急車に乗せられ、寝子島総合病院に一泊することになった。
――『あなたがここにいてほしい』 了
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
推理・サスペンス
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月12日
参加申し込みの期限
2023年11月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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