this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
LIQUID -Star Chronicle- 月の都編
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
10
つぎへ >>
【ストーリークエスト『月の都』(2)】
崖を削りととのえられたらしい階段状の段差を下りてゆく。鉱夫の語ったとおりだ。月の都。その名にふさわしい壮麗が、文字どおりの輝きとなって冒険者らの目を打った。
燐光はらむ霧をうっすらとまとい、寝そべるようにたたずむ都市へ足を踏み入れる。入り口へたどりつくと、彼らはそこへそびえたつ彫像を見上げる。支配者、水鏡の女王の姿をかたどったものだろう。凛として立ち、背にはねじれたリング状の後光のような飾りを背負っている。先ほど鉱山の外、石碑に見かけた紋様と同じものだ。
ソフィアは都市の中心を貫くように流れる碧緑に気づいた。
「これは……<月の水>」
かの遺物からあふれては白い瞳の傀儡へと堕し、遺跡群の壁を這う金属チューブにも満たされていた、月の水がここには潤沢に蓄えられている。そしてどうやら、都市全体を循環しているようだ。
「各地で吸い上げられた月の水は、ここへ集められた……?」
都市をめぐる水路は、十数メートル四方はあろう巨大な貯水槽へと流れ込み、さらに別の水路へとつながっている。ソフィアが縁から覗き込むと、貯水槽はおどろくべき透明度をたたえよどみのひとつすらないが、底面を見とおすことはできなかった。途方もない深さだ。
仲間たちとともに都市をめぐる。今のところモンスターの類が襲いかかってくることもないが、不測の事態に備え常に警戒は解かずにおく。
おそらくは民家らしき、純白の建造物へと足を踏み入れる。四角い家だ。壁は四方を囲まず二面のみで、残る二面は石柱が並び屋根を支えている。家具や調度品の類は最低限といったところだ。壁も扉もなく吹きさらしでどこからでも住人の動向が見て取れる、家屋というよりは、日本でいえば庭園に設えられているような東屋といった風情だ。居住空間として必要十分とは思えないが、都市においてはこれが標準的な様式であるらしい。
「興味深いけれど」
ここで人々が、例えば家族や恋人たちが暮らしたのだろうか。こんなところで?
「…………」
そんなことを考えてふと、気づいてしまった。アヤカとケイはむこうで仲むつまじく、オサムとアオイも親しげに笑い合っている。周囲を油断なく警戒する凛風とポラリスなどははっきりと恋人同士と明言しているし、かわす目線もどこか艶っぽい。
思わずため息がもれた。つい、想像してしまう。
彼女
と並び立ち冒険する、その甘くあたたかな体験を。
アヤカはケイの袖を引き、身を寄せた。
「なにか出そうで、怖いですね。こういう遺跡には、それを守っている存在がいそうですし」
「うん。油断はしないようにしよう」
「はい。あ、そうだ、パートナースキルを使っておきましょうか」
綾花と珪は恋人ではない。まだ。しかしリキッド大陸でのアヤカとケイはまぎれもなくパートナー同士。かけがえない間柄だ。彼にしても、ゲームの中の話だからと軽く受け入れてくれたわけではない……と、少なくともアヤカは信じている。
「じゃあ、いきますよ」
「せーの」
「「<Pリンケージ>!!」」
息を合わせた詠唱によって桃色の光が生まれ、ふたりの周りをめぐり、一瞬ハートを形作ってから弾けて消えた。パートナー同士、双方の攻防力を高めることができるスキルは、ふたりの冒険においていまや当たり前のように組み込まれている。アヤカが<LIQUID>を遊ぶなかでも、お気に入りの瞬間だ。彼との一体感を感じられる上、バトルにだって役立つ。
それにしても、とつぶやいて、彼は都市を見下ろす高い塔を見上げた。
「綺麗なところだけど、どうしてかな。なんだか寂しさや……息苦しさも感じるね。人がいないから、というばかりではない気がする」
「水鏡の女王はここで、民を導いていた、と言われてましたけど」
導く、なんて表現にはいくつも解釈は生まれよう。善政を敷いたのか、鉱山夫のとなえた一説のように民をしいたげる暴君であったのか。
どちらかといえば、アヤカには後者のように思われた。この街で、そう、例えばケイとふたり暮らしたとして……幸福になれただろうか? どうにも実感が湧かず、なんだか寂寥に胸をしめられるような気がして、アヤカはすがるように彼の手を握り込んだ。
「わ、綺麗!」
塔へ登り都市の全景を一望する。アオイの笑みは広がる景色に負けじと美しく見えたが、オサムはただ微笑んだ。
そう、綺麗だ。美しい都市なのだ。だが、しかし。
「なにかわかった? この街のこと」
ついと覗き込む怪訝な顔は、オサムの笑みへにじむ疑念を読み取ったからだろうか。所在なく頭をかいて、オサムは片眉を下げた。
「少し、メタ読みになってしまうんだが……」
「うん」
「これは一連のメインストーリーだ。きっとこのクエストにも、関わってくるだろう。<月の杯>。<月の民>。<ヴォーゲンリッター>」
前回の顛末をふたたび思い出す。
月の杯破壊作戦
は結局、失敗に終わった。<水将ベルモット>は杯に支配されながら、欠け月を冠する騎士団の雑兵らをその場に放棄し去った。冒険者らとともに探求する仲間、マオメイをかどわかして。
「マオメイさん……大丈夫かな」
心配そうに言ったアオイの頬に触れる。
「分からない。分からないが、今回の冒険もおそらく、彼女の行方や数々の謎、その答えへとつながっている。そんな気がしているんだ」
直後、サイディアとワインツの連名にて発せられた、月の都とおぼしき地下都市の調査依頼。まったくつながりがないとは考えにくい。
ふむとあごに手を当て思索を深めた。鉱夫が語ってくれた伝承やこれまでに得た情報を前提に、あれこれと可能性を吟味していると、避けがたく浮かび上がってくる、ひとつの考えがあった。
「月の都の支配者。奇跡を起こし、乾いた大地へ水を生み、月を背に導いた……水鏡の女王は、月の民だったんじゃないだろうか?」
むつみ合いはほどほどに、ポラリスと凛風は仲間らが調査を続ける間、周囲の警戒を強めている。
ポラリスは胸へと複雑な思いをたたえながらに、愛杖<六華の境・万象評決>の精緻な飾りを指でなぞった。
「……気負うことはないよ」
肩に乗せられたあたたかな感触は、凛風の手のひらだ。うるわしい恋人はいつだってポラリスを孤独へ置き去りにすることはない。
「水鏡の女王は月の民、か。君には気になるところだろうけれど、君だけが背負うことはない」
「ん……」
「君の過去と深い縁があるのだとしてもね。僕もいっしょに、背負わせてくれ」
「うん」
彼女の手を取り、頬を寄せた。
ポラリスが受け継ぐ<極星の七英傑>の銘、それをともに冠したかつての仲間たち、極星の血族はどうやら、いずこよりか現れた侵略者たる月の民との戦いに散っていったらしい。記憶のかなたでありながらも、うっすらと蘇りつつある。女王が月の民であるのなら、まさしく因縁のめぐり合わせだ。女王の築いた都へ多くの人間が暮らしていたのだとするなら、ポラリスの抱く感情も多くのゆらぎをはらんで当然だろう。
揺れる彼女の髪へ、凛風はいとおしく指をさし入れる。出自は違い、背に負った宿命も大きく異なれど、魂で深くつながりあった恋人同士。守り抜くと定めた決意は強固に刻まれている。
宮殿へと向かうゆるやかで長大な階段をのぼる、そのさなかだった。凛風の決意の証を求めるかのように、衝撃と地響きが走り抜けた。
「これほどに早くたどり着くとはのう。無能な水将の語り口など、意に介すつもりもなかったのじゃがな。存外あなどれぬか? あつかましき冒険者よ」
飛来し地を砕き、粉塵巻き上げ、姿を現したのは異形の姿。背には亀や蟹のごとく歪な甲殻を背負い、白髪と白髭をなびかせた男の顔こそ老年のそれだが、腕も足も胸元も筋肉でふくれあがった巨躯で、左腕には極めつけの異形、シオマネキめいた鋏を備えていた。
身構えた冒険者らは、男を知っている。<殻将シャルルマーニュ>。白き瞳のヴォーゲンリッター、その残党のひとりだ。鷹揚に立ち上がると、冒険者らは首をそらして巨体を見上げねばならなかった。
「……ヴォーゲンリッターが守っているのなら、僕らの目的はやはりここにあるようだね。ほかの将や、月の杯もあるのかな? マオメイさんもここに?」
「答えてやる義理はないのう」
鋏を掲げる。呼応するように、都市をめぐる月の水の流れが湧き立った。
「談笑をかわすのではなく、貴様らを葬るのがわしの役目じゃからな」
どうやら敵は、目の前の殻将だけではないらしい。月の水が立ち上がり、四足を備える狼のごとき姿をととのえてゆく。言うなれば、<水の獣>。そう表するべきだろうか。
ポラリスはまなじりを吊り上げそれらを見据える。脳裏へいつかマオメイが語った言葉がリフレインした。月の水こそが、月の民……<ムーンウォーター>そのものに他ならないのではないだろうか? と。
「月の民は……倒す」
「わっはは! その意気じゃ、矮小なる人の子らよ。たやすく朽ちてくれるなよ? わしもこのひと時を楽しみたいのでなあ」
水の獣たちがくぐもった咆哮をあげると同時、ポラリスは杖を振り上げ、凛風は鯉口を切り愛刀<小烏丸・真打>を抜き放った。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
LIQUID -Star Chronicle- 月の都編
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月02日
参加申し込みの期限
2023年11月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!