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LIQUID -Star Chronicle- 月の都編
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【ストーリークエスト『月の都』(5)】
月の水の槍のごとき奔流がケイを貫き、アオイを吹き飛ばす。入れ代わり、回復した凛風が踏み込み一刀を打ちこむ。アヤカは前衛の回復を図りつつオーラを内に蓄積し、オサムとソフィアが絶え間なく放ち続ける魔法弾が殻将を前進を押しとどめる。ポラリスの作り出す氷盾は10を越えていた。
「おのれ、矮小なる人間ふぜいが……!」
先には好敵手めいたことも口にした殻将だが、思わぬ冒険者らの抵抗にいささか化けの皮もはがれてきたか。苛立ちを隠そうともせず、やみくもに大鋏を振るう。
「これよりは我ら白瞳の者こそが世を統べるのじゃ。地に張りつき時の流れも見い出せぬ貴様らが我らと並び立とうとは! 不遜であろうが!」
白石の柱を砕き、床を穿ち、水流をアヤカめがけ放つ。しかし光を帯びるケイの盾が阻み、軌道を変えていなす。
「ケイさん、ご無事ですか?」
「うん、大丈夫。新クラスも少し馴染んできたかな」
目くばせ、彼はバトルのさなかにも片目をつむってみせた。
戦いが深まるほど、徐々に形勢はかたむき、平坦となり、逆転してゆく。殻将のあせりは明確だ。つまらぬものと決めつけていた冒険者らの思わぬ反攻に気勢を削がれ、うろたえが見える。山のような巨躯もいくらか小さく思えた。
勝負の時だ。
「さあ、一気にたたみかけるよ!」
「はいっ、ケイさん!」
ケイは光の盾を展開しながら突撃し、大鋏の殴打をがっしりと受け止めながらに剣を振るい一撃をくわえた。初めての有効打となり、殻将の目が見開かれる。
隙は逃さない。猫のレリーフをあしらったアヤカの杖にはめこまれた宝玉が輝き、
「いきますっ、オーラシュート!!」
少しずつ、徐々に拝借していたオーラを、破壊もたらす光として殻将へ返した。渦を巻いて走り抜ける光弾は殻へとぶちあたり、
「があっ!?」
突き出した角のような突起を砕き、消し飛ばした。上位クラスのなせるわざ、そしてふたりの息の合った立ち回りがゆえの一撃だ。
「き、貴様ら……!」
「手を休めるな! アオイ!」
「オッケー!」
オサムの炎弾は狙い違わず、殻将の片目を射抜く。飛びこんだアオイの拳が輝き、目にも止まらぬ乱打を浴びせる。双極のスタイルを使い分けるデュアルガーディアンの持つ即応力を活かし、すぐさま防御態勢へと転じると、炎弾の雨が殻将の追撃を阻止する。
「よくも……よくもっ、わしに傷を……」
「あら、まだ終わりじゃないわよ?」
狙いのぶれた水流をするりとかわし、ソフィアは杖をかかげた。いつの間にか、殻将の眼前に小さな光球が生まれ漂っている。ソフィアの作り出した灯火だ。
「弾けて!!」
エレメンタルブレイカーとなり、扱い慣れたスキルの効力も格段に増している。炸裂した灯火は爆発的な光量となって殻将の視界をおおい、こじあけた隙は彼にとって甚大なものとなった。
ポラリスの周囲をめぐる氷盾が18を数えた。凛風は愛刀の鯉口を切り、<桜花爛漫>のスキルを解放。迷わず踏み込む。
「終わらせる……!」
「──凍れ」
「散れ!」
<評決の刻>。氷盾が囲う殻将へ、極大の氷撃をたたきこむ。多重をなすように、凛風の桜刃が一閃。斬り伏せる。
「バカな……バカなぁっ!!」
殻は砕け、氷霧と散った。
「おおお……こんな……こんな」
ずるり。ずるり。ゆるやかに連なる階段を、伏した殻将は這いのぼる。背を向け、恥も外聞もなく逃げようとするその哀れは、冒険者らへ追撃ととどめを刺す手を止めさせた。とはいえ傷はおそらく致命傷で、処置なくばほどなく事切れるだろう。
「大いなる意思よ……!」
おのれの最後まで絞りだすように、殻将は叫んだ。
「大いなる……い、いや。わずらわせるまでもなかろうて……女王! 水鏡の女王よ、わしを助けよ!」
ソフィアは眉をひそめ、オサムとアオイは顔を見あわせた。
「水鏡の……? 生きている、というの? 太古の伝説に語られる存在が?」
「その可能性は少し、考えたよ。しかしあの自我を失った水の獣たちを見ると、己を保っているとは思えないが……」
ずるりと段差に弱々しく巨体を持ち上げながら、ヴォーゲンリッターの将はかすれ声を階段の最上、白亜の宮殿へと投げかける。
「ぬしらがみっともなく永らえるのは、そのためであろうが……! わしを助けぬか、女王よ!」
返る言葉はない。
「女王よ! 水鏡の……」
「ああもう。うるさいなあ」
ふと、声が届いた。どこか怠惰を思わせ、どこか聞いたことがあるような、女性の声だった。
「じょ、女王よ。はやく……わしを……」
「ことわる。なぜ私が? 好き好んでこんなところにいるとでも? 勝手に連れてこられて、実験台にされて、いい迷惑だよまったく」
「じょ……おう。貴様、なぜ……大いなる、意思の……」
やはり致命だったのだろう。かかげた手は階段のなかばへぱたりと力なく落ち、動かなくなった。すると奇妙なことに、命尽きた殻将の身体からは碧緑の水があふれ出した。階段を伝い、自ら意思を持つかのように水路へと流れ込んでゆく。
月の水を失った亡骸は、ふくれ上がった筋肉もなく、巨大な鋏もなく、ただのちっぽけでしわだらけの老人のそれに過ぎなかった。
アヤカは敵ながら胸を締め付けられるような最後を見届けてから、階上を見上げた。瞳には期待と不安の入りまじり、複雑な色の光が揺れていた。先の声に、聞き覚えがあったのだ。
「やれやれ。諸君、息災かい? またしても弧の騎士団の将を打ち果すとは、さすがだね」
宮殿の門口へ姿を現した、水鏡の女王。金刺繍のなめらかな着物を着崩した、整った面立ちの、実に見覚えある顔がそこにはあった。
「マオメイさ……」
親しく喜びの声を上げかけ、アヤカはそれを飲みこんだ。
「水鏡の女王。極東の賢者マオメイ。今の私はそのどちらでもある……らしいよ。その意味が分かるかね、冒険者諸君?」
柔和に、いくばくかの寂寥か自嘲まじりの微笑。細められた彼女の瞳は、白く煌々と輝いていた。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『LIQUID』のリアクションをお届けいたします~。
ガイドでもすこうし触れておりますけれど、メインストーリーは今回を除いて、あと2回での完結を予定しております。
皆さま、いましばらくお付き合いくださいませ。
とはいえ、その後もシナリオは執筆させていただきたいと思っておりますので、引き続き皆さまなりのオンラインゲームライフを、自由にお楽しみいただけましたら幸いです。
今回は上位クラスも実装となりました。
ほかにも、『LIQUID』でやりたいこと、実装してほしいシステム、いっしょに冒険してみたいキャラクター、やっつけたいモンスター等々、ご要望がありましたらなんでも自由にお寄せくださいませ。
それでは今回もご参加いただきまして、まことにありがとうございました。
次のシナリオでお会いできますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月02日
参加申し込みの期限
2023年11月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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