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- 00月00日生 00歳
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愛がサイコーにあふれてるっ！
取材に走り回る部員の指揮をとって、合間に改めて協力頂いた施設へ挨拶に伺って。新聞部の部長として責務を果たすべく、八神 修は忙しい週末を過ごした。
けれど、修の仕事はこれで終わらない。次は部の一員として、皆と同じように取材や記事の制作にと打ち込む予定だ。寝子高生最後の新聞であろうことを考えると、自ずと気合いも入る。
何よりテーマが、『愛がサイコーの日』と銘打って好きな物を語ってもらうことになった。となれば、気になる相手から好きな物を聞き出すこともできるし、聞かれた相手も答えやすいことだろう。
もちろんここで、修が真っ先に思い浮かべるのは七夜 あおい。愛しい彼女への興味関心は尽きないが、質問攻めにしては疲弊させてしまう。取材スタイルは慎重に検討を重ね、気負わず答えられる場も考えて……それから、詰まってしまったときのために場を和らげる話題も用意しないと。
「あおい、今日の放課後は時間あるかな？」
準備万端になるまで待っていたら、機会を逃してしまう。
だから修はリミットを短く設定して、追い込むようにそれらを考えることにした。
「そんなに面白いこと言えないよ？」
放課後の教室で、時間を取ってくれたあおいは期待しないでねと笑う。
こうして取材に応じてもらえるだけで修は感謝の気持ちでいっぱいなのに、期待外れなどと思うわけもない。
もし答えを引き出せなかったり、期待した反応と違うなと思うことがあったなら、それは修の話術がまだまだということだ。
「面白くするのは、俺の記事のまとめ方次第かな」
「ふふふ。材料が良くても、料理が美味しくなるかは別ってことだね」
この取材を通して、彼女の好きな物をひとつでも多く知りたいと思っている。けれど、それを最優先して記事の制作を疎かにするのは、これを口実に悪用しているだけだ。
「そういうこと。回答は匿名でもいいし、全部を載せるわけじゃないから安心してほしい」
まずは、新聞部として必要なことを説明する。テーマは愛だけれど広い意味を持つし、身構えず自由にあおいの所感で話してほしいこと。載せたくないなと思ったことは、いつでも声をかけてほしいこと。
大事なことさえ話し終われば、修はすぐさま新聞部モードは取りやめて普段通りに話しかけた。
「例えば、家族愛なんて壮大なものじゃなくても、仲の良い弟妹の話とか。それこそ大好きなスイーツとか」
「それも迷うなぁ……弟妹は多いから、誰かに絞っちゃうと愛って感じがしないし、スイーツも……」
とっかかりになればと思って提案したが、あおいは悩み始めてしまった。それだけ真剣に応じてくれているということが知れて、修はふと笑みを零す。
「絞らなくて大丈夫だよ。もっと大きな枠組みで……ほら、クリーム系が好きとか、焼き菓子系がいいとか」
「あっ、それならフルーツ系！ フレッシュフルーツがたくさんのタルトも、ドライフルーツがぎっしりのケーキも、フルーツ大福とかゼリーとか、果物多めなのは選びがちかな」
和洋も問わず、四季も限らず。幅広い調理法と組み合わせがあるフルーツのスイーツであれば、確かに絞り込むのは困難だろう。納得したようにメモを取り、修は会話を広げるように次の質問をする。
「なら季節は、果物の種類が増える春とか秋が好きだったり？」
「どうかな～？ 嫌いじゃないけどね。お花見も、海や花火も、お祭りも……冬だってイベントいっぱいだし」
「ちなみに俺は、冬の終わりが好き」
おや、と覗き込むあおいに言葉なく問われた気がして、修は興味を持ってくれたことを喜びながら、少し照れくさそうに話した。
「厳しさの中にも次への準備が芽吹こうとする季節だから」
枝先の固い蕾であったり、雪下の緑であったり。耐え忍ぶ冬が終わり、明るい未来を描こうとする姿には勇気づけられるし、自分が進む先にも春があるのだと信じたい。
「そっかぁ、じゃあまさに今……もうちょっと先かな？」
なるほどねと笑うあおいは気付いただろうか。そのまさに今、冬が終われば――桜が綻ぶ季節となれば訪れる始まりを、心待ちにしていることを。
「私は、強いて言うなら春かなぁ。やっぱり新年度はわくわくするし！ あ、でも……その前に」
じぃっと修の顔を見て、あおいは思案する。次の新年度には、もう寝子島にはいない。この学び舎を卒業すれば、実家があるわけでもない寝子島へ訪れる理由も減っていくのだろう。
「ちゃんと、言っておかないといけないよね」 
照れくさそうに笑うあおいにドキッとした。
あまりに期待して「俺のこと？」なんて言いそうになったけど、そうやって急かすのも茶化すのもよくない。ここはぐっと我慢してペンを握り直す。
「……誰かへの、メッセージ？」
「うん！ お世話になった、大好きな先生に」
担任になった先生も、学校行事で気に掛けてくれた先生も。沢山の先生がいる中で、特にあおいが感謝を述べたいと言うのは白沢 絢子。苦手とする家庭科の担当で、生徒からも『みんなのお母さん』なんて呼ばれて慕われている先生だ。
「家族はずっと家族だけど、卒業したら先生には会えないから。メッセージを届けたいなって」
先走らなくて良かったと安堵しつつ、修は大事な言葉を丁寧に書き留める。
次に彼女から愛の籠もったメッセージを受け取るのは誰だろうかと、落ち着きなく取材を続けた。
けれど、修の仕事はこれで終わらない。次は部の一員として、皆と同じように取材や記事の制作にと打ち込む予定だ。寝子高生最後の新聞であろうことを考えると、自ずと気合いも入る。
何よりテーマが、『愛がサイコーの日』と銘打って好きな物を語ってもらうことになった。となれば、気になる相手から好きな物を聞き出すこともできるし、聞かれた相手も答えやすいことだろう。
もちろんここで、修が真っ先に思い浮かべるのは七夜 あおい。愛しい彼女への興味関心は尽きないが、質問攻めにしては疲弊させてしまう。取材スタイルは慎重に検討を重ね、気負わず答えられる場も考えて……それから、詰まってしまったときのために場を和らげる話題も用意しないと。
「あおい、今日の放課後は時間あるかな？」
準備万端になるまで待っていたら、機会を逃してしまう。
だから修はリミットを短く設定して、追い込むようにそれらを考えることにした。
「そんなに面白いこと言えないよ？」
放課後の教室で、時間を取ってくれたあおいは期待しないでねと笑う。
こうして取材に応じてもらえるだけで修は感謝の気持ちでいっぱいなのに、期待外れなどと思うわけもない。
もし答えを引き出せなかったり、期待した反応と違うなと思うことがあったなら、それは修の話術がまだまだということだ。
「面白くするのは、俺の記事のまとめ方次第かな」
「ふふふ。材料が良くても、料理が美味しくなるかは別ってことだね」
この取材を通して、彼女の好きな物をひとつでも多く知りたいと思っている。けれど、それを最優先して記事の制作を疎かにするのは、これを口実に悪用しているだけだ。
「そういうこと。回答は匿名でもいいし、全部を載せるわけじゃないから安心してほしい」
まずは、新聞部として必要なことを説明する。テーマは愛だけれど広い意味を持つし、身構えず自由にあおいの所感で話してほしいこと。載せたくないなと思ったことは、いつでも声をかけてほしいこと。
大事なことさえ話し終われば、修はすぐさま新聞部モードは取りやめて普段通りに話しかけた。
「例えば、家族愛なんて壮大なものじゃなくても、仲の良い弟妹の話とか。それこそ大好きなスイーツとか」
「それも迷うなぁ……弟妹は多いから、誰かに絞っちゃうと愛って感じがしないし、スイーツも……」
とっかかりになればと思って提案したが、あおいは悩み始めてしまった。それだけ真剣に応じてくれているということが知れて、修はふと笑みを零す。
「絞らなくて大丈夫だよ。もっと大きな枠組みで……ほら、クリーム系が好きとか、焼き菓子系がいいとか」
「あっ、それならフルーツ系！ フレッシュフルーツがたくさんのタルトも、ドライフルーツがぎっしりのケーキも、フルーツ大福とかゼリーとか、果物多めなのは選びがちかな」
和洋も問わず、四季も限らず。幅広い調理法と組み合わせがあるフルーツのスイーツであれば、確かに絞り込むのは困難だろう。納得したようにメモを取り、修は会話を広げるように次の質問をする。
「なら季節は、果物の種類が増える春とか秋が好きだったり？」
「どうかな～？ 嫌いじゃないけどね。お花見も、海や花火も、お祭りも……冬だってイベントいっぱいだし」
「ちなみに俺は、冬の終わりが好き」
おや、と覗き込むあおいに言葉なく問われた気がして、修は興味を持ってくれたことを喜びながら、少し照れくさそうに話した。
「厳しさの中にも次への準備が芽吹こうとする季節だから」
枝先の固い蕾であったり、雪下の緑であったり。耐え忍ぶ冬が終わり、明るい未来を描こうとする姿には勇気づけられるし、自分が進む先にも春があるのだと信じたい。
「そっかぁ、じゃあまさに今……もうちょっと先かな？」
なるほどねと笑うあおいは気付いただろうか。そのまさに今、冬が終われば――桜が綻ぶ季節となれば訪れる始まりを、心待ちにしていることを。
「私は、強いて言うなら春かなぁ。やっぱり新年度はわくわくするし！ あ、でも……その前に」
じぃっと修の顔を見て、あおいは思案する。次の新年度には、もう寝子島にはいない。この学び舎を卒業すれば、実家があるわけでもない寝子島へ訪れる理由も減っていくのだろう。
照れくさそうに笑うあおいにドキッとした。
あまりに期待して「俺のこと？」なんて言いそうになったけど、そうやって急かすのも茶化すのもよくない。ここはぐっと我慢してペンを握り直す。
「……誰かへの、メッセージ？」
「うん！ お世話になった、大好きな先生に」
担任になった先生も、学校行事で気に掛けてくれた先生も。沢山の先生がいる中で、特にあおいが感謝を述べたいと言うのは白沢 絢子。苦手とする家庭科の担当で、生徒からも『みんなのお母さん』なんて呼ばれて慕われている先生だ。
「家族はずっと家族だけど、卒業したら先生には会えないから。メッセージを届けたいなって」
先走らなくて良かったと安堵しつつ、修は大事な言葉を丁寧に書き留める。
次に彼女から愛の籠もったメッセージを受け取るのは誰だろうかと、落ち着きなく取材を続けた。
あとがき
担当マスター：
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから！
みなさまご参加ありがとうございます、浅野です。
PCさんの深い愛を語って頂いたり、NPCの好きな物を調査したり、楽しめましたでしょうか。
好きな物に関するエピソード、たくさん集まって嬉しかったです。
今回のリアクションにて、『美和ちゃん先生と黒崎先生の交際』が判明しました！
こちらは校内に貼り出されるだけでなく、取材協力頂いた皆様や施設にも貼り出される情報です。
思う存分冷やかしてあげましょう！ ヒューヒュー！
ご意見ご感想、もしくは「読んだよ！」の代わりにダイヤリーのページチェック入れて頂けると、めちゃくちゃ喜びます。
お時間ありましたら、よろしくお願いします～！
（運営部より）
リアクション5ページの一部が調整されております。2023/12/25
PCさんの深い愛を語って頂いたり、NPCの好きな物を調査したり、楽しめましたでしょうか。
好きな物に関するエピソード、たくさん集まって嬉しかったです。
今回のリアクションにて、『美和ちゃん先生と黒崎先生の交際』が判明しました！
こちらは校内に貼り出されるだけでなく、取材協力頂いた皆様や施設にも貼り出される情報です。
思う存分冷やかしてあげましょう！ ヒューヒュー！
ご意見ご感想、もしくは「読んだよ！」の代わりにダイヤリーのページチェック入れて頂けると、めちゃくちゃ喜びます。
お時間ありましたら、よろしくお願いします～！
（運営部より）
リアクション5ページの一部が調整されております。2023/12/25
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2023年11月14日
- 参加申し込みの期限
-
- 2023年11月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年11月21日 11時00分
