this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
睦み月に願うこと
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
10
つぎへ >>
その日、
桜井 ラッセル
が満月だと気付いたのは、空を見上げたから……ではなく。新年の挨拶がてらに立ち寄った和菓子店で、お月見団子が売られているのを見かけたからだった。
年末年始は帰省の手土産や新年の歯固めにと大繁盛の和菓子店。そろそろ客足も一旦落ち着いた頃合いだろうかと、福ばあちゃんの顔見たさに寄ることにして大正解だ。
(折角だから、良い場所で食べたいよな)
風に乗って翼をはためかせる姿はユキフクロウ。寒さに強く夜目も利き、団子も苦労なく運べるという三拍子揃った出で立ちになったのだから、人では少々入りづらい場所でお月見をするのもいいだろう。
もちろん、足場には十分と気をつけて2度と
あのような事故
に遭わないことが最優先だけれど。
(空で変身を解いたらどうなるかなんて、よく考えなくてもわかるだろうにな)
けれども先に身体が動いて、本能が
風の精 晴月
を止めていた。彼女の手は綺麗でいて欲しいとかそんなことの前に、ただ見過ごせなかっただけというのだから、もう少しやりようがあったのではと思う。
でも彼女は、良い意味で無垢なのだ。善悪の判別はついても物の分別はまだ難しいようで、聞き分けてくれるまで説明するのに骨が折れることもある。危なっかしいところだってある彼女には、誰かが付いててやらないとと思うのだけれど。
(……独り、か)
風の精の先輩とか、仲間とか。そういう者はいないと口にしたときの晴月は、酷く暗い顔をしていた。
これから後輩が生まれるかもしれないとか、そんなことを言うのも憚られるくらいだったから、咄嗟に約束をしてしまったけど……彼女は、この月夜をどう過ごしているだろう。
そうして人目を避けて飛んだのは寝子島高等学校の裏手にある落神神社。旧市街にある寝子島神社と比べれば規模は小さく、いつもであれば廃神社とさえ呼ばれるほどに手入れがされている様子も無い場所。
けれど、さすがの新年に向けて気持ち程度整えた跡があちこちに見受けられて、度胸試しに打って付けのここは、ホラーを苦手とするラッセルでも安心して立ち入ることが出来るようになっていた。
普段は人が寄りつかない、ということはだ。
「お、やっぱり! ここだと月を独り占めだ」
境内に降り立って変身を解くと、空から眺めるのとは違う様相の月が見える。境内を取り囲む森が程よく街明かりを隠して、月光だけを浴びているというのに随分と明るい。いや、外界と区切られているからこそ、だろうか。
そうして月を眺めていれば、やっぱり気になってしまうのは『月』という名前を持つ晴月のこと。
(どうか大人しく……いい夜を過ごしていますように)
社殿の前で柏手を打ち祈っていると、どこからかカタカタと物音がした。
びくりと肩を跳ねさせてしまったが、猫かイタチの類いだろうか。それとも、傷んだ社殿が風で音を立てているだけだろうか。
(満月といえば狼男も変身するし、満ち潮になったり不思議なことが起こりそうだけど)
起こるのはわくわくすることばかりではなく、人にも興奮作用が働いて交通事故が増えるというのだから、油断してばかりもいられない。
とはいえ、墓地の近い寺院であったならいざ知らず、ここは神社だ。そう悪いことも起こらないだろうと音の原因を探ろうとして――ラッセルはその好奇心をぐっと抑え込んだ。
月に惹かれるのと同じように、何にでも首を突っ込むのはやっぱり良くないなと、団子をひとつ供えることで勘弁して貰おうとする。
「どうかこれでお鎮まりください……っと」
賽銭箱の前に置き、そそくさと離れてもう一度柏手を打つ。
すると、どこからか風に乗ってレモングラスの香りが漂って、追うようにして振り返った。
無から有へ。光り輝く粒子が集い、晴月が形作られる瞬間を眺めていた。
生命が誕生する神秘的な様子と、風をまとって靡く髪やスカート。そして月光で煌めき絶妙に反射して大事なところが見えない透け感だとか、魅入らぬ男子はいないだろう。
(って、誰も見てないだろうな!?)
キョロキョロと周囲を確認し、自分だけならとそぉっともう一度空を見上げ。
月の光を纏った妖精が瞼を開くまでの間、目を逸らすことができなかった。
地球に降り立った姫を探しに来たのか、はたまた彼女こそが人間に助けを求めてやってきた姫なのか。僅かな憂いを浮かべるように、エメラルドグリーンの瞳がゆっくりと露わになっていく。
「は、づき……?」
あまりに綺麗で、ラッセルは夢でも見ているんじゃないかと声を絞り出した。
だけど、そもそも晴月は存在自体が不思議で、こういう現象のほうが普通なのかもしれない。
「あれ、ラッセルだ。何してるの?」
「いや……団子! 食おうとしてたとこ!」
何事もなかったかのように降りてくる晴月と2人して、お月見団子を頬張る。
どちらの姿が晴月だって構わない。
ただ彼女が笑っていてくれるなら、ラッセルにとっていい夜には違いなかった。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
睦み月に願うこと
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月29日
参加申し込みの期限
2023年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!