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睦み月に願うこと
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吐く息が白く、切りつけるような風が身に染みる冬。
誰もが足早に家路を辿り、美味しそうな香りの立つ温かな場所へと吸い込まれていく時間。
「お疲れ様でした!」
バイト上がりの
京極 花音
も、周囲の人と同じように帰ろうとするのだけれど、真っ直ぐ帰宅したところで温かな食事は待っていない。それどころか、温め直せる作り置きもあった記憶がなかった。
(確か、道なりに行けばコンビニがあったよな)
いくら方向音痴とて、このバイト先に勤め始めて周囲の地理は覚えた。今差し掛かっている交差点を左に行けば、特盛り惣菜の安いスーパーがあることも知っている。……いや、自宅から向かうときが左手だったか?
右を見て、左を見て。もう一度右を見て、花音は不思議そうに首を捻った。
(おかしいな、どっちも見覚えがない?)
この交差点ではなかっただろうか。いや、暗いから様子が変わって見えるだけに違いない。自信があっただけに腑に落ちず、花音は何度も何度も左右を見比べた。
腹も減ったし、半ば意地のような物もある。とにかくスーパーに辿り着きたい一心で、どちらに曲がるべきか熟考を重ねていた、そんなとき。
「信号、赤に変わっちゃいますよ!」
驚いて振り返るより早く、花音は誰かに手を引かれて横断歩道を駆け出していた。
自分の肩に届くかどうかという背丈に、長い黒髪。先ほど聞こえた声が幻聴でないのなら、間違いなく。
「しっ、しず……」
「渡り切れましたね、京極さん!」
一世一代の大告白かのごとく気合いを振り絞った花音の声は、満面の笑みで振り返った
暁月 静
によって制された。
確かに
彼女から名前を聞いて、しっかり心へと刻み込んだ
が、別に名前で呼び合うような仲になったわけでもない。
普段から学友も苗字で呼ぶことが多いと言うのに、なぜこんな一足飛びなことをしようと思ったのだろう。
「……ッス」
その上、状況が掴めず会話を続けることすらままならない。繋がれた手が離れていくのも当然だというのに、花音は引き止めるようにして握り返していた。
「京極さん?」
「あ、いや、えーっと……これは」
あまりにも静が無垢な顔で覗き込むから、花音は堪えきれなくなって視線を彷徨わせた。
何か言わなければ。不自然では無い、気の利いた言葉を何か、何でも――!
「ほら、あれです。その…………月が、綺麗ッスね」
たまたま、満月が視界に入っただけで、深い意味など持ち合わせてなかった。特別文学に秀でているわけでもなければ、口説き文句がするりと出るような軟派な性格もしていない。
けれども、男女が手を取り合って告げたなら別の意味になってしまうのだったか、くらいの雑学はある。
(ど、どうする……気付かなかったフリで通すか? 気持ち悪いって思われたら)
何をしても不自然になりそうで、花音は月を見つめたまま動けなかった。もし、万が一……そんな不安が押し寄せて、静の様子を窺うことすらできやしない。
どこか天然なところがある彼女のこと、深読みなんかせず「本当ですね!」なんて無邪気に返してくれることを切に願うだけで精一杯だ。
「ふふ、知ってましたよ」
「えっ!?」
その昔、直球過ぎる愛の言葉を、『月が綺麗ですね』と訳すように言った人がいるらしい。
事実かどうかも曖昧な雑学を、彼女が知っているかもわからないし、知っていて気にするタイプなのかもわからない。ただ、そういう意味合いもある言葉として広まっているのは確かで、花音が静への想いを上手く隠せてはいなかっただろうことも、また確かで。
「でも、教えてくれてありがとうございます」
(もしかして、俺のこと)
はにかむ静に期待が膨らむ。だってそうだろう、何でもない言葉であったなら、何でもない言葉で返ってくるはずだ。『知ってる』とか『ありがとう』とか、彼女への想いに対しての返事じゃないならなんだと言うのか。
「し、しず……っ」
「やっぱり今日は、お団子を食べていい日ですよね!」
勇気を出してもう一度。名前を呼ぼうとした花音を制したのはやっぱり満面の笑みの静だった。
「知ってますか? お月見って、その時の月齢に合わせてお供えするお団子の数が変わるんです」
例えば9月の十五夜であれば15個を、10月の十三夜であれば13個をお供えする。団子の大きさも月に合わせ、十五夜であれば一寸五分としたり様々だ。
「でも、そんなに大きなお団子を15個は買いすぎたかなと思ってたんですけど、決心できました」
ガサリと買い物袋を揺らす静が苦笑して、ようやく花音は言葉の意味を理解した。
彼女は『満月だと知っていて』、たくさんの団子を買っていた。食べきる勇気がなかったのを花音が後押ししてくれたから『ありがとう』と言ったのだ。
気付いてなんていなかった。花音の気持ちなんて、微塵も。
(俺はなんて勘違いを……!)
恥ずかしいのと残念なのとがぐるぐるまわり、ついでに忘れられていた空腹も思い出せとばかりに、ぐるるぅと胃袋が主張する。
車の行き交う音でかき消されてくれたら良かったのだが、彼女にもばっちり聞こえてしまったようで。
「京極さんも、一緒にお月見しませんか?」
くすくすと笑う彼女が、やっぱり可愛い。
月なんて見ていられるだろうかと心配になりながら、花音は団子が楽しみだと誤魔化すように笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月29日
参加申し込みの期限
2023年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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