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睦み月に願うこと
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まだ日も昇らない暁七つ。
西の空に輝く十四夜の月は、『明日の満月が待ち遠しい』という意味合いを込めて待宵月とも呼ばれている。
俳句の季語として使うなら今の時期ではないけれど、
八神 修
はぼんやりと「似ているな」なんて思った。
例えば、桜花寮が見える交差点で
七夜 あおい
を待つこの時間。
まだかまだかと彼女の姿を切望する気持ちは、まるで満月の1日前。きっと彼女が姿を現せば、その目映さに顔を綻ばせ、満ち足りた気分になるであろうことを思うと、似ているんじゃないだろうか。
そして、満ちた月は欠けていくところ。
住むところが別々の今は、どうしたって逢瀬の時間に終わりが来てしまう。欠けていくなと願いながら、この一瞬が彼女にとって有意義であるようにと心配りをして、限られた月夜を楽しむところまでそっくりだ。
――それから、もうひとつ。
「お待たせ!」
変わらない笑顔を向けてくれている彼女が、最近少しだけ変わった。
出逢いが三日月ほどだったなら、今は上弦の月を飛び越えて十三夜月か小望月かというほど、育んできた物が見え隠れしている。
それは友情かと問えばにっこりと微笑むのに、愛情かと問えば雲に隠れるように誤魔化されてしまう。けれど次に顔を覗かせたときにはしっかりと輝いているから、この月は確かに満ちているのだろうと修は期待を膨らませることになって。
「今来たところだよ」
満月と呼ぶには、今一歩足りない。そのもどかしい時間だからこそ味わえるときめきも愛おしさも確かにあるけれど、ゆっくりすぎてまどろっこしいとさえ思ってしまうことも、確かにあって。
(急かしたって、月は満ちてくれないからな)
ススキや団子を準備したって、宴会をしたって、つられる素振りも見せやしない。
だから修は待っている。
今か今かと、まだかまだかと。美しい月夜に恋い焦がれながら、手を伸ばす。
眠気覚ましと、朝食がおいしく食べられますようにと願いをこめて。
てくてく歩いて2人が向かった先は、寝子島魚市場だ。
すでに業者向けの競りは一部終わっていて、一般客も参加出来る競りが始まっている。周囲には、そこで仕入れた魚を並べる鮮魚店に海産物の加工品店、それから食事処なんかも多数あって大賑わいだ。
「ここで買った魚を持ち込んで定食にしてくれる店もあるんだけど……やっぱり新年だし」
「豪勢にいきたいよねぇ」
ふっふっふ、と悪い笑みを浮かべるあおいの期待に応えるようにして、修は目星をつけていた小さな寿司屋の前で足を止める。もちろん提供されるのは、くるくると回ったりしないタイプの寿司だ。
以前、あおいへ振る舞う弁当のために市場へ足を運んでいたときに見つけたものの、古びた入り口と口コミの少なさが相まって1度は入店を躊躇った。
「けど、潮汁のいい香りにつられてね」
これが臭みもなく美味しくて! 市場朝食の食べ始めをするならば、修はここと決めていた。
「えぇ~? でも、お高いんでしょう?」
確かに一般客、つまり観光に来たような人向けの店は少々値が張ることもある。店は綺麗で食事の見目は豪華で、写真通りの盛り付けで出してくれる安定感がある分、いくらか割高だ。
ところがここは、そうではない。食品を扱う最低限の清潔さこそあるが、店をひと目見たときの印象はパッとしないし、閉店時間も早い。けれど、その日の仕入れでお任せする握りや海鮮丼に、これまた日替わり具材な潮汁をセットにしたって、観光客向けの店で扱う丼単品の半額以下だ。
「しかも今なら、お年玉価格!」
そう言われたならあおいも、満面の笑みで「のった!」と手を上げるしかない。
2人でハイタッチを決め、何が乗っているか楽しみだねと笑い合った。
入店して海鮮丼が運ばれてくるまでの間。
暫く豪快に捌かれていく魚を眺めていたけれど、さすがに参考にできないかもとあおいが苦笑するのを始まりに、取り留めの無い話を楽しみ始めた。
クリスマスプレゼントのことだとか、修の受験の日程だとか、話し足りないほどに話題はたくさんある。
「あおいは、どんな正月を過ごしたの?」
問われたあおいは一瞬ぱちくりとして、「大忙し!」と笑った。
「お正月は寝子島で迎えた後、親戚の家に家族で少し顔を出したんだけどね」
七夜家だけでも6人姉弟と大家族で、そこに親戚もとなればかなりの人数が集まる。食事だって沢山用意をしなければならないのに、やれ縁起を担いでとか綺麗に重箱に詰めてなどやってもいられない。
だから三が日を過ぎた後に集まって、大鍋で雑煮を作って振る舞うというのが近年の七夜家のお正月スタイルだ。
「けどね、毎年同じなのもホッとするけど代わり映えがないでしょ? だから私が作ろうかって言ったの」
目新しい物になるように、出汁は乾物のスルメイカを細くカットして旨味をだし、味噌仕立ての汁に軽く焼いたあんころ餅を投入。そうしてお好みで付けても入れてもいい砂糖入りのきな粉を添えれば、広島県と香川県と三重県のいいとこ取りをしたお雑煮になる――予定だったそうな。
「……作ったの?」
「似たような顔をされて、みんなの宿題の面倒でも見といてって言われちゃった」
このままでは、桜花寮で振る舞われてしまうのではないだろうか。
些か心配になった修は、「それも食べてみたいけど」と興味を示した上で丁重に軌道修正を試みた。
「やっぱり県ごとに特色があるのは、その地域に根付いた考え方や願いが込められていると思うから、混ぜてしまうよりそれぞれを楽しむのがいいんじゃないかな」
そうして家々によって具材が異なって、地域でも違うお雑煮が食べられて。そういう家庭の味をあおいと作っていけたらなと、修は考えてしまうのだけど。
「じゃあ、参考までに修君の好みのお雑煮を聞いてもいい?」
なんて本当に聞かれたら、上手く答えられなくて。
ドンッとやってきた大迫力のボリュームな海鮮丼にあおいの意識が持って行かれてしまったことを、残念だと思う余裕もなく、照れ笑いを浮かべていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月29日
参加申し込みの期限
2023年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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