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不夜城のごときシーサイドタウンとあっても、雨はお目こぼししたりはしない。
宵の口より降りはじめた雨だった。勢いこそ弱けれど、収まる気配はまるでなかった。
雨は細長い指先でなぞる。割れた酒瓶の破片を、血の染みたハンカチを、くすんだ酒場の看板を。
看板にはバーとあった。名は、『Holländer』。
分厚い扉を開ければ、そこは雨とは無縁な世界だ。ちょうどいい音量のジャズが流れ、自称口下手のバーテンダーが、黙々とグラスを拭いている。
藤堂 静
は壁の時計をちらりと見た。
今夜はもう閉めるか。
不機嫌な空のせいか来店者は少ない。最後の客がコートハンガーに手を伸ばしてから、そろそろ一時間半ほどになる。
レコード針に手をのばしかけたとき、ドアが開いた。
「"Bird and Diz"か。ビバップ好きは変わってないようだな」
スーツ姿の男がカウンター席に腰を下ろす。たまたまだ、と静は言った。
「最近は色々聴くさ。スコッチでよかったか」
静はコースターを敷きショットグラスを乗せた。
「最近は色々飲むさ」軽口を返して、スーツの男はまじまじと静を見る。「よく覚えてたな、俺の好み」口元には笑みがあった。
「職業病だ」
静はグラスを琥珀の液体で満たし、自分の前にも同じくグラスを用意してスコッチウイスキーをそそぐ。ラベルを見せて言った。
「シングルモルト。十三年」
「俺たちが知り合ったころに樽詰めされたってことになるな」
「もうそんなになるか」
グラス同士を軽く触れ合わせる。
「それで」
一息で乾して、静はようやく本題に入った。
「リック、なんでここに?」
同じくショットグラスを空けると、
リック・ヤン
は襟元を緩める。
「ビジネス……兼、娘との親善旅行だ」眼鏡の奥の瞳を細める。
リックは日本人と結婚した。かつては米国で家族そろって暮らしていたが、現在は配偶者の希望もあって彼だけアメリカに残っての単身赴任状態である。
「もちろん、旧友を訪ねる目的もある」
「休業日だったらどうする気だった?」
「そのときは翌日来るさ。その翌日でもいい。年明けまで滞在予定だ」
リチャード・ヤン、通称リック、台湾系アメリカ人だ。移民二世。アジア系アメリカ人の例に漏れず、貧しい生活のなか両親はスパルタ教育で彼を育て、リックも期待に応えて一流大学に入学しMBAを取得した。静が彼と知り合ったのはバーテンダーとして勤務していた時代だ。当時リックは近くのホテルでレベニューマネージャー(収益責任者)を務めていた。
エリートコースを突き進むリックと、毎月カツカツに近い状態の静、年収はもちろん経歴も状況もまるでちがった。しかしアジア人、ジャズ好き、酒好きといった共通点をもつ彼らは短期間で親しくなった。同い年どころか誕生日すらわずか二日ちがいだ。たがいの仕事終わりにはよく、明け方までやっているジャズのナイトクラブに入り浸ったものだった。
「何のビジネスだ?」
二杯目が終わるころ、静が訊ねた。
「ゲームショップ。正確にはその買収だ。ブランドごと買い取って、日本を含むアジア進出の足がかりにする」
「ゲームショップ? 意外だな」
コンピューターゲームかと静は訊く。いいやとリックは首を振った。
「カードゲーム、ボードゲームといった類いのものだ。あとはフィギュアにプラモデル」
少し前まで、リックはマーケティング会社にいると言っていた。さかのぼってもホテルや金融など、一般的には硬いイメージのところばかりだ。それがゲームショップとは。
「いわゆるエンタテインメントってことか」
「それも一過性じゃないものだ。形のあるものを売りたくなってね」
静の知るリック・ヤンという男からすれば異色の転身ではある。
「ゲームに興味があるとは知らなかった」
「いや。正直門外漢だ。なにひとつわからん」リックは素直に認めた。「ギルド・オブ・エイジズ――俺がいま籍を置く会社だが――がヘッドハントしてきたときの熱意が気に入った」
ゲームに詳しいか? とのリックの問いに静は首を振った。
「ゲームといえばカジノでやる類のものしか馴染みがない」
「あの世界はな、想像以上に幅広く奥深い。ずっと右肩上がりの成長産業なのだそうだ。実際、ポテンシャルは高い。マーケティング時代のコネも活かして調べたからまちがいない」
「よくは知らないが、そういう業界の連中は」静はリックを見た。非の打ち所のないスーツ姿。ノータイなのがせいぜいのオフのしるしだ。この男は、プライベート時もラフな服装を選ばない。「Tシャツに短パンなんて格好で出勤したりするんだろう?」
「夏はそうだな。それも首元がヨレヨレになったやつな」
「リックがいた世界とはちがいすぎないか」
「問題は見た目じゃない。可能性に賭けた。それにギズ社のCEOというのは実は」と、リックは誰でも知っている米石油メジャーの名をあげた。「……の会長の末息子だ。末っ子なんで好きなことをのびのびやらせていたら、ついにそれが仕事になったってわけだ」
それにしてもだ、と静はまだ違和感を拭えないでいる。
「よほど賃金がいいとか」
「前職よりやや下がる」
ならどうして、と言いかけた静に先んじてリックは告げた。
「娘と暮らしたくてね。買収が成功すれば、当分は日本に住むことになる」
「あのリチャード・ヤンが家庭優先とはな」
「笑うなよ、俺だって変わったんだ」
どこかふて腐れたように、だが一方でまんざらでもない様子でヤンは言うのである。
「ジン、お前も俺の立場になったらわかるさ」
リックは『しずか』を発音するのが苦手で、『静』の文字を中国語に読みして彼を『ジン』と呼ぶ。静をこう呼ぶのはリックだけだ。久々に聞いた呼称で、数年の久闊が一気に取り除かれたように静は感じている。
その予定はないなと苦笑して「首尾は?」と静はたずねた。
「首尾よくいったよ。正式なサインはまだだが、彼女は店とブランドを売ることに同意した」
「なら祝杯だな」
酒を変えるか、と静は言った。
「何が呑みたい?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月13日
参加申し込みの期限
2023年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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