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【大晦日】猫の島がわんわんわん!
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星呼祭、祈りを託して
佐和崎 紗月
と
初瀬川 理緒
が同棲をはじめて数週間が過ぎた。
10月末からこちら、激変の数か月だった。大学生とグラビアアイドル、二足の草鞋を履いて走り続けてきたふたりは、ハロウィンイベントで恋人同士であることを公表し、それに伴う大きな環境の変化があった。世界的な多様化理解の助けもあって、思っていたより好意的な受け止めをされたのは幸いだったが、それでも記者が紗月の実家に張り込んだりして大変だったのだ。
その際、紗月は理緒のマンションに一時避難していたのだが、12月に入るころだったろうか、理緒から
『正式に同棲しよう』
と提案があったのだ。メゾネットタイプのマンションで、防犯などもしっかりしており、なにより――。
「ひとりにはちょっと広かったんだ。ふたりで住むようになってちょうどいい広さになったよ」
大晦日の掃除をしながら、理緒はそう言って笑った。
苦しかったし、辛かったこともあったけれど、これで良かったのだと今なら思える。
アイドルは嘘を吐くのが仕事、という意見もあるけれど、ついこの前まで一般人だった紗月にとっては、世間に嘘をつき続けることに比べれば、正直でいられる方がいい。
注目を浴びたことで増えた仕事などもあって日常は慌ただしさを増している。
気を付けてはいたけれど、どうしても行き届いていなかった掃除を午前中いっぱいかけてして、空気も入れ替えてすっきりした部屋で、紗月と理緒は春雨スープとサラダで簡単に昼食を取ることにした。
「年末年始がオフで良かったよ。紗月と二人きりでのんびり過ごすの、楽しみにしてたの」
「その代わり、年末進行がハードだったけどね」
フォークで春雨を巻きながら、理緒は、たはは、と苦笑する。
「だねー。しかも年明けから容赦なく仕事も学校もあるんだよね。もちろん、仕事なくて暇すぎるのもどうかとは思うけど」
「そうね」
温かいカップを両手でくるんで、紗月も苦笑する。
「ところで今日は何をしよう? 初詣は明日するとして……」
「そうだね……どこか出かけたい気も……そういえば星呼祭ってのがあるらしいね」
理緒はスマホを手に取る。
「ほしよびまつり、検索、と……あ、出てきた。ええと、『星呼祭はカウントダウンでスカイランタンを飛ばして新年を祝うイベントです。幾つものスカイランタンが空へ昇っていく光景は、幻想的でとても美しく、自分たちで絵や文字を書いて飛ばすことも出来ます』だって」
「どこでやってるの?」
紗月が顔を寄せて、理緒のスマホを覗き込む。
「えーっと、場所は星ヶ丘だって」
理緒は顔を上げて、紗月の顔を覗き込む。目が輝いている。甘えておねだりするときの目だ。
「これ、面白そうだから行ってみよ」
「そう言うと思った。でも」
「でも?」
「このイベント、夜でしょ? 行く前に理緒ちゃんのクローゼットも片付けようか」
理緒ときたら、高校生の頃からグラドルの稼ぎをファッションやアクセサリに溶かすようなところがあって、クローゼットの中がすぐ溢れかえってしまうのだ。捨てろとは流石に言わないが、一緒に暮らすからには紗月はそれは片づけたい。
案の定、理緒はまた甘えた子犬みたいな目をしてごねた。
「えー、面倒くさい。午後はゴロゴロしたいよう」
「だーめ。今日頑張っておけば、来年一年気持ちよく過ごせるんだから。ね、理緒ちゃん?」
◇
そうして紗月たちは夕方まで片づけをし、星呼祭にはやや早い午後6時にマンションを出た。
帽子を被りマフラーをして、冬の装いでそぞろ歩く人々に交じっていると案外バレない。ひさびさに〈グラビアアイドルの〉〈有名人の〉〈あの〉といった枕詞から解放されて、人間・初瀬川理緒と人間・佐和崎紗月に戻った気がする。
手を繋ぐ。女の子同士で手を繋いだりくっついたりしあっている子は周りにも何組かいて、すこし後ろめたいこんな仕草もこんな季節は自然な気がして。
「寒いっていいね。こうして繋ぐと暖かい」
理緒の声は弾んでいる。
紗月は頬を染めて頷き、手を握り返す。
「まだ時間あるね」
「星ヶ丘のマリーナ、ライトアップされてるらしいよ。行ってみない?」
「いいよ」
ちょっとしたデートだ。
港に煌めくライトアップを見てもまだ時間があり、冷えたのとお腹が空いてきたのとで『年越しそば』の幟があがるお蕎麦屋さんに立ち寄ることにした。
「大将ー! あたし天ぷらそば。あったかいの!」
「私は天ざるそばで」
深い時間になってきたが、大晦日だけあって店にはほどほどに客がいる。天井近くに据えられたテレビでは、紅白のチームに分かれて歌う番組を流し続けている。ド派手な衣装の演歌歌手を見ながら年越しそばを啜ると、いよいよ今年も終わりなのだという気がしてきて、すこし無口になって。
「なに、理緒ちゃん? じっと私の顔をみて。蕎麦、ついてる?」
「ううんっ。なんでもないよ。今年はいろいろあったなあってしみじみ思いだしていただけ」
「いろいろ……あったよね。こんな穏やかな大晦日があるなんて信じられないくらい激動で」
「後悔してない? あたしと一緒じゃなかったら、紗月はカメラを向けられたり記者に追っかけられたりするような苦労はしなくて良かったわけで……辛く、ないかなって」
ううん、と紗月は首を振った。
「理緒ちゃんと一緒じゃなかったら、きっとそっちのほうが後悔する。理緒ちゃんこそ……あたしがいなかったら、ふつうにグラドルとしてもっともっと高みに登れたんじゃ」
「そんなの! ……そんなの、いやだから。紗月がいたから頑張れた。紗月がいなかったら、もう辞めてたかもしれない。だから、そんなこと考えないでよ。目の前のあたしの言葉だけ信じて」
「……うん」
テレビは、派手な演歌歌手の衣装早替えで盛り上がっている。店内のほかの人たちの視線もそちらにくぎ付けだ。だから、理緒と紗月の秘めやかな会話に耳を傾けている人はいなかった。
(一年を振り返り、こう思う――私の人生の中で、一番幸せだったのは、理緒ちゃんと出会たこと。それ以外のことは全くないんだよ)
◇
「綺麗だね……」
星呼祭。空に放たれたスカイランタンが作り出す幻想的な光景に理緒は見とれる。
(今年は本当にいろんなことがあった。来年もきっといろんなことがあるだろう。その一つ一つを紗月と一緒に楽しんだり喜んだり、あるいは乗り越えたりしたい。そう思う……)
会場では空へ飛ばすスカイランタンを配っていた。表面に絵や字を書き込めるようになっていて、理緒と紗月もそれぞれに願いを書き込む。
自分と紗月の名前を書いて『永遠に結ばれますように』とつづった理緒は、紗月のほうへ視線を向けた。
「紗月はなんて書いたの?」
紗月は今しがた書き終えた文字をぱっと隠して、頬を染める。
「それは内緒。お願い事は口にしない方が叶うって言うし」
そう言われては、自分も見せるわけにはいかない。
「じゃあたしも内緒」
想いは秘めたまま、紗月と理緒はスカイランタンを空へ放つ。
熱であたたまったランタンは祈りを乗せて、まさに星を呼ぶように、高く、高く、夜空へと昇っていく。
(どうか、)
紗月は両手を合わせて祈る。歓声を上げて空を見上げる理緒が隣にいる。
(この幸せがずっとずっと続きますように──)
もう見えなくなりかけている紗月のスカイランタン書かれた言葉は、こうだ。
──『これからも理緒ちゃんのことを愛し続けます』。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
1000人
参加キャラクター数
25人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月07日
参加申し込みの期限
2023年09月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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