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【大晦日】猫の島がわんわんわん!
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なぜ思い出すんだろう
受験生に年末も年始もない。
世知辛いが事実である。
木天蓼市内にある予備校のビルには、大晦日の夜と言えども不夜城のように眩く蛍光灯が灯っていた。中では年明けに共通テストを控えた受験生たちが講義を受けたり、黙々と参考書と睨めっこしたりしている。
椎井 莉鳥
もその中の一人であった。
(年が明けたら共通テストが始まる。あと2週間……)
莉鳥の志望校は木天蓼大学薬学部を始め、横浜市内と都内にある大学の薬学部だ。第一志望は地元寝子島の木天蓼大学である。理由は金銭面だ。実家から通えるので、本土の大学に行くよりは安くあがる。本土には木天蓼大学より学費が安い学校もあるが、一人暮らしをするとなると家賃やらその他の費用がバカにならないということは、親と相談するまでもなく理解していた。
莉鳥は朝から医歯薬クラスの特別講習を受け、そのあとも自習用の個別ブースで勉強。途中でトイレに立ったり軽食など小休憩を入れたような気もするが覚えていないほど深く集中していたが――。
(直近の模試ではマタ大薬学部は合格圏内だったけど、そこに胡坐をかいていたらどんな痛い目に合うか知れたものではないわよね……木天蓼大学が落ちて本土の方に受かったら、その時は奨学金を受けよう……いや、そんな心配は受かってからにしよう……)
いつの間にかとりとめもなくそんなことを考えている自分を発見し、ようやく時計を見る。
「……こんな時間。帰らなくちゃ」
気づけば、高校生の女子が一人で帰るには少々深すぎる時間になっていた。
予備校を出て寝子島行のねこでんに乗る。大晦日の夜だからか、イベントや参拝に行くであろう人々で、ねこでんはそれなりに混んでいた。晴れ着のカップルがいる。付き合いたてなのだろうか、人目も憚らずいちゃついている。
莉鳥は、そちらへ視線を向けることもなく空いていた席に座り、イヤホンをして外界をシャットアウトする。
(帰りに寝子島神社へ寄ろうかな。合格祈願に……)
そんなことを思いながら寝子電に揺られているうちに、うつらうつらと瞼が降りてくる。
そして、元カレの夢を見た。
◇
北里 雅樹
。
莉鳥の幼馴染で、一時期は莉鳥と関係もあった彼は、今年の春から京大理学部に進学して、いまは京都に暮らしている。実家は寝子島のシーサイドタウンにあるのだが、年末年始に寝子島に帰りたいとは思わなかった。
(特に帰る用事もないしな。……親父と気まずい空気の中で迎える正月ほどロクなもんじゃない)
雅樹は父親と折り合いが悪く、高校のときも地元に実家があるにも関わらず、あえて猫鳴館暮らしを選択したほどだ。
(それに──
あんな形で終わった
元カノがいる寝子島に帰れないじゃないか)
高校時代を通して、雅樹は、莉鳥という彼女のことを、結局のところ理解しきれなかった。
付き合って、別れて、それでも心の中に居続けて、――すれすれのところで掠め合うものだから、完全に忘れることも切り捨てることもできなくて――。求めてんだか求めてないんだか、自分も莉鳥も分かってなかった。青臭いどろどろとした恋もどきは、映画みたいに綺麗には終わらなかった。
あれは……何だったんだろうと今でも思う。
「……」
京都伏見稲荷。連なる赤い鳥居で有名な、「お稲荷さん」の総本宮だ。
大晦日の夜、雅樹はそこに今カノと参拝に来ていた。
雅樹は寝子島と元カノである莉鳥の面影に想いを馳せていた。
大晦日だからか、センチメンタルになっていたのだ。
少々眉間にも皺を寄せていたかもしれない。
京都で出会い、交際を始めた坂本美優――今カノが傍らにいるというのに。
「どうしたん?」
美優が小首をかしげる。
美優は、不愛想で無口な莉鳥とは真反対と言っていいくらいタイプが違っていた。
「いやなんでも……」
「なんでも、ってことないやろ。不機嫌な顔してる。言うてみい」
彼女の微笑みは、甘えたくなるようなゆるさがある。
雅樹は一つため息をつき、彼女の言葉に甘えることにした。
「ロクでもないこと思い出した」
「なに?」
「俺の親父のこと」
「雅樹のお父さん?」
「まあね」
「それで帰省しないの?」
「帰っても気まずい沈黙で息詰まる」
「……」
美優は黙した。いい、とも、わるい、とも言わずに。
何も言ってくれないから、すこしだけ不安になる。
(莉鳥だったら……俺がこんな風にいったらなんて言ったっけ……)
――自分だけが苦しいと思わないで!
……いや、それは親父の話をしたときじゃなかった。
(あいつは……自分のことでいっぱいいっぱいだった。俺の話を聞くとかそういう感じじゃなかった気がする)
美優も、こんな話を聞かされても困るだろうか。
「つまらんこと言ったかな」
いくつもの鳥居を潜り抜ける。
人にぶつからないように気を使いつつ。
美優は微笑んだ。
「ううん。……もう日付変わるよ」
腕時計をみる。
11:59の表示が、0:00に変わる。
──新年が来たのだ。
「あけましておめでとう、雅樹」
「……あけましておめでとう、美優」
その瞬間、自分の中で何かが変わったのが分かった。
――そう、過去は終わったんだ。
鳥居、鳥居、赤の鳥居を潜り抜けて。
神様に祈る。
「俺たちは今年はいいことありますように」
「俺たちは、って、そうじゃない人がいるみたいや」
「おかしいかな」
「そうかもね。でも、自然と出てきた言葉なら、そう祈っておこか」
◇
「……さん、お客さん。終点です、起きてください」
身体を揺らされ、莉鳥はのろのろと瞼を開けた。
目の前に、若い車掌さんの顔がある。
「大丈夫ですか。終点の星が丘ですよ」
はっとしてあたりを見回す。
シーサイドタウン駅で降りるつもりだったのに、乗り過ごしてしまった。
慌てて立ち上がると、その途端に、水滴がぽたりと床に落ちた。
「大丈夫ですか」
若い車掌さんの心配そうな顔を見て、落ちた水滴が自分の涙だと気づく。
「……あれ」
手をやると、なぜか頬が濡れていた。
「何か困ったことでも……?」
「いえ……」
莉鳥はぐい、と涙をぬぐった。
「すこし……昔の夢をみただけです」
「そうですか。今夜は終日運転なので、この電車も折り返しますが、このまま乗っていますか」
「……そうします」
「下りるまではもう、眠らないようにした方がいいですよ」
車掌に乗り過ごした分と折り返す分の料金を払い、莉鳥は座席に座りなおす。
(……覚えていないけど、元カレの夢を見ていた……)
どうしてか屈辱的な味だけ残っているのが、本当に厄介だと莉鳥は思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
動物・自然
定員
1000人
参加キャラクター数
25人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月07日
参加申し込みの期限
2023年09月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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