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The Backrooms Nekojima
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【Level NK-856: "The stage" (ステージ)】
きらびやかで無数の色を内包する彩光が
梓 智依子
の目を打った。
「か……楓? 楓!」
なんらかの状況を把握する前に、智依子は娘の名を呼んだ。それが智依子にとってもっとも優先されるべきで、放り込まれた奇妙な部屋もそこに並ぶ機械の類も二の次だった。
しかしあたりに娘の姿は見当たらない。
「どこなの? ここは……」
孤独の寂寥が恐怖へ移り変わり始めた頃にようやく、智依子は自身の置かれた事態の奇妙に気がついた。
「楓? いないの?」
娘の不在は明らかだ。部屋はさして広くもない。寒々として無機質な部屋だった。
まず目につくのはデスクへ並べられたパソコンや記録機器たち。いずれも妙に古く、使い込まれている。智依子の知るところではないが、形式としては20年も前のものだ。ぼやけたブラウン管のモニターや機器類には目まぐるしく明滅するインジケータや数値がところせましと表示されており、常に変動し続けている。
ではそれらは一体、なんの値を弾き出し続けているのだろうか?
「なんなの? これ?」
三方の壁は記録機器や資料棚などに囲まれているが、一方は一面が窓になっており、その向こうには部屋の薄暗さとは対極な七色の光がぎらついていた。
窓の外を確かめるべきだろうか。楓の姿がそこにあるかもしれない。しかしながらためらわれた。得体のしれない忌避感が足取りを重くし、智依子の肩を荒く上下させる。
それでも、確かめないわけにはいかなかった。半ばよろめくように窓へ歩み寄ると手を添え、覗き込んだ。
見たことがある。あの顔を知っている。鏡に見た自分だ。そう、智依子にとってもっとも輝かしい、光に満ちていたころの自分の顔だ。
いや……はたしてそうだろうか。あるいは、自分に似た誰かと見えなくもない。例えば。例えば……?
「っ、違う」
奇妙な予感と拭い去れない違和感のもとをたどれば、気がついた。きらびやかなステージ。虹の光が縦横に走り、フラッシュがたかれ、空間の中央に立ち照らし出されるその顔は誰のものでもなく、マネキンだった。
機器の並ぶ部屋と窓の向こうのステージはまったく隔絶されており、対比は実に奇妙だ。あの光がまたたくたび、計器に跳ね上がる数値はなにを示しているというのだろう。動くことのないマネキンをモニターし、なにを計るというのだろう。
理解しがたく、智依子の頭は押し寄せる混乱に翻弄された。
その場にいてもなにもできず、パソコンなどは智依子の操作を受け付けないので、しばしマネキンを眺めた後に部屋の後方の扉から外へ出た。
しかし智依子は、途方に暮れてしまった。
「どうなってるの?」
黄色い壁紙が規則正しく続く廊下に、扉が並んでいた。無数の扉だ。終わりの見えない廊下に、おびただしい数の扉があった。
例えばその中のひとつを覗いてみる。
「さっきと同じ……」
先ほどの部屋へ戻ってしまったと錯覚するくらい、同じ間取りに同じ配置。同じパソコンに同じ機器たち。
異なっているのは、窓の向こうに構築される世界観だ。きらびやかなステージではなく、そこはどうやら寝子島高校の教室内を再現したものらしい。整然と机が並び、椅子は少し乱れている。壁のホワイトボードに校内新聞らしきものが貼り付けられているが、距離があり内容までは読み取れない。休み時間だろうか、黒板はすでに荒っぽく消された後でこちらもなんの授業後かは分からなかった。
椅子や机に腰かけている多くは、いわばデッサン人形のような球体関節を持つ木人だが、その中に智依子かあるいはよく似た誰かを模したと思われるマネキンがあった。マネキンは制服を着て、友人たちと談笑にふける様を表現しているように見えた。
モニター室とその向こうを隔てるガラスは強固で分厚く、音はひとつも聞こえてこない。先のステージのような光の明滅もないが、にも関わらず計器たちはなんらかの波形を読み取ってか忙しなく針を動かし続けている。
部屋を出て次の扉を開くと、やはりまったくかわり映えのないモニター室があり、窓の向こうには別の想定が広がっている。時に道端の猫を可愛がり、時にスポーツへ打ち込む姿があった。かと思えばスーツ姿でデスクへ向かっていたり、恋人だろうか、着飾った木人と仲睦まじく抱き合いキスをかわす。扉を開くたび、同じ観測部屋と、別のシチュエーションを構築した等身大のジオラマがあり、それぞれにマネキンは違った表情を見せるのだ。
「これは……なに……なんなの……」
自分なのだろうか。あるいは近しい誰かなのか。いずれにせよ部屋は、人生のワンシーンを切り取り再現しているように思われた。
それを眺め、観察し記録していた者の目的はなんなのだろう。しかしそれを知る術はおそらく智依子には存在しない。ここには尋ねるべき誰かのひとりやふたりもおらず、人の姿といえば窓の向こうに閉ざされたマネキンのみなのだ。
智依子の背を這い上る怖気は消えなかった。
無為に思える部屋の捜索をしばし続け、身も心も疲れ切ったところにその部屋を見つけた。
いつものモニター室。またたく計器。
マネキンはこちらへ背を向けて立ち、ネオンサインのぼんやりとした明かりに照らされながら、狩猟ナイフのような大型の刃を手に閃かせていた。
血だまりを模した赤いペンキが広がる足元には誰か、男が倒れているのが見えた。
「……!!」
ぎぎ、と軋む音。隔絶され、届くはずのない音がはっきりと智依子の耳へ届いた。
マネキンの首がねじれ、動かないはずの関節を砕きながらこちらを向くと、ゆっくりとした足取りで歩いてくる。光の具合だろうか。表情を浮かべないマネキンは口角を上げ、笑っているように見えた。その瞬間、智依子は悟った。
「あ……」
これは、娘の顔だ。成長した我が子の顔を模しているのだ。
ゆっくりと歩いてくる。智依子は金縛りめいて身じろぎかなわず、マネキンの手に握られたナイフのぎらつきから目を反らすことができない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月26日
参加申し込みの期限
2023年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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