喫茶Rainyの危機～謎のスイーツ消失編～｜リアクション

喫茶Rainyの危機～謎のスイーツ消失編～

「――てなもんで、柚春さんは一般人かも解らず。アタシも気が引けますが」
「早期解決するしかないわね」
　協力者を集めた頼子に事情を聞き、仙藤紫は厨房をチラと一瞥。
　甘慈が『調理器具を片付け忘れていた』と厨房へ向かった後、
「私の嗅覚が役立つと思ったんですが……焼き菓子の匂いが部屋中にこもっていて。甘慈さんの様子も気になるので、手伝ってきます」
　と柚春も厨房に行き、一緒に大量の洗い物を相手している最中だ。
　仲間外れにするようで申し訳ないが、こっそり解決したほうが良さそうだ。
「じゃあ、事情聴取ってことで甘慈さんだけ呼ぶか」
　調書は頼子がまとめてくれるとラッセルは期待しつつ、甘慈を呼び戻す。

　少年探偵・白石龍樹が気になったのは、
「店の中なら、監視カメラに映ってないかな」
　当時、甘慈は来客と店先で話していた――その間、店内に変化があったのではないか？
　とてもいい着目点だ。龍樹の確認に、甘慈は気まずそうに頬を掻く。
「夜間や営業中は点けるけど、定休日だし、僕が居たから点けてなくて」

「前に動画で見たけど、頭のいい動物って、ドアを器用に開けちまうんだよな。子供も侮れねーし」
　ラッセルが頭の後ろで手を組み、他の可能性を提示する。紫もその意図に気付く。
　あやかし、ほしびと――不可思議な存在を認知する恐れを、遠ざける為だと。
「裏口は施錠していたそうだけど、古い鍵ならピッキングもできてしまうわ。立て付けも問題ないの？」
「立て付けは悪くなっていたし、なんかの拍子で鍵が外れる可能性は……有り得るね。修理してもらわないとダメかな」
　落ち込む甘慈は厨房へ戻り、龍樹達も行動開始。

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