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AFTER THE RAIN
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ひょおー、とか、はえー、とか、ののこの発する驚嘆の言葉はなんともプリミティブだ。
「さっすがクリスマスシーズン、あっちもこっちも楽しげだー!」
まるで春の蝶、ののこは広大なハローニャックの売り場という売り場を翔(と)び回る。自分より身長がありそうなクマのぬいぐるみを抱き、新作怪獣ソフビに目を輝かせ、パズルの新作を組んでは解いてして、ゲーム売り場でも試遊の列にそそくさと並んだ。
「ねえねえ、『TOS』のフィギュア新しいの出てるよ! ガーナックシリーズ!」
英二の手を引くようにして、ののこはフィギュアコーナーを示した。
特徴的なTOSのロゴが入ったパッケージが何種類もならんでいた。いずれもフィギュアだ。耳で聞く『ガーナック』という響きには無骨な印象を受けるが、実際はすべてアニメ調美少女である。ガーナックはゲームに登場する敵役で人造人間なのだ。ののこが持っている『Κ(カーネリアン)』というキャラクターも黒髪の少女だった。回転して反撃しようというポーズをとらえたもののようで、髪やスカートの躍動感の演出が見事だ。
「ああ、噂の」
「あ、そーか。TOS、まだ英二くんはキャラメイクしただけだっけ」
「ちょっとはプレイしたよ。でもガーナック編まではまだ入ってないんだ」
TOSとは『Tales Of Sky』というゲームの略だ。元々はトレーディングカードゲームだったが、好評を博して初のコンピュータRPGで発売されたものである。せっかく買ったのだが受験生の悲しさ、英二は序盤までしか進めていない。なのでどのキャラクターにもなじみはなかった。
「でも好きな感じのキャラクターデザインだなぁ」
とこたえ『Υ(ユマ)』と書かれたフィギュアの箱を漫然と裏返したりしつつ、英二はののこの進路について思いをはせる。
――ある程度時間は限られてるけど、いますぐ結論が出せるわけでもないし。
少し考えをまとめてみよう。
野々さんは『留年して高校四年生になる!』なんて言ってたけど、個人的に留年はちょっと……って思うな。避けられるなら避けたほうがいいと思う。就職するのに引っかかる場合もあるし。
何より、僕としては野々さんと一緒に卒業したいから。
桜舞い散る春の日、卒業証書の入った筒を手に、ののこと寝子高の門をくぐる自分を英二は想像した。緊張気味にネクタイを直す自分と、髪に花弁をくっつけたまま笑い声を上げるののこの遠景、『英二くん』という形にののこは唇を動かすのだけど、周囲が騒がしくてよく聞こえない。「えっ?」と聞き返す彼の耳にののこは口を寄せて――。
そんな想像してる場合じゃなかった。
英二はまばたきを繰り返し、ふたたびののこの進路を考えはじめた。
野々さんの進路、できるだけ実際に選んでうまく行きそうなのを考えてあげたいな。
留年はないとすると、卒業後に何をするかになるんだけど。
「野々さんは、将来やってみたい仕事ってあるの?」訊いてみた。
「ヤブカラボーってやつだねえ。どしたの急に」
たしかに、アニメ調のフィギュアを手にする話ではなさそうだ。
「ほら、あのキャラだって職業人……ポストマンって感じだし」
困って英二は、『Ι(イオリ)』と書かれたキャラのポスターを指さした。このキャラのフィギュアは来年春ごろ発売予定だという。白を基調としているが、郵便配達人みたいな服装をしているのが特徴だ。
キャラを引き合いにするにしても、いささか飛躍した話題なのはまちがいない。けれどもののこは「ふーむ」とあごに手を当てた。
「ちょっと考えさせて」
そうさなぁ、と江戸っ子風の口調で考えこんでいる様子だ。英二が口添える。
「たとえばさ、やりたいこととかなってみたい職業があるならフリーターしながら就職を目指したり、技能取得を目指すのもありかなぁ、って思うわけで。好きなことから連想できない?」
「でも私」ののこは苦笑いした。「中途半端なんだよねえ」
「中途半端って?」
だって、とため息をついてこたえる。
「たとえばゲーム好きだけど、プロゲーマー目指すような腕はとうていないし、ゲーム作る技術も根性もないんだよねえ。そもそも、私は本気でゲームしたり作ったりするよか、ヌルいゲーム好きとして下手なりにちょろちょろ遊ぶので十分なんだよねぇ……」
「だったらゲームは趣味として、ほかは?」
「絵も描くよ。でーも全然へたっぴだし、ネットで流れてくる超巧い人、神絵師とかつよつよ絵師って言うの? の作品見ちゃったら恥ずかしくて世に出せないレベルだもん。怪獣映画好きだったりするけど、造形の道に進んだり脚本を書いたりっていうのはもっともっとセンスや才能がある人の仕事だと思うんだ。あとはまあ、古いロックとか聴くの好きだけどさ、私って音痴だしギターもキーボードも弾けないよう。今から覚える根気もないし」
そんな自分を卑下しなくたって、と言いかけた英二を制し、「寝子高って天才多すぎない?」と首をふりふりののこは言うのだ。
「すごい学校なんだよね。絵も音楽も運動だって、現役高校生なのにプロレベルの人ごろごろいるし、弁が立つ人顔がいい人、頭よすぎる人も枚挙にいとまがないって感じだよ。女子バスケなんてインターハイ準優勝じゃん? 剣崎エレナ先輩は政界入りを目指して弁論活動の世界でカリスマを放ちまくってるっていうし、高校時代から現役グラドルで、いまや全国的に大ブレイクした先輩もいるよね。……そういう輝かしい先輩後輩同窓生に囲まれてるせいか、平々凡々たる我が身にできることなんてない気がしてくるんだ。つまんない人間だよ、私なんかさ」
いつの間にかののこはフィギュアの箱を棚に戻し、足元を見つめていた。
常に明るくポジティブ百パーセントと思われがちなののこだが、あまり見せないもののこういう一面もあるのだ。短くない付き合いだから英二はそのことを知っているし、彼女の言っていることにも共感を覚えている。
平凡なのは僕も同じだし、『絶対にこの道で生きてく!』って情熱を向ける対象がないところも同じかもしれない。大学合格して卒業後には寝子島町役場に勤めたい、っていう将来展望にしたって、スケールって意味ではとっても小さいよね。
でも。
でもこれだけは言いたい。
「野々さんはつまんない人間なんかじゃないよ! 全然、まったく、これっぽっちも!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月28日
参加申し込みの期限
2023年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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