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AFTER THE RAIN
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宣言通り柚春がお茶を用意した。ティーポットの中身はハニージンジャーティー、甘くて熱く、さわやかな香りにほんのちょっぴりの刺激、寒い日にはなによりのごちそうだ。湯気がゆらゆら揺れている。お茶うけはカリッと焼いたスコーンで、シナモンの匂いが食欲をそそった。
角砂糖をカップに入れ、ティースプーンでかき混ぜながら柚春は言った。
「ねぇ、イギリスでは傘をささないって本当?」
「傘かい? そうだねえ、紳士はわりといつも傘を持ち歩いてるけど、少々の雨じゃ案外ささないかなぁ。なのに傘の巻きかたにやたらこだわったり」
「なんだかちょっと楽しそうだね」
「降ったりやんだりが多いからだろうねぇ。日本みたいに丸一日ずっと降りつづくことはめずらしいかな、といっても僕の感覚で言ってるだけのことだけど」
僕は、と柚春は窓の外に目を向けた。
「わりと好きかも、雨。梅雨みたいに毎日降ると困るし、強い雨はどうしようもなくなるけど……だって」
「うん?」
「雨って、ちがった景色が見えるでしょ」
「かもだね」
ウォルターも柚春の視線の先を追った。なんとなく、といった風に彼はつなげる。
「雨に濡れた柚春も、色っぽくてよかったねぇ」
えっ。
柚春がウォルターに向き直ると、いつの間にかウォルターは柚春のほうをまっすぐに見ていた。
「びっくりした?」ウォルターが訊く。
「……少し」
「どきどきした?」なおも訊く。
「それも、少し」
「合間合間の甘い言葉、こんな感じでいいのかな?」
「もしかしてワット」柚春は頬を膨らませる。「さっきのセリフって、実験してみただけ?」
「さあ、どうだろうねぇ」
煙に巻くような言い方をして、ウォルターはスコーンをかじるだけだ。
ワットって、ほんと、わからない。
でもそのわからないところも、魅力なんだよね。
「それでさ、雨といえば」
なんとなく会話がウォルターのペースになりかけていたので、柚春は軌道修正をこころみる。
「突然だったり、新しいものが見えたり、満たされたり流されたり、ちょうどよくなんてならないのに、いつだって恋い焦がれる気持ちが止まらないとき、僕、空に乞うんだ」
「つまり雨乞い、ってことかな?」ウォルターは応じた。「和歌の掛詞(かけことば)的には、恋するほうで表記して『雨恋い』って書くべきかもしれないねぇ?」
「ふふ、さすがワット」
「なんの、こういう面で僕のセンスを磨いてくれたのは柚春、きみだよ」
「教えたつもりはないよ」
「教わったのさ」
ウォルターは窓際に立つ。つられて柚春も立って並んだ。
柚春は頭を、ウォルターの肩にあずけた。
ウォルターは拒まない。それどころか左腕で、柚春の肩を抱き寄せた。
「心が雨模様って言ったら泣いてるみたいだけど」彼に体重をあずけつつ柚春はつぶやく。「僕は恋とか愛とかにも似てるなって思んだ。ワットの想いの雨になら降られたい、ともね」
「集中豪雨とはいかないけれど、いままさに降ってるよ、柚春」
こんな言葉を、彼の口から聞けるなんて思ってもみなかった。
柚春は目を閉じる。
どんな雨かな――ふと思った。
強いのかな。長く続くかな。
調整はお手の物だったり?
「僕の想いが雨ならきっと、ワットを困らせるくらい土砂降りにしちゃうかも」
「そうなったら僕は、こうもり傘をたたんでタップを踊るよ」
「あ、それ知ってる。大昔の映画でしょ?」
「うん、映画本編はともかく主題歌は好きなんだ。よく母(マム)が唄っていたよ」
有名なフレーズをワットはハミングした。音色を楽しんでから柚春は言う。
「だけどね僕、ずっと土砂降りと見せかけて、ワットの気を引きたくて小雨になったり……なんだったら晴れさせてみるかもね」
「タップダンスの途中でやんだら途方にくれてしまうなぁ」
「だって、雨が上がらないと虹は見えないでしょう?」
「はは、ちがいない」と声を上げてからウォルターはささやくように言った。「だろ? 僕は柚春からセンスを学んでいるのさ」
ウォルターも首をかたむけ、柚春と頭を合わせた。
「……ワットは雨、すき?」
「柚春の雨ならね」
ね、と柚春も彼の耳にささやく。
「いま、寝子島に降ってる雨は冷たくて冷えるけど、温かい思いの雨になるように魔法をかけてあげる」
どんな魔法? とたずねようとしたウォルターの頬に、柚春の唇がそっと触れた。
雨はやまない。
ずっとずっと、やむ気配すらない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月28日
参加申し込みの期限
2023年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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