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AFTER THE RAIN
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彰尋とあおいのスタンプラリーはつつがなく終わって、『ゴール』と書かれたゲートをくぐった。
お菓子の詰め合わせという、ちょっとした景品も受け取った。
「それで」と彰尋は言いかけて言葉につまる。
『あおいさんって、クリスマスの予定ある?』
そう言って、さらにこうつづけたかった。
『もし予定ないのなら僕と――』
あおいが忙しいのは知っている。進学と引っ越しの準備はもちろんだが、どうやら彼女は、寝子島と別れを告げる時間を必要としているように彰尋には思えた。学校はもちろん有名な場所もそうでない場所も、けっして広大ではないものの奥深いこの島の、夢のような場所をひととおりめぐって、ひとつひとつに別れを告げようとしているようだ。あおいがはっきりと言ったわけではない。けれども彰尋はそう思う。先日九夜山に行ったときだって同じだ。『弟ソラのつきあい』という体をくずさなかったが、節目節目であおいは寂しそうなまなざしを寝子島の光景に向けていた。
言いよどんだ彰尋を不思議に思ってか、あおいは首をかしげた。
「どうかした?」
「ええと」
それでも思い切って誘いたい、彰尋が気持ちをかためかけたときだ。
「わかった! もうそろそろいい時間だもんね」
「時間……あっ」
腕時計を見るとすでに夜の七時を回っていた。
じゃあさよなら、とあおいが言うところを彰尋は想像した。そうなればもう、自分が告げる言葉は『さようなら。おやすみ』くらいしかないだろう。なかばあきらめの境地で彰尋は言う。
「おやすみ」
ところがあおいの反応たるやまるきり逆だ。左右のツインテールがぴょこんと立ちそうなほど驚いたのである。
「彰尋くんって夜七時台に寝てるの? 早寝早起きっ」
「い、いやそんなことはないよ」
「帰るの? 私、せっかくだし何か食べて帰ろうよって言うつもりだった」
うっかりして、とあおいは頭をかく。「寮食、まにあわない時間になっちゃったんだよね」
「そういうことなら僕も付き合うよ」
早口気味に彰尋は言う。自宅には食事が用意されているだろうが、『食べて帰るよ』とメールして許されるぎりぎりの時間だろう。
「彰尋くんは何が食べたい?」
「えーっと、俺は」
思いつかないなと彰尋は言った。予想だにせぬ流れになっていたからだ。
「じゃあ牛丼とか?」
「牛丼?」
あおいのことを見た目で判断して『綿飴みたいにふわふわで世間知らずの可愛い女の子』とみなしていたとしたら、場外ホームラン級に予想外の提案だったことだろう。牛丼にネギ、なんなら生卵と味噌汁のセット、おなかはくちくなるだろうがリーズナブルかつガッツリの組み合わせである。そこにロマンティックという言葉は皆無だ。しかし彰尋は驚くことはなかった。あおいのパーソナリティはわかっているつもりだ。むしろそんなカジュアルな誘いをうけて光栄だと思う。
だから否定せずこたえた。
「悪くないね。でも、もうちょっとゆっくりできるところがいいな。ほら、雨もまだやむ様子がないし」
「そっか、じゃあ、歩きながらいい感じのとこ探さない?」
「賛成」
よし、これで時間は確保できた。
ダイレクトにクリスマスの誘いをかけるのはまだ早いと彰尋は思ったので、とりあえずなんとなく外堀から埋めることにした。
「期末テストも終わってもうじき冬休み。しかもあおいさんは推薦で大学進学も決まっているんだよね」
「ピピー! 一点修正」ホイッスルを吹くまねをあおいは披露した。「私の進路、大学じゃないよ。福祉系の専門学校だよ」
「おっとごめん」もちろんあおいの進路は知っていたのだが『大学』と言ってしまった。なぜだろう。「でも進学が決まってるのはまちがいないよね」
「うん」
「だったらあとは遊ぶしかない、って感じかな?」
うーん、とあおいは腕組みした。
「そういう考えはなかったかなぁ。なんかまだ私、時間に追われてる間隔があるというか……」
あおいさんらしい回答だと彰尋は思う。究極的に真面目なのだ。だからこそ言いたい。
「高校最後の冬休み、それに進路も決まっているとなれば、羽を伸ばすことも必要じゃないかな」
「羽、ねえ」
「コンドルみたいにさ」
「私に羽があったとしても、ペンギンみたいに短い気がするなぁ」でも、とあおいは言う。「ありがと。たしかにいろいろ考えすぎなのかも、寝子島ですごす最後のクリスマスだもん、友達とすごす時間も必要だよね」
「もちろん、これから入試の人の邪魔をするわけにはいかないけどね」
「おや」あおいはポンと手を打った。「そういえば私のすぐ近くにも、早々と入試から解放された人がいるような……」
「え? 誰?」
「役者よのう~」あおいは肘で彰尋をつついた。「一瞬、本気で忘れてるのかと思っちゃった。彰尋くんに決まってるじゃない」
「おかげさまで」彰尋は笑った。
その先を言いかけた彰尋が、本題に入るより先にあおいが何かに気がついた。
「あれっ? あそこにもフォトスポットがあるよ。かわいいなあ、スタンプラリーでここ通ったのに見落としてた」
なんとなくかわされた格好だが、あおいのことだから計算しての発言ではないだろう。彰尋はあおいの示す先を見る。
「ほんとだ。猫のイスだね。座って撮るのかな」
「撮ろうよ。ソラには送らないけど、ののちゃん(※野々ののこ)に写真送っちゃおう」
言いながらもうあおいはイスに向かい歩んでいる。
「彰尋くん、座って座って」
ピンクの猫をかたどったイスだった。たしかに写真映えしそうである。
「俺が座るの?」
「そ。ひとりぶんのスペースしかないからね。私は立つよ」
彰尋は腰を下ろした。なんだか肩に力が入ってしまう。
そこにスタッフがやってきたので、「撮影、お願いしていいですか?」とあおいはスマホを渡した。
「彰尋くん背が高いね。私、あたまに手をのせていい?」
「いいけど……どうするの」
「こうするの!」
あおいは彰尋の頭に両手をおき、その上に自分のあごをのせた。
えっ――!
照れくさい。頭と後頭部にあおいの感触がある。彼女の甘い匂い、やわらかさを意識せずにはおれなかった。
「笑ってくださいねー」
というスタッフにあおいは素直に応じるのだが、彰尋のほうは緊張でそうもいかない。
パシャッ、という音が立ち、この貴重な瞬間は永遠に残るものとなった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月28日
参加申し込みの期限
2023年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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