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目覚めても空が暗いと、なんだか気持ちも沈んでしまう。
カーテンを引いて
鴻上 彰尋
はため息をついた。
雨だ。
とりつくろいようのないくらい雨だ。
せっかくの休みだが、傘なしには外出はできないだろう。レインコートもあったほうがいいかもしれない。
それでも家にこもっているのは嫌だった。一日、部屋にこもっていたところでカレンダーはめくられてしまう。残り少ないこの年を、クリスマス近づく寝子島を、頭の記憶回路にきざんでおきたい。
なぜって高校生としてのクリスマスは、まちがいなく今年が最後なのだから。
上着をハンガーから外して彰尋は部屋を出た。
幸い豪雨というほどではない。二十八センチの大ぶりの傘をさし、シーサイドタウンの繁華街に向かった。
書店、文具店、衣料品店に小物店、気の向くままにのぞいてときに購入もして、チェッカーボード模様の床をもつアメリカンダイナーで昼食をとった。
ランチセットは早々に平らげたがまだ外に出る気がおきず、ドーナツを追加注文しておかわりフリーの珈琲を片手に文庫本をひらいた。
往年の名俳優による回顧録だ。語りおろしの形態、平易な文章なので読みやすい。戦中戦後を生き抜いた人だから、彰尋には想像もつかないような逸話がつまっている。大上段にならない演技演出論、舞台監督や映画監督との交流、若手俳優への忠告、戦争体験者だからこそ語れる平和のありがたさ、ひとつひとつがためになることこの上なかった。現代の言葉で言えばパワハラやセクハラといえそうな、当時の演劇界ではごく当たり前におこなわれていた卑劣な行為を糾弾し問題提起する一章もあって、その視点の新しさに驚くこともあった。
存分に読み進めて外に出たら、外はもう暗くなりはじめている。
しかし期待に反して雨の勢いは増しており、むしろここからが本番という勢いだ。
参ったな。
小走りで帰っても濡れねずみは確実だ。
こうなったら、ショッピングモールでも入ってもう少し時間をつぶそう。
一ヶ月前とはまるでちがう。街はクリスマス色が濃くなって、あちらにサンタ、こちらにトナカイ、雨をものともしない雪のディスプレイもあり、赤と緑と白でいっぱいだ。そのほとんどが強い光をはなっており、光のシャワーを浴びているような気分にもなる。やがて『クリスマス・スタンプラリー』なる看板の前で彰尋は立ち止まった。
あ、これ兄さんの会社の企画イベントだ。
ボードの隅に小さく印字されていた文字を彰尋は読み取っている。
彰尋の兄はイベント会社に勤務している。父に似て厳格なところのある兄は、『クリスマスは商業イベント』と一刀両断しており、学生時代は十二月になったところであまり浮き足立つことはなかった。そんな彼が商業イベントの最たるものを手がけているのだから皮肉といえば皮肉だ。
せっかくなので無料のスタンプカードを受け取り、ぶらぶらと歩いてまわる。
会場はモール全体に及んでいるが、一筆書きみたいにうまく、重複することなくすべてのディスプレイをめぐることができるようだった。よく見ると、スタンプカード片手に歩いている人は少なくない。
途上、
寝子 サンマ
さんや
浜 マンボウ
くんといった寝子島観光大使ともすれちがった。
「よう少年! やっとるかぁ!」
トナカイの着ぐるみの上にサンタの赤い衣装を着たサンマさんが呼びかけてくる。赤帽子からトナカイの角が突き出していた。
「ええ、まあそれなりに」
どう回答したものかわからず彰尋がおずおずとこたえると、
「いかんぞ少年! 気合いをいれにゃあ! もっと青い春を楽しむんだぜい!」
何やら見当外れ気味なアドバイスをサンマさんは送るのだ。
「サンマさんみんなそれぞれ事情があるんですよぉ~、一概に気合いがどうとかとか言っちゃぁ」
同行者マンボウくんがたしなめるも、サンタトナカイ兼業のホットガイは聞く耳を持たぬ様子だ。
「なーにを言ってんだマンボーイ! 青春は気合い、クリスマスも気合いだぜ!」
「だからなんで気合いなんですかあ~」
困った顔をするマンボウくんは、なぜかアルマジロの着ぐるみ姿なのである。ところで、アルマジロってクリスマスに関係があるのだろうか。
彰尋も困ってしまうのだが、とりあえず笑顔で手を振ることにした。
「はい、がんばります」
何をがんばるというのだろう。
ひとりきりなのに。
ここにいるのだって、ただの雨よけなのに。
だが、威風堂々のしのしと去りゆくサンマさん&マンボウくんを見送っているうちに、うじうじした気持ちは消えていった。
ひとりで楽しめないなんてことはないはずだ。
ディスプレイはとても素敵だ。仕事や受験勉強でクリスマスを楽しめず我慢している人だって、ほんの少しだけその気分を味わえていいのかもしれない。
気を取り直し、サンマさんほどではないが胸を張って歩く。
フォトスポット、たくさんあるんだな。
まるで雪景色な光景が撮影できるポイントがある。中央に立つだけで、トリックアートじみた写真が撮れるポントもある。親子やカップル、家族連れで訪れていたら、さぞや楽しいひとときがすごせただろう。今度、弟と妹を連れてこようと彰尋は思った。
弟・妹に興味を持ってもらうには、実際に写真を撮るのが一番。
シャッターを切る。スタンプも押して進む。
問題はトリックアートだ。これは中央に立って、少し離れた地点から撮影してもらう必要があるからだ。自撮りも難しい。
かといって誰もいないアートだけ撮っても楽しさが伝わらないなあ。
思案した結果、ここはパスという結論を出した。彰尋が立ち去ろうとしたとき、
「よかったら写真、お撮りしましょうか?」
スタッフから声をかけられたのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月28日
参加申し込みの期限
2023年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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