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【クリスマス☆green】クリスマスキャロルを聴きながら
家族で過ごす【クリスマス】
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ぎこちなくとも血はつながりて
旧市街、参道商店街から少し離れたところにひっそりと
古書喫茶「思ひ出」
は佇んでいる。
古今東西の様々な古書を揃え、珈琲等を飲みながら読書も楽しめるという趣味人垂涎の店の主は、
柏村 文也
。店の奥は彼の住まいとなっており、いまは寝子島高校に通う文也の甥、
津島 直治
が居候中である。
12月25日、クリスマスの日。そんな古書喫茶「思ひ出」に一本の連絡が入った。
――『恭ちゃんと一緒に遊びに行きます』。
直治の兄、津島 修一からだ。恭ちゃんというのは、直治の妹、津島 恭子である。
つまり、文也にとっては修一と恭子は甥と姪。血の繋がりのある、ある意味で気安い親族である。
「…………」
連絡をうけた文也は仏像のように無表情な半眼になった。
「今日来るってのを、直前に連絡されても『事前に』とは言い難いんだよな……」
そう独り言ちる間もなく、店のドアが開く。
「いらっしゃいま――、……」
「よ、兄さん」
開いたドアから入って来た人物の顔を見て、文也は盛大にため息を吐いた。
「シュウ。来るのはいいけど、店の前についてから連絡を入れるって言うのはどういう了見なのかな」
「なによ。兄さんが来るなら事前に連絡しろって言うから連絡したのに、なにかご不満? 難しい人だなぁ」
修一のことはどうも苦手だ。
天才肌でゴーイングマイウェイで、苦手な実姉にどこか似ている。
大学生のシュウは、実の兄弟でもないのに文也のことを『兄さん』と呼ぶ。それにふらっと古書喫茶「思ひ出」に来ては、勝手に珈琲を淹れて飲んでいることも多々ある。彼はどうも、自分に対して気安すぎるきらいがある、と文也は思わないでもない。
「修一兄さまがご無体ですみません……」
修一の後ろから入って来た長い黒髪の少女が、丁寧な仕草で文也に頭を下げる。恭子である。中学二年生。真面目な優等生といった佇まいで、学校ではなにかの委員長をしていますと言われたら心底納得する。
「いやいや、いいんです恭子ちゃん。シュウのこういうところには慣れているので」
文也は諦めぎみの笑みを浮かべてふたりにカウンター席を勧め、振りかえって店の奥に籠っている居候君へ声をかけた。
「ナオ、店のほうに来てくれるかい。シュウと恭子ちゃんだよ」
◇
しぶしぶ、というオーラを全身から放って直治が来た。
「兄弟三人揃うのは久しぶりだよね」
にこやかなのは長男の修一ばかりで、恭子も直治もお互いの方を気にしながらも言葉少なだ。
クリスマスに孤独に本を読みに来る酔狂な客もないだろうと、文也は「貸し切り」の札を店のドアにかける。
(ナオと恭子ちゃん、久しぶりにあったせいか、以前にも増してぎこちない気がするなあ。……まあ、俺も姉さんと会ったら何話していいかわからないし、人のこと言えないか)
苦笑いをかみ殺しつつ、
「せっかく久しぶりだし、兄弟水入らずのほうがいい?」
なんて、心にもないことを聞いてみる。
即座に直治が真剣な目で文也を見つめ、小刻みに首を横に振って来た。
絶対にここにいてください、と目が訴えている。
はい、そうですよね。
「それではあっしも同席させていただきやしょうかね」
口調をころりと変えて、文也は兄弟三人が座るカウンター席の前に立った。
直治が、兄弟との邂逅をあまり喜ばないのには理由がある。
兎にも角にも、兄と妹は出来が良すぎるのだ。周りからは天才と称されることすらある。そんな兄と妹に挟まれ、他者から比較される直治の立場はふたりには想像がつかないだろう。どんなにみじめで、どんなに窮屈か。
ふたりのことは好きだ。だが、ふたりには当たり前のことが直治には難しい。ふたりにはその気はなくとも、いっしょにいると自分の至らなさに打ちのめされそうになる。
だから寝子島にきたのだ、直治は。
(まさか修一兄様と一緒に恭子さんも来るなんて思わなかった。俺とは会いたくなかったんじゃ……)
直治はちらりと恭子を見遣る。どこか萎縮するような色を載せて。
恭子もちらりと直治を見遣る。どこか非難するような色を載せて。
それを見て直治は思う。
(やっぱり、あんまり機嫌よくなさそうに見える……)
何話せばいいんだろう。俺から話しかけていいのかな……。
考えすぎて、結局直治は黙り込んでしまう。
ふたりの沈黙を見ていた修一が、恭子の言葉を代弁するかのように言った。
「今度は直くんがこっちに帰ってきなよ」
「え」
「そうです。今日は修一兄さまのお誘いで直治兄さまと叔父さまに会いに来ましたけど、直治兄さまがうちに帰ってきてくれたらいいんです……」
「直くん、そんなに兄さんの家のほうがいいの?」
「……それは」
直治は口ごもる。この話題は、直治には鬼門だと察した文也が割って入った。
「まあまあ、ケーキでも食べて仲良く談笑しましょうや。冷蔵庫にあるから今取って……」
文也が踵を返しかけると、修一がカウンターの内側に入って来た。
「あーあ、そんなにここがいいなら、僕もこっちに住もうかな~」
軽口をいいながら、修一は高級豆を自分のもののように扱い、慣れた手つきで珈琲を淹れはじめる。
文也はぎょっとして修一の手を掴んだ。
「……って、シュウ! 勝手に俺の珈琲豆使うなっての!」
子犬みたいにじゃれ合ってけんかをはじめた文也と修一を尻目に、直治が冷蔵庫からケーキを取って来た。
「……ん、叔父さん……ケーキって、これ?」
「そうそう」
雪のような粉砂糖を振ったシンプルなチョコレートケーキだ。上にサンタの飾りが乗っている。
「サンタさんだ……このケーキ、叔父さんが作ったんですか……?」
尋ねると、いまだ修一と高級珈琲豆を廻って格闘中の文也は、片目を瞑って返事をした。そうらしい。修一と恭子が来るのは予想外だっただろうから、文也は直治とクリスマスを祝おうと思ってケーキを準備していたのだろうか。
そう思い至って、直治は心のこわばりがすこし溶ける気がした。
「……そういえば、恭子さんはサンタさんから何か貰いましたか?」
「……え。サンタさん?」
突然直治に話しかけられて、恭子は目を丸くした。
「参考書を。来年は受験生ですから……」
「恭子さんらしいですね」
「兄さまは?」
「私の枕元にはキーホルダーと、着物生地のコインケースがありました」
直治は、今朝枕元にあったキーホルダーとコインケースをカウンターの上に置いて恭子に見せた。
恭子はキーホルダーをまじまじと見て、首をかしげる。
「このキーホルダーはどこかで見たような……」
それもそのはず。キーホルダーは直治のろっこん<聖なる夜の贈り物>によるものだ。直治の能力は、12月24日の夜、日付が変わる前に眠ると朝起きるまでの間に実家から雑貨1つをランダムに枕元にテレポートさせるというものであり、今年は実家から『キーホルダー』を取り寄せたことになる。
直治はサンタを信じていた。
能力が限定的であるということもあり、直治は自身がもれいびであると気づいていない。否、文也のろっこん<汝はもれいびなりや?>で、「もれいび」としての自覚を奪われていた。だから、キーホルダーもコインケースも、直治にとってはサンタからの贈り物だ。
……ただ、キーホルダーの出現がろっこんによるものだとすると、コインケースはろっこんによるものではないことになる。誰かが枕元に置いたのだろうか。もしや……文也? それとも……。
……。
ともかく、直治はサンタを信じていた。
恭子は今度はコインケースの方を手に取った。
「こちらのコインケース、可愛らしいですね」
「さしあげましょうか?」
「……え、よろしいのですか? ……ありがとうございます」
恭子はここに来てはじめて、年相応に顔をほころばせた。
「珈琲が入ったよ」
修一が皆の前にカップを置く。高級珈琲豆を廻る戦いは、修一の勝利であったらしい。
文也はやれやれと後ろ頭を掻きながら、居候君にお願いする。
「ナオ、ケーキを切ってもらえるかい?」
「はい」
「私も手伝います……」
直治だけでなく恭子も立ち上がる。
こうして、兄弟たちは、ぎこちなくも和やかなクリスマスを過ごしたのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
34人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月31日
参加申し込みの期限
2023年08月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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