【終業式】課題をクリアして冬休みを死守せよ！｜リアクション

【終業式】課題をクリアして冬休みを死守せよ！

　クラスメイトと共に夢宮瑠奈は黒板に貼り出された紙と向き合う。真剣な顔で目を動かし、最後まで読むと最初に戻った。
「これかなぁ」
　のんびりした口調で自分の席に戻る。置かれたボストンバッグを手に提げて教室を出ていった。
　ハミングしながら軽やかに階段を下りていく。知り合いには笑顔で挨拶をした。下駄箱で靴に履き替えて外へ飛び出す。
　目の前に広がる第一グラウンドでは米俵を抱えた男子が赤ら顔でテストを受けていた。
「急がないと。どこにしようかなぁ」
　見つけた場所に瑠奈はボストンバッグを置いた。開けた中から手作りのポンポンを取り出す。両手に持つと奮闘する男子に向けてエールを送る。
「がんばれー！　心を燃やしてー！　強い心で打ち勝ってー！」
　真摯な言葉は自身の心も熱くする。その場でステップを刻み、ポンポンを交互に振り上げた。
　体全体を使った応援は男子の闘志を駆り立てる。立ち止まって項垂れる度に奮起して歩き始めた。
「ゴールはすぐそこ！　あなたの力を信じて！　みんながいる、そのゴールへ！」
　くるりと回って脚を高々と上げる。股下で振られるポンポンは鉄壁で数人の男子をがっかりさせた。
　熱意ある応援はいつしか瑠奈に対するエールに変わった。
「瑠奈ちゃん、がんばって！」
「俺も応援するぜ！　皆、頑張れっ！」
「せれねー、俺も応援するよ！」
　アイドルの時に使っている名前で呼ばれ、驚きながらも満面の笑みで応えた。
「私といっしょにみんなも応援してねー！」
　末明（ほのか）せれねとなって弾ける笑顔で場を盛り上げていった。

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