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fork in the road
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桜花寮の食堂にはテーブルごとに大きなヤカンが置かれている。
ポットではなくヤカン、金色のアルミ製、昔ながらのあれだ。正式名称はわからない。ボディには『桜花寮』とマジックで大書きされているが文字はかすれて消えそうになっていた。
ヤカンはなんと十リットルもの大容量を誇る。もちろんそれは大量消費が前提になっているからであり、朝イチではちきれんばかりに詰められたヤカンも、夕食後にはスカスカになるのが常(つね)だった。
中身は麦茶である。夏はぬるめのアイス、冬はぬるめのホットが定番だ。
現在、ぬるめホットが入った湯飲みとともに
佐藤 英二
は岐路にある。
fork in the road.
どの道を選ぶかによって、運命が変わる大事な局面だ。
煤(すす)で汚れた表面だったが、黄金のヤカンはその側面に、英二の顔を映し出している。目が大きくなった鏡像は危ういバランスながらユーモラスでキュートで、クレーンゲームの中のディフォルメぬいぐるみを思わせた。
ヤカンの反対側にもディフォルメぬいぐるみ風の姿がある。
野々 ののこ
だ。こちらは鏡餅みたいにしもぶくれだが、それはそれでののこらしいと言えるかもしれない。
「悩んでるんだよね……」
と言ってテーブルの上に英二が取り出したのはゲーム機だ。テレビにつなげば家庭用ゲーム機、外せば携帯機になるという例のアレである。
「学校選択のところで」
画面を表示させてののこに見せる。
「それって超・最初のとこじゃん? キャラメイクとチュートリアルが終わったばかりの。どこに詰まっているのかと思えば~」
ののこは笑った。
はじめたばっかりなんだ、と英二は頭をかく。
「受験勉強の息抜きというか、ちょっとした気分転換でしかプレイできないからあんまり進んでない。もうじき入試だからね」
「そっかそっか、そうだったよね」
ゲームは『Tales Of the Sky』、対戦型トレーディングカードゲームの世界観から制作された初のコンピュータゲームで、ファンタジーにサイバーパンクにポストアポカリプス風等々、複数の世界観が混在する空の上の世界を舞台とした冒険RPGである。略してTOSとも呼ばれる。
「英二くんのキャラ見せて~」
正面に座っていてはままならないというのか、ののこは移動して英二の隣にちょこんと座った。
「わっ、野々さん!?」
「そんな驚くこと?」
「いや、別にそんなことは……ないよ」
言いながらも胸が高鳴る英二である。距離が近いのだ。膝と膝がふれあうくらいに。肘なんか当たっている。ののこはミルクセーキみたいな甘い匂いがした。
ののこは英二の様子などまるで頓着せぬ様子で、画面に表示された英二のキャラクターに見入っている。3D表示なので回転させたり拡大してみたりと、鑑定家が骨董品の壺手にするような入念なチェックぶりだ。
「ふーん。外見、かなり英二くんに寄せてるねー。面影あるある♪」
このゲームはキャラクター作成をかなり緻密にできるのうえパーツやフォーマットも多いので、それこそ無限に近いバリエーションが楽しめるのだ。英二が作ったキャラクターは自分と同じ年頃の男子で、髪は黒いし顔立ちも近い。背丈はキャラのほうがやや高いか。
「そんなに似せようとしたわけじゃないんだけど、地味な感じで作ってたらこんな風になって」
「地味なんてことないよ。かわいいよ」
「そ、そうかな」
どう返したらいいのかわからず、英二は頬をぽりぽりとかいた。悪い気はしない。いやむしろ率直に、嬉しい。
なお、ののこの自キャラは本人には似ても似つかぬワイルドな女性キャラクターだ。牙が生えているし全身タトゥーが入っているし、髪だって炎のような赤毛だったりする。「名前は『キルエルオム』、決めセリフは『食いちぎれ!』だよ」とはののこの弁である。このゲームはネットで対戦や協力プレイもできるのだが、ののこのキャラだと知らずにあのキャラと遭遇したら、僕逃げるんじゃないだろうかと英二は思う。
「それでどの学校に入るの?」
最初の重要な分岐点、それが、主人公が異世界で入学する学校を選択することだった。
「選ぶ学校で今後のストーリーが分岐するんだよね?」
「うん、かなり変わるみたいよ。もちろん途中で転校もできるけどね」
「迷うなぁ……。けど、選ばないと進まないし」
「そういうこと。あ、私のキャラはバンカラな呼武羅(こぶら)塾ね。押忍(オス)!」
「このキャラはちょっとコブラって感じじゃないかなぁ、大怪獣ゴアラなら好きだけど」
「英二くんの考えてる候補は?」
「青空学園と魔導学校。どっちも大規模校だけどね」
「なるほど、二大人気校だよね」
いずれも定番で、TOS初心者にもお勧めの学校とされている。前者は若きスーパービジネスウーマンの女性校長が有名で、後者はグラマラスな魔女学校長が看板キャラクターだ。目をつぶってエイと選んでもいいのだが、自分だったらと仮定して英二は心を決めたのである。
「王道の青空学園もいいけど、ここは魔導学校に入ろう」
決定ボタンを押すと、たちまちゲーム内のキャラクターが魔法学校の制服に着替えた。
「おー、魔導学校! 制服似合うじゃん」ののこは拍手してつづける。「先月始まったキャンペーンイベント、『人造人間ガーナック』編のストーリーって、魔導学校にもかかわってくるのかなぁ」
「そういうのがあるの?」
「だよー。ギリシャ文字にちなんだ二十四人の美少女人造人間が敵として出てきてねぇ」と言いかけてののこは口をつぐんだ。「おっと、ネタバレネタバレ!」
「うう、気になる」
「何人かは仲間になるみたいだよ」
「よけい気になるよ」
「しまった受験生には毒だったか。まああと数ヶ月の辛抱だよ」きっしっし、と歯を見せてののこは笑った。「マタ大の受験終わったら一緒に遊ぼっ」
「うん、楽しみにしてる」
ゲーム本編に突入するのは明日にしよう。英二はセーブしてからゲーム機の電源を落とした。
「ところで」
ずっと気になっていたことだ。これまでののこが明かそうとしなかったから、英二もあえて聞かなかった。受験終わったら、とののこが水をむけたことで疑問がよみがえったのだ。
ごく自然な風をよそおいながら、乾く唇を意識しつつ英二は言った。
「野々さんはどうするの? 進路」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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