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綾花が休憩に入ってそろそろ十五分になる。休憩時間は何分と決めていたわけではないが、再開すべきタイミングだろう。
いまのうちに言っておこうと決め、綾花は「ところで」と話を切り替えた。
「珪先生、このアパートって空いてる部屋はありますか?」
「このアパートって、この建物だよね」
「はい」
どうだったかなあと言って珪は小首をかしげた。あの木に飛び移れるだろうか――と思案しているときのリスに似た仕草だった。不思議そうな顔をするとき珪は、やはり小動物めいた顔を見せる。
ややあって珪は告げた。
「わからないな。集合郵便受け、階下の部屋がひとつ、表札が取り外されていたような気がするけど」
なんなら見てこようかと珪は腰を浮かせかける。そこまではと綾花は彼をとどめてから告げた。
「引っ越し先の候補にしたいなと思ってます」
「進学後の、ってことかな?」
「はい。早い人はもう調べはじめてるみたいですよ。高校卒業したら実家に戻らずひとり暮らしする予定です」
両親にも話してありますと綾花は言った。
「大学合格がいま一番の目標ですけど、その後のことも考えておかないと」
「いや、でもこのアパートは」
当惑を隠さず珪は言う。
「一般教養の時期はともかく、文学部進学後のことを考えるとベストなロケーションじゃないと思うよ。もちろん通学範囲ではあるけど近いとまではいえないし。それに、正直ここはあまりいい物件じゃない」
「おばけでも出るんですか?」
綾花は冗談めかして言うも、珪は片眉をさげて苦笑しただけだった。
「それはないはずだよ。だけど古いし、あと言いにくいけど、治安という意味でも最良とは言えないんじゃないかな」
綾花のことを気づかっての言葉だとは思う。
でも。
わかってください、本当はそう言いたい綾花だ。
卒業後は先生と会える時間が減るから少しでも増やしたいんです。
けれど言葉はそのままの形をとらず、「引っ越したら」という提案に変わった。
「先生にも私の部屋に来てもらえたら嬉しいです」
とっておきの笑顔で言う。
「本棚を見るのが楽しみだね」珪も笑顔だ。
とりあえず、このアパートへの引っ越し計画は棚上げにしよう。
受験勉強を再開した。
英語に古典、現代国語、集中してこなし顔を上げた綾花は、窓枠の外の光景がすでに翳(かげ)りつつあるのを知ったのだった。塀の上の猫はもういない。
冬は日没が早いことが残念だった。自分の部屋が遠いことも。
夏場だったら、あるいはもっと近くに住んでいれば、もう少し一緒にいれたのに。
「そろそろ失礼します。勉強、とてもはかどりました。先生のおかげです」
席を立った綾花は、肩に珪の手を感じた。
帰らないでくれ、今夜は一緒にいてほしい――なんて言われるのではないかと思ったがもちろん予想は外れた。珪は綾花の背に、彼女のコートを用意してくれたのだった。
「どうぞ」
うながされるまま綾花はダッフルコートに腕を通す。こういう仕草がごく自然に出る彼を素敵だと思う。
「ありがとうございます」
目を輝かせ綾花は振り返ったが、珪は小さくため息をついていた。
「……また反射的に自分を格好良く見せようとしてしまった。これって、いわゆるキザ仕草ってやつじゃないのかな」
「まさか。それに反射的に出た動作だったら、それって作為的じゃないですよ。むしろ珪先生の珪先生らしさです」
「そうかな」
「そうです。私が保証します」
差し出がましい言い方かもと綾花は思ったが、珪はほっとしたように相好を崩したのである。
「ありがとう。そんなことを言ってくれるのは綾辻さんだけだよ」
綾辻さんだけ。
綾花の胸が熱くなる。
どんな褒め言葉より嬉しい一言かもしれない。
顔が赤くなってくるのを隠すように、
「また勉強教えてくださいね」
早口で告げると綾花は、彼のアパートを後にしたのだった。
「待って」
珪も自分のコートを手にした。
「途中まで送っていくよ。送らせてほしい」
綾花に否やのあろうはずがなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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