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けっして分厚い封筒ではなかったが、実寸以上のずっしりした重さが伝わってきた。
差出人は『木天蓼大学体育学部』、添えられた文字は『入学試験結果通知在中』、書留で到着した。
先月上旬の話だ。寮の自室に配達された薄水色の封筒を手にしたとき、開封するよりさきに
羽生 碧南
は中身を直感した。
合格通知だ。
その重さだ。
やぶり開けたい気持ちをおさえハサミで丁寧に封筒の下部を切り取り引っぱりだした文面は、果たして碧南の想像通りだったのである。見事合格だ。それも、学費全額免除の特待生として。
寮の部屋を飛び出し大声で叫びたいくらいだったが、閃光のような欲求は一瞬で消え去り碧南はスマホを手に取った。
鷹取先輩。
鷹取 洋二
のことを思う。
洋二のもとに駆けつけて、この結果を直接つたえたかった。
先輩はマイペースな人だから、飛び上がって喜んだりはしないだろうけど、でもきっと目尻を下げて「おめでとう」って言ってくれるだろう。『そうだ何か食べに行かないか。お祝いしようよ』って提案してくれるかもしれない。そういうとき先輩はたいてい、前髪に指を入れて照れくさそうな顔をする。先輩のあの仕草はいつだって、ちょっとかわいい。
でも碧南は躊躇した。
呼び出すとか、直接会うとか、まだできないよ。
この時点ではまだ、碧南には寝子高女子バスケットボール部キャプテンとしての最後の仕事が残っていた。インターハイ準優勝校として、年末開催のウィンターカップでチームを率いねばならない。会場は東京、順調に進めば聖アデリア女学院との再戦がかなうことろう。インターハイで敗れた宿命のライバル、分厚いガードと烈火のような速攻、場面によってメンバー構成をがらりと変えてくる変幻自在の柔軟性をもつ強豪だ。雪辱する機会があるとすれば舞台はここしかない。浮かれている場合ではないのだ。
主将の肩書きには責任がともなう。チーム全員に対する責任が。自分だけいい気持ちになってメンバーを忘れるようなことは碧南にはできなかった。
だから洋二にはメールで結果を報告するにとどめた。それも、ごく簡単な文面で。
洋二からの返信はその日のうちにあったが、碧南はさっと一読するにとどめている。じっくり読み込んで喜びをかみしめるわけにはいかない、自分にそう言い聞かせて。
そうして一ヶ月が過ぎた。
集中して練習したことで、チームはインターハイのときをさらに上回るコンディションへと到達していた。個人の技量上昇に限界はないと思い知らされたし、連携という意味ではかつてを越える以心伝心ぶりだ。故障者もない。
もちろんそれはアデリアだって同じはず。
碧南はライバル校の弱体化を願わない。自分たちに負けないくらい積み上げ磨きこんでいるはずと期待している。
アデリアとはベストの状態で競い合いたいから。悔いを残さぬように。
一ヶ月で進歩したことがもうひとつある。チーム内の人間関係だ。最良の状態とは言えないかもしれないが、すくなくとも夏のときのような不穏なものは消えた。あのころはいつだって炎上一歩手前、乾燥しきった枯れ枝が山となり、マッチを擦ればたちまち大炎上というような緊張感があった。もちろん火種がなくなったわけではないものの、枯れ枝の山は小さくなったと思う。
歓迎すべき状況ではある。だが碧南にとっては、それが悩みの種でもあった。
まだ私、鷹取先輩の顔を直視できない。
碧南の胸に感情が渦巻いている。
申し訳なさや恥ずかしさ、あるいは裏切ってしまったという想い。そのいずれにも似ていずれとも同一ではない感情だ。
少し前、女バスの練習が終わってからの話だ。碧南は後輩ふたりを連れて帰路についていた。このふたりがひどく仲が悪く、言葉を交わせばそのまま口論に突入するような関係にあった。試合に私情をもちこむことはないものの、ともにチームの中心メンバーだけに深刻だ。絵に描いたような呉越同舟である。
その原因も碧南は理解している。
私だ。
後輩のうちひとりが、自分に恋情を抱いていることに碧南は気づいていた。ただの憧れではない。生々しくいえば肉欲をともなうほどの想いだ。でも碧南は気づかないふりをしていた。
もうひとりの後輩が、そんなチームメイトに苛立っていることも碧南は気づいていた。ただそれは、洋二という想いを寄せる人が碧南にあることを知りながら、かなわぬ恋に身を焦がす彼女に怒っているのだと解釈していた。しかしちがった。発端はそうだったのかもしれない。だがいつしか後輩のなかで、怒りは碧南と彼女への熱情へと裏返っていたのだった。
何がきっかけだったのだろう。帰路の途上で公園に立ち寄った碧南と後輩ふたりは、衝動的に林に飛び込むと三人で愛し合った。唇を吸い合うだけの軽いものではない。三匹の蛇のようにもつれ合い絡み合い、欲望の泉に溺れ未知の扉をこじ開けた。夕方とはいえ日中の公園だ。乱れるほどに背徳感をおぼえ、それがかえって欲望を熱し快楽を深めたのである。
ただ一度の経験だ。以来顔を合せても、碧南と後輩たちはこの日の記憶について語るのを避けた。三人共通の秘密として埋めて土をかけたのである。しかし後輩同士に流れていた刺々しいものが薄れたのは事実だった。
この経験が碧南の心に鍵をかけ、洋二と連絡を取ることをためらわせた。
以上が本日にいたる碧南の経緯である。
大学の入学準備はととのいつつある、ウィンターカップの大舞台までは秒読みの段階だ。
この日唐突に碧南は思った。
だけど、もう駄目。
もやもやしたままウィンターカップのコートに立つわけには行かない。
対戦相手に失礼だし、チームメイトに申し訳ない。後輩ふたりには特に。
今日は練習予定はない。もう夕方近いが意を決して碧南はスマホをとり洋二にメールを送ったのである。
『先輩、突然ですがいまから会えませんか』
震える指で送信アイコンをタッチする。断られたらそれまでだ。そういう運命だったと思おう。
ところが壁に向かってボールを投げたかのように、彼からの回答は即座に届いたのだ。
『いいよ。行こう』
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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