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足を急がせながら碧南は思った。
鷹取先輩とふたりで会うなんて、もしかして初めて……?
偶然の邂逅なら数限りない。けれども待ち合わせをして会うのは初だ。それも自分のほうから呼び出して!
本当に急に思いついただけのことだったため、碧南に準備にかける時間はあまりなかった。
寮の自室を出る直前、鏡に映した自分が、苦笑いしていたことを思い出す。
高身長女子じゃ着られる服なんて限られてるからなぁ……。でも、みっともない格好で出られるわけないじゃない!
精一杯おしゃれしたつもりだ。切り替えデザインのあるマーメイドスカート、秋の終わりにちょっと背伸びして買ったが着る機会を見つけられなかったものだ。ノルディック柄のニットは少々子どもっぽいが、見栄えが明るいし高校生らしいといえばらしいといえよう。こちらも袖を通した機会はせいぜい二度にすぎない。いずれもベース色はブラウンとオフホワイトで、雑誌付録ながら品のいいバッグとあわせてみるとそれなりに統一感のあるコーデだ。キャメルのコートとも合う。
履き物をスニーカーにするかブーツにするかで迷った。時間的余裕はあまりなかった。急ぎの移動には断然前者だが、決戦に挑むならブーツで身を固めたい。結局碧南は、履き慣れぬブーツで夕暮れの街にカツカツと音を立てることになった。
寝子島駅、待ち合わせ場所で洋二はすでに待っていた。
「先輩!」
黒いチェスターコートにグレーのパーカーをあわせたいでたちだ。黒のテーパードのパンツがすらりと長い。適度にカジュアル感をおりまぜつつも、それがかえって王子的な彼のルックスを際立たせている。足元も黒い革靴だ。
「やあ」
「先輩、大学生っぽいというか、余裕ある大人のコーディネートですね」
「そうかい? 羽生くんこそ素敵だよ。すごい美人が近づいてくるから誰かと思った」
冗談なのか本気なのかさらりと告げて、洋二は碧南をさっそく紅潮させたのだった。
「今日は先輩と話したくて」
連れだって歩く。
「だったら喫茶店でも入る? どこか候補があるのなら従うよ」
「喫茶店いいですね。とくに決めたところはないです」
まもなく、参道商店街のレトロな喫茶店に入った。ジャズのレコードがかかっている店だ。音響設備は最高、でも音が大きすぎるということはない。奥まった席に腰を落ち着けた。
「水出し珈琲のホットがあるんですね。りんごパイのセットがお勧めらしいですよ」
「いいねえ。僕もそうしよう」
洋二が片手をあげてマスターに注文した。
キレのあるファンクナンバーが終わると、女性ボーカルのゆったりしたナンバーが流れ出した。
「……」
碧南はハタと困った。
こういう場合、何を話したらいいんだろう?
乙女ゲーの主人公ならすぐに気の利いたことができるのに。さもなければイベントとか。
碧南の内心の戸惑いを読んだかのように、「まずは合格おめでとう」と洋二が切り出した。
「ありがとうございます!」
「メールで知らせてくれたとき、思わず飛び上がってよろこんじゃったよ」
「え? 先輩が、飛び上がって……?」
「修辞じゃないよ。文字通りジャンプしちゃった。あっはっは、それくらい嬉しかったってことさ」
洋二のイメージからは外れているが、それほど気にしてもらえていたと聞いて心が動かぬはずはない。
それからしばらく会話がはずんだ。直接会うこと自体久々なのである。互いに近況報告したいことはたくさんある。
意外な申し出もあった。
「ウィンターカップのこと聞いてるよ。ちょうどその時期に上京の予定があるんだ。会場で応援させてもらうつもりだよ」
ああもちろん、と洋二は言いくわえる。
「邪魔にならないよう、観客席からこっそりとだけどね」
驚かずにいられようか。勢いこんで碧南は言葉を噛んでしまった。
「そ、そんな申し訳ないですよ。わざわざ来てもらうなんて……!」
「わざわざだなんて思ってないよ。インターハイは観戦できなかったし。それに、羽生くんの高校最後の大舞台じゃないか。きっと寝子高から応援に行く人は他にもいるだろうから、懐かしい顔にも会えそうだ」
これはますます、みっともないところを見せられない大会となりそうだ。当日は緊張しないようにしよう。
ウィンターカップの話が一段落したところで話題が途切れた。
ええと。
何の話をしようかと困ったせいか、意図せぬ言葉を碧南は口にしていた。
「先輩、どうしてフランス留学じゃなく、マタ大に行ったんですか?」
しまった。
ハッとする。
まずいこと聞いちゃったかな……?
洋二から、母親と上手くいっていないという話を聞いたことがある。このとき洋二の目に泣いた跡があった。母親は彼にフランス留学を命じた。洋二は木天蓼大学進学を希望しており、考えは一致していなかった。
「僕の母親は、息子の将来を決めたがる人でね」
ため息交じりに洋二は言ったものだ。洋二の兄
一晃
(かずあき)は、同じく指示されつづけたあげく、母親に絶縁宣言をつげ郷里を飛び出たという。ただし洋二と兄の仲は良好で、連絡はとりあっているそうだ。
だが洋二あっはっはと笑っただけだった。
「そんな顔しなくていいんだ。大丈夫だよ。隠したい話でもないから」
実はね、と洋二は言った。
「マタ大に行きたいのなら交換条件として、母が選んだお嬢さんとお見合いするよう命じられていたんだ。もちろん全然知らない人さ。このとき僕まだ十八歳だったんだよ? とんでもないよね」
「とんでも、というか、びっくりしました」
「そんなわけで頭にはきたけど、『結婚しろ』ではなく『お見合いしろ』だったからオファーを受けることにした。日本に残りたかったから。どうせ僕みたいな変人、お見合いしたら相手のほうが仰天してノーって言うだろうと思ったし」
屈託無く変人を自称する洋二である。碧南は『天才肌』なだけだと思うのだが、彼自身はそこまで自己評価が高いわけではないらしい。
「で、お見合いはどうだったんですか」
「会う前に断られた」
けろりとした顔で洋二は言った。
「僕の母親はね、大学を出ていないんだ。それを知った見合い相手の父親が『両親とも大卒ではない家の者に娘をやるわけにはいかん』って言ったんだって。笑っちゃうよね、僕自身じゃなくてその母親の学歴だけを問題にするなんて! もちろん僕の母は大激怒さ。うちの母と見合い相手の母親とは高校時代の同級生だったとからしいけど、怒りの絶縁状を叩きつけた。知ってる? 絶縁状ってフォーマットあるんだよ。見せてもらったけどこれが慇懃無礼でさぁ」
ひときしり笑うと、すっと洋二は真面目な顔にもどった。
「困った人たちだと思うよ。でもおかげで、いま僕はここにいる」
笑いごとではないかもしれないが、洋二の口調もあって碧南も笑ってしまった。広い世の中、そういう人もいるのだろう。
また沈黙がおとずれた。
唐突に気づく。
もしかしたら、鷹取先輩は私の言葉を待っているのかもしれない。
急とはいえ呼び出した以上、近況報告とは別に用件があると思っているはずだ。
そろそろ、って、先輩が思っていてもおかしくない。
いまここで自分の想いを打ち明けよう。
姿勢を直し、意を決して碧南は想いを口にした。
「先輩、いきなりでごめんなさい。……私は、
鷹取先輩のことが好きです。心から愛しています
」
とうとう……言っちゃった。
「私は見ての通りガサツな女だし、きっと先輩から見ればこんな女に告られても迷惑なだけかもとは思いますが……それに安っぽい言葉で興ざめかもと思いますが……私は先輩の心に寄り添いたいんです……こんな私じゃ、ダメですか?」
すべて明かした。
結果がどうあれ、これでもう胸にもやもやはない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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