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想花が事情を話すと「だったらいいところ紹介するよ」と紗櫻都は想花の手を引いた。
「ついてきて」
シーサイドタウンから下り電車に乗りねこでん星ヶ丘駅に、そこから少し歩いたところに瀟洒なヘアサロンがあった。いかにも高級そうでセレブ御用達といった様相である。さっきの格安スピーディ店とは天と地の差、敷居が高そうで想花は尻込みした。
「もしかして紗櫻都さん行きつけの美容室? ぼく予約入れてないけど……」
「行きつけの美容室? ちがうよ」
「そうなんだ?」
昔の少女漫画さながらの紗櫻都の髪型は、ここで作ったものと思ったからである。
結果からすれば想花の想像は半分当たっていたことになる。紗櫻都はすぐにタネを明かしたのだ。
「ここは私の家がやってるから」
「あっ、実家がヘアサロンってこと?」
「うん。入って入って」
mamanと美しいフランス語で発音して紗櫻都はドアを開けた。
待合スペースに通される。さすが高級店、広くて上品な空間だった。大理石の壁には印象派風の絵がかかっておりソファやテーブルもどこかの宮殿から運んできたかと見まがうほどだ。うっすら流れているのもクラシックの交響曲である。
他に客はないらしい。八人は入れそうなスペースに想花はぽつねんと座った。さっとオレンジジュースの入ったグラスが店員から提供され、ストローを添えて珪藻土のコースターに乗る。
こんな場所に、ぼくみたいなのがいていいのかな。
またもやもっさりヘアが意識された。居心地が悪い。
仕方なく想花はジュースを一口した。美味すぎてびっくりだ。いわゆるオーガニックなテイストではないか。
やがて紗櫻都が顔を出した。
「いまお母さん接客中だけど、想花さんのカットを頼んだよ。終わったらやってくれるって。大丈夫、友達だからタダだよ」
「あ、いや悪いよそんな……」
「平気平気、maman、じゃなくてお母さんもよろこんでる。私が店に友達連れてきたのはじめてだから」
「そうなんだ」
いささか意外だと想花は受け取った。華々しいルックスの彼女ゆえ交友関係もひろく、こうしたことは日常なのではないかと思っていたのだ。
「じゃあ私、ちょっと店手伝うから。ここでくつろいでて」
簡単に告げて紗櫻都はまた姿を消したのである。
くつろいでて、って言われても。
正直、困った。
ものすごく場ちがいなところに迷い込んでしまった気がしてならない。
誰もいないのに身を小さくして、想花は置いてある雑誌をめくった。
うーん。
女性週刊誌や地元の新聞とかはない。大半がハイブランドのファッション誌で、ジーンズにTシャツ派の想花にはなんの参考にもならない。新聞は英字だし、経済誌もちんぷんかんぷんだ。子連れ向けの絵本もあるが、これは対象年齢が低すぎて楽しめそうもなかった。読めそうなものがあるとすれば、世界各地の文化・歴史・科学や芸術を扱った写真誌くらいだろうか。これだって普段なら手を伸ばすたぐいのものではないのだが。
とくに考えず写真誌を手にし、おもむろにめくってみてぎょっとした。
特集ページだった。『南極探検の歴史』とある。
スコットにアムンセンの話はもちろん、日本の白瀬矗がなしとげた偉業についても説明されており、南極を取り巻く現在の状況についてのコラムも掲載されている。読み進めることで想花の小学生時代の知識は整理され、新事実で上書きされた。
寒い冬に読むにぴったりな特集という気もする一方、南極という死の世界に思いを馳せると、どうしても孤独感にさいなまれるのも事実だった。無人の待合室が、外界と隔絶された南極基地のようにも思えてくる。
……早くぼくの番にならないかな。
前の客が手間取ったのか、紗櫻都が呼びに来たのは小一時間ほど経ったころだった。
「ごめんね、待たせちゃって」
想花が驚いたのは紗櫻都が単身ではなく、大人の女性を伴っていたことだ。さっきの若い店員とはちがう。上品で優雅な女性だ。すらっとした美女で西洋人、三十代前半くらいに見えるがきっと本当はもっと年長だろう。なぜならば、
「大変お待たせしました。娘がお世話になっております」
と彼女が告げたからだ。面食らうしかない。
想花は「こちらこそ」と返すのがやっとだった。義理のお母さん? とも一瞬思ったが、顔立ちが紗櫻都によく似ているので実の母親だろう。といっても、紗櫻都の姉と言ったほうがまだ信憑性がありそうだった。
「紗櫻都の母で、クレマンティーヌ・オブリと申します」
言葉にもまったく訛りがなかった。日本在住が長いのだろうか。
「クラスメイトの月原です。えーと、お世話というならむしろ、紗櫻都さんにはぼくのほうがお世話になりっぱなしで……」
しどろもどろながら想花は、紗櫻都とのこれまでを簡単に話した。最初は紗櫻都のほうから積極的に声をかけてきてくれたこと、ハロウィン☆デイズのパレード見物にも誘ってくれたこと、球技大会ではソフトボールの練習をともにしたこと等々だ。親友という言葉をもちだすのは気恥ずかしいが、少なくとも紗櫻都が友達であることはまちがいない。いつしか紗櫻都とは名前で呼び合うようになっている。
そういった話の多くを、クレマンティーヌは紗櫻都から聞いているらしい。
「いつも娘からうかがっております。とても親しくしていただいて」
微笑して想花をいざなってシートに座らせた。眼鏡をあずかる。
「見てていい?」
紗櫻都がわくわくした様子で背後の席に座った。
「シャルの友達の髪をさわるのははじめてです。腕が鳴ります」
クレマンティーヌは嬉しげだが想花のほうは緊張でそれどころではない。
店内は木目調を基本としたシックな内装で、温かみはありつつも清潔で広かった。革張りのセット椅子は予想以上の座り心地で、雲に乗ったような心地である。
ヴェルサイユ宮殿にヘアサロンがあったらこんな感じなのかなぁ。
いや、ヴェルサイユ宮殿ならもっとギラギラしてるイメージか。
じゃあニューヨークでセレブが行くような美容室? 待って待って、お母さんフランス人だよね。だったらパリ? パリコレのモデルが行くようなヘアサロン……うう、やっぱり場ちがいはなはだしいよね。
そんな思考ばかりが、モルモットがまわす滑車のようにぐるぐるめぐるのである。なので、
「どのように致しましょうか」
と問われても想花は窮して「おまかせします」と回答するほかなかった。
「では」
と彼女がハサミを手にした。
ぼくの髪、どうなるんだろう……?
緊張が頂点に達したためか、それともやはり眠りが足りていなかったのか、リズミカルなハサミの音色を聴いているうち想花の意識は遠くなっていったのである。
シャンプーなどで断続的に目覚めることはあったが、調髪時間の大半は睡魔に勝てなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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