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静かだ。
真夏には人出にあふれ、それこそ千の花が一斉にひらいたようになる寝子ヶ浜海浜公園も、真冬ともなればおとなう姿もとぼしく、薄墨にひたした筆先で何度か、まっさらのキャンバスをついた程度の姿しか見あたらない。夏の盛りには狭いくらいのこの場所が、その広さをもてあましているようも思えた。空は灰色、グランドも白に近い。
「まゆせんせー!」
視線の先のそのまた先、グリーンのジャージ姿の少年が
相原 まゆ
に手を振っている。石けん箱くらいのサイズなのに、車両誘導の警備員みたいな大きな動きなので誰なのかすぐにわかった。盛り上がってきたのか風車みたいに腕を振り回している。声も大きい。これが街中だったら気恥ずかしく思ったかもしれない。けれどまゆもまた。自然と大きく手を振り返していた。
「こんなとこでよかったんすか?」
デートが、とは
冴木 竜司
も言わない。というより言えない。口に出す勇気が今日はなかった。
「運動しませんか、ってメールしたの竜司君じゃない。運動と言えばジョギング、ジョギングといえば広い公園よ」
「温水プールでもよかったんすけど」
「だめよ私、競泳水着しか持ってないしー」
「夏に沖縄旅行したって聞きましたけど」
ヒョッ、と変な音とともに息を吸いまゆは竜司を見た。
「どこで知ったの!?」
「美和ちゃん、いえ、久保田先生です」
「おのれ美和ちゃんイヤーもとい美和ちゃんマウスめ」
「それなんですか?」
「……なんでもない。っていうか泳ぐ気分じゃないしさあ」
「見たかったです! 先生のおニュー水着!」
旅行なら水着を新調しただろうとの竜司の予想である。的中だったようだ。
「見て楽しいもんじゃないよー。赤いビキニなんかじゃなくて地味なワンピだし」
「その地味さがいいんじゃないですか! むしろまゆ先生らしくて魅力的っす!」
力説する竜司だがまゆはあっさりしたものだ。
「大人をからかうもんじゃないよ」そよ風みたいに流して両足をそろえ膝を曲げた。「ほら、準備体操準備体操っ」
さっそく屈伸運動をはじめるまゆなのである。彼女も上下ジャージ姿だった。ボルチモア生まれのスポーツブランド、色は明るいグレー。
てきぱきと体操を終えると、
「はい、じゃあスタート!」
言うなりまゆは走りだしたのでである。軽いジョギングとは正反対の速度で。
「先生ペース早すぎないすか!?」
慌てて竜司は後を追う。
「何言ってんのこんくらいで高校生が」
「高校は去年卒業しましたっ。大学生です!」
「いずれにせよ若い! 若さってなんだ! 全力疾走ってことさ!」
「意味わからないですよ!」
そんな抗弁など聞く気がないのか、現役体育教師まゆはペースを上げた。一気に距離をあける。
「ぐずぐずしてると置いてくよ!」
と言い残して。まるで丘を下る機関車、正確にして無駄のない腕と膝の振り上げ方だ。
「どいひー!」
こうなったら竜司も、歯を食いしばってついていくほかない。
心臓から生まれた燃える石炭が体内を転がりまわっているような思いがする。しかし流れる汗は多くはなく、それとて冬の風に撫でられるやたちまち乾いていく。
走った。
力走した。
海浜公園三周抜きつ抜かれつ、竜司はまゆとの周回を終えたのである。一周するたび「もう一周!」とペースを上げるまゆに引っ張られて。さすがのまゆも息が上がっているが顔は明るい。
「ひっさびさに全力で走ったー!」
両手をバンザイしてキャラメルのパッケージのようである。海浜公園一周はかなりの距離になる。しかもそれを三回くり返したのだ。倒れ大の字になってもよさそうなものだが、ペースはぐっと落としつつもまゆは両足を交互に繰り出していた。こうするほうが疲れないと知っているのだ。
「きっもちいー!」
思わず歓声をあげていた。
竜司は並走しつつ尋ねた。
「最近、学校の授業ではあんま走らないんですか?」
「走るよ。走るけど爆走はしないよ。私教師だし」
「プライベートでは?」
「プライベートねえ」スローペースながら走りつつ平然と話せるのは、やはりまゆも竜司も体育モンスターだからだろうか。「そーもいかんのよ大人はね、いろいろあってね」
「いろいろって?」
「婚活パーティとか」
「
婚活ですとっ!?
」
「気になる?」
「気になりますよ、そりゃあ……まあ……」
「あらスネちゃった?」まゆはニヤリとした。「あたしだってさぁー、お年頃なわけよ。てか、もう遅いくらいだけど」
「そんなことないです! まゆ先生は永遠の合法ロリです!」
「またそんなこと言う。それさぁ、もうやめてよう。けっこう気にしてるんだからね、子どもっぽいって」
「い、いやケナしてるわけじゃないです。先生はいつまでも純真でキュートでスイートだと」
わーってるって、とまゆは竜司の言をさえぎった。
「竜司君の言葉に一切の悪意がないことはね。でもねー、あたしずっとこんなだからさあ、男の人に全然相手されないんだよねー」
婚活パーティも散々だったし、と言うまゆは渋い顔である。
「何言ってんですか! 俺がいます! 俺はいつだっていつまでだって先生のことを!」
ぴたっと足を止めてまゆは竜司を見た。
「竜司君」
「はい」
竜司も止まる。
「隙あらば口説こうとするのはやめよう」
「それはまゆ先生に隙が多いからですよ」
「むう」まゆは腕組みした。「これは一本取られたわ」
あたし隙だらけだもんねとまゆはため息する。「ていうか隙間風吹いてるもんね」
「でも俺」
竜司はまゆの正面に立った。
「そんなまゆ先生のことが、好きです」
真剣な口調にまなざしだ。
そして笑顔になる。
「先生の心に隙間があるんなら、俺が埋めたい」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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