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あのお姉さんってあんなに明るかったかな?
というのが、保護猫カフェ『ねこのしま』を訪れた
呉井 陽太
が抱いた最初の感想だった。
名札に『なるこ』とつけた店員さんだ。名前は
成小 瑛美
(なるこ・えいみ)というらしい。
彼女はぼわっとした髪型で表情に乏しく、接客業としては致命的なくらいボソボソ声だった。考えようによってはそれはそれで素朴で好感がもてたのだが、髪を切ってすっきりしてからはすこしずつ愛想がよくなり、二週間弱ぶりに訪れたら見ちがえるほど垢抜けていた。声にも張りがある。
「呉井様お帰りなさいませ、じゃなかった、いらっしゃいませー」
なんだかメイド喫茶みたいな言い回しで瑛美は陽太を迎えてくれたのだった。
「あ、どうも」
なんかあったのかな。
彼氏ができた、とかだったりして。
我ながら下世話な想像かなと反省しつつ、瑛美に案内され陽太は店内に入った。地下という構造上の問題もあり借り手がつかなかったマンションの一室を、保護猫カフェに改造した店だ。
ひょんなきっかけで『ねこのしま』を知りハロウィン期に再来店して以来、陽太はこの店に足しげく通うようになった。店は静かで読書に最適、クロッキー帳をひらき素描するのも自由で、しばしば猫たちは素描の対象となる。『何描いてるの?』と言うように陽太の膝に乗ってきて絵をのぞく猫もたまにはいるが、概して彼ら彼女らは陽太を邪魔しない。かしこい子になると、描かれていると気付くとそれなりにポーズを取ってくれたりもするくらいだ。読書や描画に飽きたら猫と遊ぶのもいい。自室にいて退屈し、ついスマホをひらいてしまったりテレビをつけたりするのに比べたら、ずっと有意義な時間がすごせた。
「いらっしゃいませ。久しぶりね呉井君」
店長の
鈴木 冱子
が奥から出てきた。美人ではあるが冷たい印象の女性、でも本当は優しくて猫好きで、とてもかわいいイラストを描くことを陽太は知っている。
「へへ~、今日も来ちゃいましたわー」
「ありがとう。ゆっくりしていってね」
珈琲でいい? と冱子が訊いてくる。瑛美は猫の世話に行ったらしく、彼女がじきじきに給仕してくれるらしい。
「お願いしまーす。あと、シフォンケーキがまだ残っていれば」
「今日最初の注文よ」
品切れじゃないから安心して、という意味で冱子は言ったのだろうが、陽太は不安になった。
もう夕方ちかい。店は午前中からオープンしているというのに、毎日焼くというシフォンケーキが初出荷だなんて。
店の名物といっていいくらいふかふかでおいしいのに、もったいない。
陽太が『ねこのしま』を気に入っている理由がもうひとつある。
空いていることだ。
客はあっても三組がせいぜい、自分以外ゼロという場合も少なくない。おかげで気兼ねなくすごすことができるのだ。今日も他の客は見えなかった。
なので陽太は今日も、お気に入りである奥に陣取ることができたが、諸手をあげて歓迎できる状況ではないともわかっていた。
……やっぱり経営が苦しいのかな。
ハロウィンのとき陽太は、冱子が痩せたことに気がついた。元々スマートな彼女だ。ダイエットではないだろう。正確には痩せたというよりやつれたという印象だった。しかし冱子の状態は回復せず、通うたび生気が失われていた。ぐったり疲れているようでもある。
だからといって自分もしょんぼりする必要はない。むしろ逆だ。事情は聞けなくても元気づけたい。
陽太はつとめて明るい声を出した。
「寒くなってきましたねぃ」
「そうね。私、冬が苦手。冷え性だから」
冱子が珈琲カップをふたつ運んできた。ひとつは自分用らしい。
「隣、いいかしら?」
「どうそどうぞ」
冱子はガラステーブルにカップと、大きめに切ったシフォンケーキの皿を置いてくれる。
人なつこい黒ブチの子猫が、陽太と冱子のあいだに割りこんで丸まった。
「調子はどーですか? これからもっと寒くなるし、お互い風邪ひかないようにしたいですねぃ」
「ありがとう。私は元気よ」
冱子はそう応じたが、あきらかに嘘だとわかった。近くで見れば驚くほど顔色が白い。
オレで何か力になれることがあれば――と言いかけたものの陽太はこらえた。
そんなストレートな言い方だと、きっと鈴木さんは首を横に振るだろう。「大丈夫、気にしないで」と言うに決まってる。
何度となく顔を合わせたおかげで、陽太はうすうすながら冱子の性格を把握していた。けっして泣き言を言わずひとりで苦労をため込んでしまうタイプだ。
だからせめて、陰ながら協力しよう。
「そういえば店の猫ちゃんグッズ、いろいろ販売してますよねぃ。エコバッグとかエプロンとか」
「ええ」
「両方買います。どっちも家の分、ボロくなってて買い換え時期にさしかかってたんですよ~」
「ありがとう。伝票につけておくからレジで成子さんに言ってね。気に入った絵柄を選んで」
「これでオレも、鈴木さんや成子さんとおそろいですねぃ」
「イラストはひとつひとつ手描きだからおそろいではないのよ」
「ははは、そうでした」
陽太が笑うと冱子の表情も和んだ。かすかだけど血色が戻っている。
よかった。
陽太は内心つぶやいた。少しでも役立てたと思う。
次来たときは、実家の親に送るという名目でもう一揃えずつ買おう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月29日
参加申し込みの期限
2023年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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