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◆例え小さな一歩でも
ネコジマスクエアを散歩中、目に入った父の日フェア。
秋ノ宮 こまち
は、ため息混じりに呟いた。
「父の日、かぁ……」
母親を早くに失い兄弟もいない彼女にとって、血の繋がった家族は父親ただ一人だけ。
でも、その父親との関係も今はあまり芳しくない。
きっかけは四年前。
父親が、彼女に結婚の話を持ってきたこと。
当時の彼女はそれに猛反発した。年齢を考えれば、それも無理からぬこと。
とはいえ、その結果……色々な人に迷惑をかけ、家族関係もぎくしゃくするようになってしまった。
(……それでも、お父様は私を大事にしてくれた)
ならばそれまでは自由にという彼女のわがままを聞き入れ、高校を卒業するまで寝子島で暮らすことを許してくれた。
高いお金を払って、星ヶ丘寮なんていい寮に入れてくれた。
趣味の彫刻にだって打ち込ませてくれたし、それをするための場所も与えてくれた。
それなのに。
それなのに、まだ心を開けないでいる自分が居る。
父親の好意はしっかりと受け取って、それに甘えているにも関わらず。
それはきっと、とてもとてもずるいこと。
(駄目な娘ね、私……)
そっと目を伏せる。
四年前から、父の日には何もすることなく過ごしてきたけど。
いい加減、自分の方からも歩み寄るべきなのだろうか。
いつまでもこのままで居ていいわけではないことは、はっきりしているのだから。
その一歩目として、父の日のプレゼントというのは悪い選択肢ではないはず。
ただ、問題が一つだけ。
こういう時に何をあげればいいか。それがこまちには分からない。
好きなものの一つでもわかればいいのだが、当然というべきかそんなのはさっぱりで。
どうすればいいのか、途方に暮れるこまち。
周りを見ると、寝子高の生徒も結構買い物に来ているのが視界に留まる。
楽しそうにプレゼントを選んでいる姿は、否応なしに家族仲のよさを彼女に連想させた。
(ちょっと羨ましいな)
そう思わずにはいられない。
と同時に、羨ましがっているだけではよくないという思いもわき上がる。
それだけでは、決して父親との距離は縮まらないから。手近なところに居た男子に声をかけた。
「ねえ。父の日のプレゼント、どんな物を買うのか聞かせてくれない? ちょっと、参考にしたくて」
男子――
風鈴 ヒロカズ
は、彼女の言葉ですぐに事情を察したらしく。
「そうですね、ネクタイなんか定番かなと思いますけど」
そう言って、ネクタイコーナーを指さした。
なるほど、とこまちは思う。
スーツを日常的に着る父親なら、ネクタイはプレゼントとしてはぴったりだ。
「ネクタイか……いいわね。そうしてみるわ、ありがとう」
礼を言い、ネクタイコーナーへと足を向けた。
結局、フェアで買ってきたのはグレーのネクタイ。
ストライプが走っただけのシンプルなデザインだが、なかなか格好よさげだ。
それに直筆の手紙を添え、父親へ送ることにした。
(お父様はどう思うかしら?)
……喜んで、くれるだろうか。
◆気のせいという気のせい
きょうは「ちちのひ」なんだって。せんせーがいってたよ!
風鈴 ヒロカズ
は、道行く幼い少年たちのそんな会話を耳にした。
足を止めて、少し考える。
(母の日にはカーネーションという象徴があるけれど。こちらはなにか、あったかな)
彼の父親、育ての親は寿司職人だ。
そして、とてもお喋りな人種である。
どれくらいかというと、一度ヒロカズが連絡をした時に三時間も話し込まれてしまう程。
話した内容はと言えば。
学校は楽しいかとか、島の暮らしに不便はないかとか、いやになったら帰ってこいとか、生水は飲むなとか。
つまるところ、ヒロカズの寝子島での生活についての諸々を心配するお小言のオンパレード。
そのくせ彼が「水は買って飲んでます」と言うと、贅沢をするなと怒鳴った。
生水は飲むな。でも買うのは贅沢。逐一煮沸でもすればいいのだろうか。
ともかくもそんな些細な、それはそれは些細なことからそれっきりとなってしまった。
……そういえば、ネコジマスクエアで父の日フェアをやっていると聞いた気がする。
ネコジマスクエアに入り、フェアの中を見て回る。
父の日のプレゼントの定番と言えば、ネクタイなのだろう。
実際にフェアで一番人が集まっているのはネクタイのコーナーだったし、さっき人に聞かれた時にはそう答えた。
会社勤めでスーツを着ている父親というのは、世の中には結構居るはずだから。
だが彼の父親に関して言えば、そんなものをつけているところは見たことがない。職業柄当然とも言える。
じゃあ、他には何がいいだろう。
花束。お菓子の類。この辺りもそれなりに定番だろうけど、やはりというべきかイメージにはない。
それらを持っているところを想像してみても、どうにもしっくりこないのだ。
ならどうしようかと、少し考えて。
ヒロカズは携帯を取り出した。
何が欲しいか、本人に聞いてみることにしたのだ。
「……長くなりそうで、気が進みませんが」
とは口で言いつつも、彼の顔には笑みが浮かんでいた。
自分では、それはきっと気のせいだと思おうとしているけれども。
それだけじゃあなくて。
父の日が仲直りのきっかけ作りになって、嬉しいとも思っている。
やっぱり本人は、「そんなこと考えていない」と考えているけれど。
そもそもそう考えてしまうことが、何よりの証拠。
数度のコール音の後、電話は繋がった。
「ああ、父さん。ヒロカズです」
しばらくぶりの連絡に、早速話し込む気配を見せる父親を牽制するように言葉を続ける。
「出来る限り手短に聞かせてほしいのですが、いま、なにか欲しいものは――」
淡々としたその口調の裏からは、隠し切れない感謝の気持ちが滲んでいた。
何よりも。
父親と話すヒロカズの表情は、笑顔そのものだった。
本人は、きっと気のせいだろうと言うけれど。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
28人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月13日
参加申し込みの期限
2013年11月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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