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ハッピーバースデー! 12月☆
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サーティ・バースデー
年の瀬迫る12月22日。
深倉 理紗子
と
深林 真瞭
は、水桶と花束を手に、都内の霊園の墓石の間を歩いていた。
雪こそ降ってはいないものの、朝から冷える日で、二人ともコートをしっかり着込んでいる。
やがて、ある墓の前で二人は立ち止った。
――深倉家。
この墓の下には、若くして亡くなった理紗子の姉、紗智子が眠っている。
「お姉ちゃん、久しぶり。まーちゃんと来たよ」
理紗子は墓石に声をかける。一歩下がっていた真瞭も、頭を下げて手を合わせると、ふたりはお墓の掃除をして持ってきた花束を手向けた。
理紗子は寝子島総合病院に勤める内科医、真瞭はヴァイオリンのソリストとお互い多忙な職業ではあったが、この日だけはかなり前から示し合わせて休みを取っていた。
それだけ大切な日だった。
「お姉ちゃん。とうとうこの日が来ちゃったよ」
今年一年あったことを報告した理紗子は、手を合わせながら哀しそうな笑みを浮かべる。
「私、30歳になっちゃった。お姉ちゃんより3つも年上になっちゃったんだよ」
見上げていた姉は、記憶の中ではいつまでもお姉ちゃんだ。
それなのに、自分だけ先にいく。
自分が乗っている電車だけ、進んで行ってしまう。
その事実を、どう捉えていいか分からなくて……ううん普段は割り切っているはず。けれどここに来るとやっぱり分からなくなってしまって……こみ上げてきた感情が涙になって、ポロポロと零れる。
「ごめん……泣かないでおこうって思ってたのに」
生きている自分が泣いていたら、きっとお姉ちゃんは心配する。
「もういい加減、いい歳なのに。お姉ちゃんより年上になったのに……」
それでも涙が止まらない。
小さい自分が叫んでいる。
さみしいよ、お姉ちゃん、って。
いっしょに年を取りたかったよ、って。
理紗子は肩を震わせて泣いた。
真瞭はそんな理紗子の肩にそっと手を添える。
真瞭の瞳もまた、潤んでいた。
(もらい泣きしそう……)
けれどこの悲しみは理紗子のものだから。
目じりを拭って、真瞭は理紗子の肩を優しくさする。
言葉は掛けなかった。言葉になることは、何もない気がして。
理紗子が落ち着くまで、真瞭はそうして、理紗子の肩をさすり続けた。
◇
「また来るからね」と言って墓をあとにし、寝子島に戻ったふたりが向かった先は星ヶ丘の真瞭のマンションだった。そこで、ささやかではあるが理紗子の30代突入を祝って記念パーティーをしようという約束だったのだ。真瞭の部屋は、高級と呼ばれる部類に属する広々とした間取りで、窓からは海が見渡せた。
誕生日なんだから座ってて、と、見晴らしのいいソファに理紗子を座らせて、真瞭はいそいそと準備をする。
「今年の私のバースデーのときは、りさちんは私の好物の桃のチーズケーキとそれに合ったワインを用意してくれたじゃない? だ、か、ら」
真瞭が笑顔で、両手に花とばかりに持ってきたのは、ワインと日本酒の一升瓶だ。
理紗子は目を丸くする。
二人ともワインは嗜む方なので、今日も予想していたが、日本酒のほうは完全に予想外だった。
テーブルに置かれた瓶のラベルをしげしげと眺め、また驚く。
「え? これって『猫魂』? これって入手困難だよ? どうしたの?」
真瞭はいたずらっぽく笑って種明かし。
「蔵元の若旦那が私のファンで、今回無理を言って譲ってもらったんだ」
「うそっ。流石まーちゃん」
「まあね。で、ワインと日本酒、どっちから行く?」
「ここは当然『猫魂』から行きたいわ」
「そういうと思ってました。じゃあ、りさちん、お猪口を持って」
理紗子は真瞭が用意した、切子硝子のお猪口を手にする。真瞭がそこに、『猫魂』を注ぎ込む。瓶の口からは、とくとくといい音が響き、気分は満点だ。理紗子のお猪口がいっぱいになると、今度は攻守交替で理紗子が真瞭のお猪口に酒を注ぐ。
「では。りさちんの誕生日を祝って。乾杯」
「乾杯。ありがとう」
ふたりは同時に口を付ける。
とろりとした甘みが口の中に広がる。
それでいて後味は爽やかで、何杯でも行けちゃいそうだ。
「ふふふ、これでりさちんも晴れて30代。抵抗するだけ無駄だからね」
「抵抗しません。30代、楽しみます」
「そんなりさちんに、プレゼントがあるの」
「『猫魂』のほかに?」
「『猫魂』はいっしょに呑みたかっただけ。本命はこっち」
真瞭が取り出したのは、白く四角い化粧箱だ。中をあけると、天鵞絨のアクセサリケースが出てきて、さらに開けると……。
「わ……ネックレス?」
リングがふたつ組み合わさったような、シンプルでエレガントなデザインだ。
「そ。大人っぽい感じのにしてみたの。30代ですから」
「……ありがとう」
真瞭の手を借りて、理紗子はネックレスを付けてみる。
二つのリングが二人の絆を感じさせて、理紗子はまた瞳が潤んで来た。
真瞭は理紗子の目元を指先で拭う。
「お姉ちゃんの代わりにはなれないけど、いっしょに歩こう? 離れてるときも、友だちだよ」
「まーちゃん……泣かせないでってば」
酒が強い二人は、それから一晩飲み明かした。
気ままにおしゃべりして、飲んで、笑って。
理紗子にとっても真瞭にとっても、最高の一夜になったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月15日
参加申し込みの期限
2023年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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