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あおい、ソラ
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木漏れ日が地面にタイル模様を描いている。冬景色の山道だが幸いにしてシイの木が中心で、常緑の葉が日差しをふせいでくれるおかげか気持ちは楽だ。ところどころ眺望がひらけたスペースが用意されており、そういった場所には必ずといっていいほど丸太で作ったベンチが設置されていた。ときに海、ときに街並み、ときにはその両方が楽しめるようになっている。
やがてふらふらと吸い寄せられるようにしてソラはベンチに腰を下ろした。
「ちょっと休憩しない?」
「まだ歩けるでしょう」
「休んだら歩ける」
「ソラ」あおいはやれやれといった調子だった。「ねえちゃんより体力ないってどういうことよ」
「だってさ、暑くって」
「だから言ったでしょ。カイロつかいすぎだってっ」
「せめてカイロの位置だけでも直させてよ~」
しょうがないなあとあおいはため息をつき、眉を八の字にして彰尋に言った。
「休ませてもらっていい?」
「もちろんだよ。俺も喉が渇いていたし」
「やったぁ、さすが鴻上さん話がわかるぅ」
へばっている様子だがソラはさすがに野球部で鍛えているだけあって健脚だった。ずんずん歩いていたのだ。自然に彰尋とあおいも脚を急がせることになり、予想よりずっと速いペースで進んでいる。
ソラはコンビニで買ったチョコレートバーとスポーツドリンクのペットボトルをとりだした。チョコバーといっても駄菓子のそれよりずっと分厚くて長くて、クランチアーモンドとピーナッツがぎっしり詰まった一食に相当しそうなシロモノではないか。ペットボトルのほうも八百ミリリットルはある特大ボトルだ。
「あんたすごいの食べるよね」
「うん。腹減ったし」
もう!? とあおいは目を丸くした。
「バーガーショップでもごっついの食べてたじゃない」
「さすが育ちざかりだね」
素直に賞賛する彰尋にVサインをくりだすソラだ。「これからどんどん伸びるっすよ、俺。身長百九十センチくらいまで!」
百九十て! とあおいが声を上げた。
「そんなジャンボになっちゃったら将来服買うとき困るよ」
あおいもベンチに腰かけて、ソラの四分の一くらいのサイズのチョコバーを手にしている。
「ねえちゃんはビッグな男が好きじゃないのかよ」
「背の高さ関係ないの、私が重視するのは中身です!」
「でも社会的にビッグなのは好みだろ?」
「なによ社会的にビッグって」
「アラブの王族とか。王子なんか超イケメンだよ」
少しは考えるかと思いきや、
「無理かなぁ」
あっさりとあおいは言ったのだ。
「そんな人とは金銭的な価値観が合わないと思うよ。駄菓子買うみたいにポンと超高級ブランドのバッグを買ってくれたりするんでしょ? でも私だったら、苦労もせずにそんなのもらっても嬉しくないから。ビニールのカバンで十分」
これべつにカッコつけてるわけじゃなくて、と注釈してつづける。
「なんかね、私、ずっと親が八百屋とかで、わずかな金額の差で買うかどうか頭悩ませるの見て育ったからさ」
ソラは手にしたチョコバーをだらりと下げてしまった。目線も足もとに落としている。
「……ごめん」
「なにを謝ってるの?」
「だって俺、自分が食いたいからって値段も見ずに一番でかいチョコレートバー選んじゃった。たぶん高いやつ。ねえちゃんに買ってもらってるのに」
なんだそんなこと、とあおいは笑った。
「お出かけとか特別な機会ならいいから。あと」ひょいとソラの手を取りチョコバーの包み紙を裏返す。「これ賞味期限切れ近くて三十パーセントオフだったし!」
「さすがねえちゃん、目ざとい!」たちまちソラは破顔した。
「SDGsに配慮してるって言っていただこうかしら?」得意げに鼻息するあおいだ。「でもこれ冗談ぽく言ってるけどホントのことよ、私たちが買わなかったらこのチョコバーはじき廃棄されちゃう運命だったんだからね」
はははと笑い合った姉弟だが、ソラは次に声をひそませて言った。
「でもいいのねえちゃん? ボーイフレンドにこんな素の会話聞かせちゃって」
「ボーイ……! もうっ、どこでそういう言い方おぼえてくるんだかっ」
「ねえちゃん俺もうじき高校生だぜ。あと、それでもだいぶオントーな言い方にしたつもりなんだけどな」
ソラのぼやきを聞き流し「ほんと無礼な弟で」とあおいは彰尋に頭を下げた。
「でもね彰尋くん、あと、ソラも聞いて。私、彰尋くんはもちろん、ののちゃんたちもだけど、友達にはあんまりうわべをとりつくろわないようにしてるから。これまでもそうだったと思うけど、これからは特に。意識的にね」
だって、とあおいは言ったのだ。
「もう高校生活、あと正味三ヶ月くらいしかないわけじゃない? みんなには偽りの私の記憶、残したいとは思わないから」
「ぴったりの表現じゃないかもしれないけど」彰尋はうなずいた。「本当の自分でいたい、ってことだよね」
そうだね、とあおいは言った。
「寝子高での高校生活が三年かけた自分探しだったとしたら、私は見つけちゃったから。自分を」
「俺も」噛んで含めるように彰尋は言った。「……俺も、そのつもりだよ」
でもこの瞬間自分が百パーセント純粋に、『本当の自分』なのかと問われると彰尋は困ってしまうだろう。
ソラが口にした『ボーイフレンド』という言葉について、聞いていないふりを演じたのだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月13日
参加申し込みの期限
2023年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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