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寝子島高校
あおい、ソラ
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寝子島の現代と過去が入り交じる場所、それが参道商店街だ。骨董品みたいな建物がWi-Fi完備だったり、朽ちかけた石段の脇にバリアフリーの傾斜道がしつらえられている。話に出た漬物店はもちろん、家族経営の電気店、布団屋、洋品店に豆腐屋、和菓子屋、ちょっとかわったところでは、中心からやや外れた場所になるが古書喫茶というものもある。もちろん古くからやっている食堂も豊富だ。見るものすべてがめずらしいようで、ソラはいちいち足をとめては感心したり驚いたりした。
ランチは戦前からやっているというミルクホール(カフェ)にて、『ライスカレー』と表記されたカレーライスを食べた。
それからもしばらく散策したものの「そろそろ帰るよ受験生!」なるあおいの言葉で、夕方になるより先にソラは電車に乗ることになったのだった。いまは電車までの時間つぶしに、改札の前で立っている。ソラひとりではなく、
「本土の大きな駅まで送ってくから」
というあおいも一緒に。したがって見送る側は彰尋ひとりだ。
「ねえちゃん俺ひとりで帰れるよ~」
渋るソラにあおいはぴしゃりと告げた。
「わかってる」
「じゃあなんで」
「寄り道せずにまっすぐ帰らせるためよ」
「なんだよー、俺信用されてねーのな」
ふてくされた子どもみたく唇をとがらせるソラだが、その瞬間あおいの目は鈍く光っていた。
「前科があるからね」
「……ごもっとも」
ハロウィン☆デイズのときのことを言っているらしい。あの日ソラは「日帰りする」と言いながら、ちゃっかり寝子島で一泊しており、後から知ったあおいを怒らせたのだった。
本日の感想からはじまって、年末の話、年始の話と話題はうつろっていったが、最後は来春からの話に落ち着いた。三人とも春からは環境の変わる身の上だ。大学、専門学校、高校、進む場所はちがっても、希望と不安のいりじまじった心境にあるのは共通している。やってみたいこと、できるかどうか自信がないこと、話はつきなかったが、
「そろそろ電車が来るよ」
あおいの言葉が、時間に限りがあることを思い出させた。
「鴻上さん、今日はマジ、楽しかったです。つきあってくれてありがとうございました!」
ソラは帽子を取ると、九十度の角度かと思うほど深々とお辞儀した。
「このお礼は、いつかきっと、何かで!」
「曖昧すぎる約束だよねー」あおいは苦笑するばかりだ。
「そんな気にしなくていいよ。俺も楽しかったし」ソラに告げてから、彰尋はあおいに顔をむけた。「俺はあおいさんにお礼を言いたい。誘ってくれてありがとう」
いやいやいや、とあおいは両手を顔の前でパタパタした。
「私、彰尋くんを朝っぱらから呼び出しちゃって、ほんとゴメンって思ってたから。だから、楽しかったって言ってくれて私も嬉しいよ。一緒に行けて本当によかった。冬の九夜山展望台……」
ここで駅舎にアナウンスが流れた。本土行きの列車が間もなくやってくるという。
「ごめん。行くね。じゃあまた学校で!」
ソラ行くよ、とあおいは弟の手を引っ張った。
せかすなって、と言いながらもソラは、とくに拒否することもなくつづく。
こういう光景、何度もあったんだろうな。
「鴻上さん、ありがとございましたー!」
彰尋は手を振った。
姉弟が自動改札をくぐる。
あっ。
今度学校で会ったときに訊ねてもいい、そう思ったのだが、この瞬間を逃すと言いかけた言葉のつづきは、浮いて溶けて実体を失ってしまうような気がして、彰尋はあおいの背に問いかけた。
「あおいさん、さっき言いかけた『冬の九夜山展望台』がなんだって?」
あおいは一度だけふりむき、幼子のようにあどけない、けれどもうっすらと寂しげな目をして言った。
「冬の九夜山展望台に行くのは、これが最後になるかもしれないから。だから、彰尋くんと行けてよかった」
彰尋の返事を待つことなく、あおいの姿は電車に吸いこまれた。
ベルが鳴る。ねこでんの短い列車が、規模の割に大きなゴトゴトいう音を立ててホームから出て行った。
彰尋は電車を見送った。
今日、あおいは寝子島に戻ってくるだろう。
けれど間もなく、今度はずっと長く、出て行ったきりとなる。
戻らないかもしれない。
これが最後になるかもしれないから。
だから、彰尋くんと行けてよかった――。
……。
電車が見えなくなっても、まだ彰尋はその場に立ちつくしていた。
ようやく踏ん切りがついて背を向けた。反対側の電車に急いで乗る必要はない。しばらく散歩でもして帰ろう。なんなら歩いて帰ってもいい。
目に入ったのはバーガーショップの赤い看板だ。わずか半日前のことなのに、あそこで待ち合わせたのは先週の出来事だったような気がしてならない。
今日はソラ君がいてよかった。
たどりついた彰尋の結論だ。
ふたりきりだったら――旅立つ準備をしている彼女に、もっといたいと手を伸ばしてしまうところだったから。
――『あおい、ソラ』 了
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
長らくお待たせしました。
マスターの桂木京介です。鴻上 彰尋様、改めましてリクエストありがとうございました!
ソラもあおいも充実の一日だったと思います!
内容解説等はプライベートシナリオ限定のボーナストラックとして個人コメント欄に記しました。
例によってとりとめのない内容ですが分量だけは多いです(汗)
ではでは、つづきはコメント欄にて!
また次のシナリオで会いましょう。桂木京介でした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月13日
参加申し込みの期限
2023年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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