this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
のんびりアルク
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
【数多の雨の世界】
「おや。ようこそ、『霧雨美術館』へ」
ぱちくり。きょとん。ふたりそろって、ぽかんと口を開けてしまいました。
稲積 柚春
に、
ウォルター・B
。柚春の腕にぽすんと収まっているのは、白黒のヘンな毛並みのヘンな猫。首輪の名札は見たこともない文字で読めませんでしたけれど、なぜだか『アルク』という名前だと分かりました。
「えーと。霧雨?」
「はい、霧雨美術館へようこそ。ははあ、よそから来られた方ですな?」
顔を見あわせたふたりへ、慇懃に一礼してみせたのは、人ではありません。人の形をしてはおりますけれど、頭はカエルです。ステッキを持ちタキシードを着た、カエル人です!
よく見ればそこは確かに美術館……のようでいて、天井はありません。壁には『小雨』『氷雨』『雪時雨』なんて札が掲げられていて、そこにはめ込まれた小窓の中にははらはらと雨が降っておりました。
カエルはぱかっと口を開けて、説明してくれました。
「空気中を漂う微粒子に、ニンゲンの感情が反応するのだとか。そうして雨を降らすのですよ。ですから当館では、そんな感情と雨のサンプルを保管し、展示しておるわけです」
「はあ……」
すがるようにウォルター先生を見上げると、彼は柚春を見て肩をすくめました。
にゃあ、ふにゃあ。白黒猫はの~んびり、大あくび。
突然のことでよくわかりませんけれど、どうやらこのアルクによって、奇妙な世界へ飛ばされてしまったようなのです。白黒猫の胸元には、茜色の宝石がきらりきらめいております。
カエルサンが言いました。
「さてさて、この狐雨は実にイイ。我々の肌になじみます。ニンゲンさん、貴女の感情がこの雨を降らせておるわけですな」
「僕の、感情?」
「ええ、見たところこれは……恋心の雨、でしょうかな。ほっほっほ」
柚春は思わず、耳やら頬やら赤くしました。普段から大好きな彼を目の前に想いを口にするわりに、誰かに指摘されるとなんだかはずかしい。照れくさかったりするのです。
ウォルターがふと、天井のない美術館の外、向こうの空へ眺めます。
「へえ、面白いねぇ。見てごらんよ。あっちの空には違う雨が降ってる。あっちも、あっちも、それぞれに違った雨模様だ」
「どれどれ……」
確かに、そう。空にぽっかりとまん丸の雲がいくつも浮かんで、局地的な雨を降らせています。そのいずれの降り方も、どうやら違っているようです。
「あちらの激しい雷雨の下にいらっしゃるのは、よほどに荒々しい気質のニンゲンなのでしょう。向こうの丘にはもうずいぶんと長いこと、淫雨が降り続いております。夫を亡くした妻が泣いているのだとか……いつか、晴れると良いのですがね。やあ、あそこには催花雨が降っておりますな。やがて紫陽花畑が色づくでしょう。これは楽しみだ」
カエルの説明に、柚春はまだきょとんとしておりましたけれど。
「……ヘンなところだね。アルク、どうして僕たちをここに連れてきたの?」
白黒猫はふにゃんと気の抜けた声を上げるばかり。
よければあたりを散策されてみては? とカエルが勧めてくれたので、ウォルター先生とふたり、雨の下を歩きます。傘はなくって濡れネズミ。けれどなんだか優しい雨粒に、悪い気はしません。
てこてこと軽やかに弾むアルクの後ろについていくうち、ようやく少し腑に落ちて、柚春はうなずきました。
「そっか。言われてみれば確かに、雨って人の思いに似ているのかも」
「ふむ。そのココロは?」
「愛が欲しくて願うけど、そのうち辛くなって、悲しくなって、泣いてしまう。でもあんまりたくさんの愛は、幸せだけど、溺れてしまうかもしれない。身動き取れなくなってしまうかも。でも、それを求めずにいられない。だからみんな……雨を乞う」
雨恋(あまごい)だね、とシャレを利かせると、ウォルターもくすりと笑ってくれました。
そこかしこで降り落ちる雨。
「……あ!」
そのうちのひとつがさあっと晴れて、後は七色、きらめく虹が橋をかけました。
「綺麗……」
「うん。本当に」
自然と隣、とりとめなく揺れる手を取り、しばし虹を眺めました……やさしい雨に打たれながら。
「あなたの狐雨を、保管させていただいてもよろしいですかな?」
カエルがそう言うのですけれど、柚春はなんだかおもはゆくて、再び顔を赤くしました。
「まあ、その。いいですけど」
「ありがとうございます! いやぁ、これは素敵な雨ですからな」
カエルのステッキが宙にくるりと円を描くと、ぱこん。金魚鉢みたいにまん丸く雨を切り取って、それを壁にはめこみました。柚春の狐雨も、美術館を飾る展示品のひとつになったようです。
アルクがにゃおんとひとつ鳴くと、胸元の茜色の宝石がまばゆい光を放ち始めます。
「おや、お帰りですか。楽しんでいただけましたかな? かなうならば、またのご来場をお待ちしております」
「あ……さよなら!」
光が強く、強くまぶしく広がって……ぱあっと晴れる頃には、ふたりの姿は見慣れた寝子島にありました。
さあ、さああ、と狐雨。
「……不思議だったね」
「でもまあ、楽しめたよぉ。キミのおかげかなぁ?」
変わらずのんびり、ふにふにと眠そうに喉を鳴らしたアルクはてくてく、気ままに去っていきます。
短くも濃密な旅を終えたふたり。ウォルターの持っていた折り畳み傘ひとつ。相合傘で、やわらかな雨を堪能しました。
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
のんびりアルク
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月11日
参加申し込みの期限
2023年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!