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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
のんびりアルク
【ふわふわ雲の世界】
（久しぶりだね、アルク。元気にしてた？）
小山内 海の言葉は声になりませんけれど、アルクにはなんとなーく伝わっているのか、ふにゃんごろごろ。だっこをせがむように喉を鳴らしました。
海は白黒毛並みをよっこいせと抱き上げると、あらためて周囲をぐるり眺めます。
（今回は、どんな世界かな？）
アルクとは不思議な世界、危険な世界、いろんな世界を冒険した仲。その旅のはじまりからおわりまで、海はいつも彼と共にありました。
そんな間柄ですもので、ぱちぱちぱちんと弾ける茜色の光に見慣れない場所へ飛ばされたとしても、そんなに驚くべき事態ってわけじゃあないのです。
海の目の前には、白い雲がもくもくもく。空は乳白色のマーブル模様で、青みがかっていたり赤くぼんやり光をはらんでいたり。パステルカラーの優しい色合いがどこまでも続きます。
（わ。ふわふわだ）
足元にも雲。海は雲の上に立っているのでした。
にゃあ、ふにゃ？ アルクが振り返ったほうを見てみますと、
「わ～あ～。お～きゃ～く～さ～ん～か～にゃ～？」
ふわふわふわん、ぽよぽよぽよん。跳ねるようにやってきたのは、一匹の猫……というにはちょっぴりおおきくて、ライオンみたいなにゃんこです。でかい！
巨猫も足元の雲みたいにふわふわしていて、まるで雲でできているかのよう。
「の～ってく～？」
うつぶせに寝そべると、お尻をふりふり。背中に乗せてくれるようですよ。
（いいの？ じゃあ）
遠慮がちにまたがると、雲猫はふにゃ～～～とあくびのようにひと鳴き。ふわふわふわん！
（浮いた！）
そのまま雲を飛び立ち、宙を漂い始めました。
「じゃ～あ～、い～く～にゃ～あ」
目指すは空のむこう、ひときわ大きくってふわふわしていて、カップケーキみたいなあの雲へ！
大きな大きなカップケーキ雲は、どうやらお城のようです。
「と～お～ちゃ～く～」
（ありがとう）
アルクを抱いたまま降り立つと、ふよんと足元が弾みました。
「あらあら～、珍しいお客さまね～」
雲の冠、雲のドレス。雲のお肌はすべすべふわふわ。にっこり笑顔まで、ふんわり浮かぶ雲のよう。
わらわらとやってきたのは、雲でできたさまざまな動物たち……それに、
「わたくし、雲の女王で～す。ちょうど～、お茶会の用意をしていたの～。ごいっしょしないかしら～？ もちろん～、猫ちゃんもね～」
にゃ～お！ 嬉しそうに鳴いたアルクの額をくりくり。海が深々と一礼すると、雲の女王さまは大きなお城の大きな食堂へ案内してくれました。よくよく見れば、お城の壁も天井も、床までも雲でできています。
「雲茶と雲ケーキを～、ど～ぞ♪」
（わあ、おいしそう！）
目を輝かせる海の目の前、雲のテーブルの上には赤いお茶に青いお茶、ピンクのお茶の揺れる透明なポット。カップケーキは紫に緑、オレンジに、いろんな色がまざり合った虹色も。全てがパステルカラーで、淡くてふわふわです。
海の瞳のように青いお茶をひと口。すっきりとした味わいで、口の中でほわわっととろけます。カップケーキのお味はこれが案外、濃厚な甘み。ふわっふわのもっちもち、べたつかず後味はまろやか。どちらも食べたことのない、新食感！
アルクには、小皿にたっぷりの雲ミルク。もう、夢中です。
「気に入って～、くれたかしら～？」
（はい、とっても）
笑顔でうなずくと、女王さまもほほほっとご満悦。
なごやかでふわふわなお茶会を、海も、それにアルクも堪能したようです。
雲のお城はあちこちの空を漂いながら、各地の雲を集めているのだとか。食べられる美味しい雲、硬くて建築にピッタリな雲、やわらかくしなやかでどんな形にも加工できる雲……ひとくちに雲と言ってもいろいろだそうでして。
そうそう……お城の中心には、海が旅のさなかに幾度も見てきた、あの茜色の宝石も目にすることができました。あの宝石の不思議な力のおかげで、雲をあれこれと活用できるのだそうです。
（大きなローシルティウムだ……でもこの世界は、アルクの宝石の中に保護されているんだから、滅んでしまうことはないよね？）
アルクの顔を覗き込んでみますけれど、のんきな黒白猫はおなかいっぱい、ふにぃと眠そうに海のほっぺたを舐めただけ。
「久しぶりのお客さまで、楽しかったわ～。ありがとうね～」
手を振ってお見送りまでしてくれる、雲のようにフットワークの軽い女王さまに笑みを返したら、海はふたたび大きな雲猫の背中へ乗って、ふわふわふわり。飛び立ちます。
「しゅ～っぱ～つ、し～ん～こ～にゃ～」
ふわふわふわん。ぽわぽわぽわわん。
（平和な世界で良かった。楽しかったなぁ。ね、アルク）
茜色の輝きがふたたびぱちりと弾けるまで、乳白色の世界を海とアルクはのんびりまったり、ふにゃ～んと心地よくたゆたいました。
（久しぶりだね、アルク。元気にしてた？）
小山内 海の言葉は声になりませんけれど、アルクにはなんとなーく伝わっているのか、ふにゃんごろごろ。だっこをせがむように喉を鳴らしました。
海は白黒毛並みをよっこいせと抱き上げると、あらためて周囲をぐるり眺めます。
（今回は、どんな世界かな？）
アルクとは不思議な世界、危険な世界、いろんな世界を冒険した仲。その旅のはじまりからおわりまで、海はいつも彼と共にありました。
そんな間柄ですもので、ぱちぱちぱちんと弾ける茜色の光に見慣れない場所へ飛ばされたとしても、そんなに驚くべき事態ってわけじゃあないのです。
海の目の前には、白い雲がもくもくもく。空は乳白色のマーブル模様で、青みがかっていたり赤くぼんやり光をはらんでいたり。パステルカラーの優しい色合いがどこまでも続きます。
（わ。ふわふわだ）
足元にも雲。海は雲の上に立っているのでした。
にゃあ、ふにゃ？ アルクが振り返ったほうを見てみますと、
「わ～あ～。お～きゃ～く～さ～ん～か～にゃ～？」
ふわふわふわん、ぽよぽよぽよん。跳ねるようにやってきたのは、一匹の猫……というにはちょっぴりおおきくて、ライオンみたいなにゃんこです。でかい！
巨猫も足元の雲みたいにふわふわしていて、まるで雲でできているかのよう。
「の～ってく～？」
うつぶせに寝そべると、お尻をふりふり。背中に乗せてくれるようですよ。
（いいの？ じゃあ）
遠慮がちにまたがると、雲猫はふにゃ～～～とあくびのようにひと鳴き。ふわふわふわん！
（浮いた！）
そのまま雲を飛び立ち、宙を漂い始めました。
「じゃ～あ～、い～く～にゃ～あ」
目指すは空のむこう、ひときわ大きくってふわふわしていて、カップケーキみたいなあの雲へ！
大きな大きなカップケーキ雲は、どうやらお城のようです。
「と～お～ちゃ～く～」
（ありがとう）
アルクを抱いたまま降り立つと、ふよんと足元が弾みました。
「あらあら～、珍しいお客さまね～」
雲の冠、雲のドレス。雲のお肌はすべすべふわふわ。にっこり笑顔まで、ふんわり浮かぶ雲のよう。
わらわらとやってきたのは、雲でできたさまざまな動物たち……それに、
「わたくし、雲の女王で～す。ちょうど～、お茶会の用意をしていたの～。ごいっしょしないかしら～？ もちろん～、猫ちゃんもね～」
にゃ～お！ 嬉しそうに鳴いたアルクの額をくりくり。海が深々と一礼すると、雲の女王さまは大きなお城の大きな食堂へ案内してくれました。よくよく見れば、お城の壁も天井も、床までも雲でできています。
「雲茶と雲ケーキを～、ど～ぞ♪」
（わあ、おいしそう！）
目を輝かせる海の目の前、雲のテーブルの上には赤いお茶に青いお茶、ピンクのお茶の揺れる透明なポット。カップケーキは紫に緑、オレンジに、いろんな色がまざり合った虹色も。全てがパステルカラーで、淡くてふわふわです。
海の瞳のように青いお茶をひと口。すっきりとした味わいで、口の中でほわわっととろけます。カップケーキのお味はこれが案外、濃厚な甘み。ふわっふわのもっちもち、べたつかず後味はまろやか。どちらも食べたことのない、新食感！
アルクには、小皿にたっぷりの雲ミルク。もう、夢中です。
「気に入って～、くれたかしら～？」
（はい、とっても）
笑顔でうなずくと、女王さまもほほほっとご満悦。
なごやかでふわふわなお茶会を、海も、それにアルクも堪能したようです。
雲のお城はあちこちの空を漂いながら、各地の雲を集めているのだとか。食べられる美味しい雲、硬くて建築にピッタリな雲、やわらかくしなやかでどんな形にも加工できる雲……ひとくちに雲と言ってもいろいろだそうでして。
そうそう……お城の中心には、海が旅のさなかに幾度も見てきた、あの茜色の宝石も目にすることができました。あの宝石の不思議な力のおかげで、雲をあれこれと活用できるのだそうです。
（大きなローシルティウムだ……でもこの世界は、アルクの宝石の中に保護されているんだから、滅んでしまうことはないよね？）
アルクの顔を覗き込んでみますけれど、のんきな黒白猫はおなかいっぱい、ふにぃと眠そうに海のほっぺたを舐めただけ。
「久しぶりのお客さまで、楽しかったわ～。ありがとうね～」
手を振ってお見送りまでしてくれる、雲のようにフットワークの軽い女王さまに笑みを返したら、海はふたたび大きな雲猫の背中へ乗って、ふわふわふわり。飛び立ちます。
「しゅ～っぱ～つ、し～ん～こ～にゃ～」
ふわふわふわん。ぽわぽわぽわわん。
（平和な世界で良かった。楽しかったなぁ。ね、アルク）
茜色の輝きがふたたびぱちりと弾けるまで、乳白色の世界を海とアルクはのんびりまったり、ふにゃ～んと心地よくたゆたいました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年06月11日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年06月18日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年06月18日 11時00分
