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君と繋がる縁を紡いで
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柚春の思った通りというかなんというか、ウォルターは冷静沈着だった。
食事の時に少しだけ地酒を飲んでいたけれど、当然ながら深酒はしないので余計なことは口に出さないし、気付けば明日の飛行機の手配も済ませていて。
そのあとは、部屋の露天風呂が気になっていた柚春に気を遣ってか、颯爽と外の大浴場へと赴いてしまったので、やっぱり悶々としているのは自分1人だけなのかと柚春は悩んでいたのだけれど――そんな風に見えていたとしたら、ただの年の功で虚勢を張ることに成功していただけである。
雪まじりの雨が、しっかり雪へと変わった。
大浴場にも風情が出てきたというのに、ウォルターはそれを楽しむ余裕もなく。
(明日の路面、大丈夫かなぁ)
などと、余裕綽々な大人の顔をして今夜の状況から逃避していた。
車には雪に備えた装備も積み込んでいるはずだが、慣れぬ道だしこれ以上の想定外は起こらないでほしい。
保護者として付き添って来たのに、安全に送り届けられないようでは彼女のご両親にも面目が立たないではないかと1人頷き、この状況をどう報告しようかと考えあぐねいていた。
もしかしたら既に、柚春から連絡が行っているだろうか。であれば、部屋に戻ってすぐにでも「お話があるみたいで」とスマホを差し出されるかもしれない。
断じて下心は無い。最良の手段を講じただけで、こうなるように仕向けたのでも無い。不可抗力だ。
ならば『絶対に』間違いがないと誓えるかと言われたら、人のすることに『絶対』なんて存在しないんですよと笑い返すことだろう。
現に日帰り旅行で計画しておいてこの有様だ。そして報告のできないようなことは数えだしたらキリが無い。
ここには止めてくれる有能なメイドもおらず、完全なオフ。自制を働かせようにも、大人だって非日常には抗えない力が生じるのだ。
それをなんとかするのが大人の仕事ではあるけれど、それを確約できるほどウォルターは聖人君子ではない。
「まあそっちは、場の空気がそうならないようにするとして」
今、1番に考えなければならないのは、部屋に戻るタイミング。
(遅すぎると電話が待ってそうだし、早いと……見えるんだよねぇ)
部屋から、風呂が。
柚春と全く同じとは言い切れないけれど、ウォルターも悶々とした時間を過ごしていた。
あとは寝るだけ。そう改まって思うと、何故だか沈黙が重くのしかかる気がした。
別におかしなことは無いはずなのに、「そろそろ寝ようか?」とか「電気を消しても?」なんて言うのが柚春にとっては気恥ずかしく、それを意識しているのが丸わかりだから、ウォルターも切り出し方に迷っていた。
それもこれも、ぴっちりと隣り合って敷かれた布団が悪いのだ。
男女2人ということで気を遣われたのだろうことはわかるけれど、何となく引き離すタイミングを失って今に至る。
かといって、このまま睨めっこを続けるわけにも、不自然に見たくも無いテレビをつけるわけにもいかない。
「あー……明日の飛行機はお昼の便だけど、寝過ごさないようにね」
今までだって、こういうことはあったじゃないか。柚春だけベッドに寝かせてウォルターはソファで眠ることを選んだときと同じように、残念がったとしても勢い良く布団を部屋の端まで移動させるべきだ。
毛嫌いをしているからじゃない、寧ろその逆で――。
「ワット」
考え込むウォルターへ、しなだれかかるように柚春は寄り添った。ぎゅうっと腕に抱きついて、「お願い」と呟く吐息の熱さに思わず息を飲む。
離れなくては。いつものようにダメだよと諭して、大人の顔をしなければ。
見慣れぬ土地とトラブルで不安になっているだけだ、寒さで人肌が恋しいのもあるかもしれない。それを過ちで解消しようなどと、させてはいけない。
勢いだけで身体を重ねようとする年若い連中とは違うのだと、ウォルターは冷静に対処しようとする。けれどそもそも、その考えが冷静ではなかった。
「寝付くまで、手を握っててくれないかな……?」
柚春の願いは、ささやかな物だった。
酔いが回るほどの酒は飲んでいないはずなのだが、思ったより強かったのだろうか。つい考えてしまったふしだらな展開に後ろめたくなり、ウォルターは柚春と距離を取ろうとする。
「本当に、それだけだからっ」
首を縦に振るまで離すまいと、力強く抱きつく柚春の肩は震えていた。
目も心なしか潤んでいて、泣くまいと堪えているのにどうして気付くのが遅れたのだろう。
「……大丈夫だよ」
彼女は、友人の回復を願ってここまできた。今はどうしてるとも知らず、どうなったと連絡を受け取ることも出来ず、ただ祈ることしかできない歯がゆさを抱えてやって来たのに。
ポンと背中を叩けば、小さな呻き声が聞こえる。
「頑張ったね」
2度、3度とあやすように叩けば、すぐにすすり泣く声に変わった。
柚春は身近な人を喪ったことがない。だから願いが届かなかったとき、誰かが本当にこの世から去ってしまうことになったとき、それがどれくらいの虚無感であるのか推し量ることができないでいる。
(友達、か)
丁度彼女と同じ年の頃、ウォルターは親友を喪った。それも、自分は庇われる形で生き残ってしまった。
そんな辛さを味わってほしくないけれど、信じれば叶うだなんて軽々しく言えない。
ただできるのは、彼女が泣き止むまで抱きしめることだけだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月28日
参加申し込みの期限
2023年09月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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