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君と繋がる縁を紡いで
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泣き疲れて眠ってしまったのだろうか。
次に柚春が目を開けたとき、目の前には2羽の素兎がいた。
「この子……」
1羽はお尻の辺りに止まっているテントウ虫をを追い払おうと躍起になっていて、もう1羽は四つ葉のクローバーを抱えて心配そうに柚春を覗き込んでいる。
「出雲大社にいた兎?」
古事記でも語られているように、大黒主は素兎を治療し助けた。その縁から境内には66羽もの素兎の石像があり、柚春はそのひとつひとつにも祈りを捧げたので覚えている。
「あなたたちみたいに、元気になってくれるかな」
特別、病弱にも見えなかった。どちらかというと天真爛漫で、看護師さんを振り回していたような子だ。
それでも、少し早めに顔を出そうかと病室を覗いたとき……きっと、1人でしかできない顔も見てしまって。
冗談半分に聞ければ、どれほど良かっただろう。
引っ越しが間近に迫ってなければ、どれだけの思い出を残せただろう。
「……どうしてる?」
今となっては、そんな問いかけすら出来ないけれど。生きていて欲しいと願ってもいいだろうか。
ただただ宣告された未来へ道のりは、絶望の中を歩くように辛いのかもしれない。それでも。
(生きてさえいてくれたら、誰かと縁は結べるんだ)
それは待ち望んだドナーであったり、お医者様だったり。彼を生涯支えることになるパートナーにだって。
例え忘れてしまうことがあっても、生きていれば「初めまして」は何回だってできる。
だから柚春は、何かの縁を犠牲にしなければならないのなら、自身が忘れられることを選んだ。何よりもそれを恐れているのに、差し出せるのはそれしかないと覚悟したのだから――泣いてなんて、いられない。
すくっと立ち上がった柚春は周囲を見回してみた。もしウォルターが近くにいたのなら、今度こそ彼との縁結びをと思ったけれど、どうやらそう都合良くはいかないらしい。
「あ」
代わりに、と言ったら失礼だけれど、現れたのは夢で見知った少年だった。
少し襟足の長い黒髪に切れ長の灰色の瞳。見た目だけはどんなアイドルにも負けないくらい満点なのに、口を開けば時折意地悪で……でも、揶揄われるのも満更じゃないかな~なんて思わせてしまう魅力を持った、名前も知らない不思議な男の子。
「ココには、センセーとのことを願いに来たかったんじゃないの」
心配と言うよりも、ニヤついた笑み。彼が浮かべたのは、まるで今日のアクシデントも知っていそうな顔だった。
夢の中とは言え、どうしてこういつも柚春のことに詳しいのだろうか。この顔に書いているとでもいうのかと両頬を押さえてみても、彼はクツクツと笑うばかりだ。
(ворにしか言ってないようなことだって気付くし――あれ?)
ピアスにネックレスと、いつもアクセサリーを多数付けていることが多い彼だけど、その中でも一際不自然な物が目に入った。彼には少し子供じみた、ニャンドのピンバッジだ。
「君も行ったの?」
つい最近、といってももうすぐひと月になろうか。ウォルターに告白をするんだと意気込んだ柚春は、デート先にニャンドを選んだ。そして、何かグッズでも身につけようかと手近なショップへ入ったときに、彼が身につけている物と同じピンバッジセットを見かけた。
基本的なデザインは揃えであるが色が異なっているそれは、柚春とウォルター、邸で待つメイド。それから、鞄の中で付き添ってくれているворの4人で持つのに丁度良いと思って購入を決めて。
「今ね、ворも君と同じ色のバッジをつけてるんだ」
「……ふぅん。それよりさ、そろそろ起きた方がいいんじゃない?」
おどけるような声音だったけれど、ふいっと鳥居を見上げられてしまい、柚春には彼の表情がわからない。
でも、確かにそうだ。だって今夜は……1人ではないのだから。
幸せを噛みしめながら、柚春は微睡みの中に溶けていく。目覚めて1番に「おはよう」と微笑みかけたい人を心に思い浮かべながら。
残された透破は、1人夢の中を散策していた。
柚春がしっかりと目覚めてしまえば消えてしまう世界だけれど、1日歩き通しだったのだから、もう暫く眠っていることだろう。
(起きたら起きたで、オタノシミってやつ?)
げんなりする。
玩具の身体は広縁に置かれた座椅子に、窓の外を眺めるような形で座らされている。2人の様子は見えないけれど、だからこそ気配が気になってしょうがない距離でもある。全部聞こえるし。
「嫌だなァ」
このまま見せつけられてしまうなら、どこかにふらりと出かけてしまおうか。
(……どうせなら、アイツに会えればいいのに)
柚春がオマエのせいで泣いてるぞって怒ることができたら。
幸せを壊すマネはしないだろうなと、詰め寄ることができたら。
「って、言わなくてもわかるか」
似ているというか、半身というか。特別な繋がりを持っていたからではなく、今でも間違いなく親友だから。
届かない手紙を送ろう。
――彼女の幸せを願っている、本当の小さき騎士へ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月28日
参加申し込みの期限
2023年09月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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