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暮れつつあるが雲は晴れ、太陽はむしろ真昼より勢いがあり、対峙するふたりを茜色に染めていた。
志桜里と寛美である。向かい合っている。中央に立つのは香蓮だ。
道場の中庭、当初畳敷きの鍛錬場を想定していたエキシビションマッチだが、「実戦指向のほうが榛耶らしいので」と志桜里が求め、寛美が応じたため舞台はここと決まった。
道場内にいた全員が、ぐるりこれを取り囲んでいる。
「日ごろ門下生からは黒夜叉呼ばわりされてましてね」志桜里の言葉は自慢ではない。むしろぼやきだ。「私といえば、月下に刀携えスカジャン靡(なび)かせみたいなイメージがあるそうです。正直、いくらなんでも怖がられすぎじゃないかと……」
と言う志桜里の実際は最前のラッシュガード姿ではあるものの、左手には南部鉄器製の籠手をつけている。光を反射せぬほど黒く、ゴツゴツと重そうな装備だ。
「ははは、月下にポン刀、そういうの似合いそうだよなあ」
こちらは寛美、本当に寝子高の体操着姿だった。襟ぐりが小豆色した白い上着、胸元には『詠』と縫い付けられている。寒い時期なのに半袖で、一着を使い回し使い回し着てきたのか校章のプリントは消えかかっている。小豆色のハーフパンツもボロボロだ。
「けど怖がられてるっつーよりは、あこがれられてるって感じだと思うぜ」
告げると、やろうかと言うかわりに寛美は膝を軽く曲げ、重心を低くするアップライトの構えをとった。両手はフリー。柔道のそれよりはブラジリアン柔術の構えに近い。組み合いと投げを基本にしつつも打撃技への反応も視野に入れている。そればかりか自身から打撃を放つ可能性も含み持つ。
相対する志桜里は左手を寛美の顎先の位置に下げ、右手を中段位置に留め置いた。両足を肩幅にひらき利き足は前、軽くステップを踏む。空手の基本立ちに近いが、必殺の左拳を前提とした攻撃的なファイティングポーズだ。
「はじめ!」
けっして大きくはない香蓮の声だったが、張り詰めた空気を裂く勢いに満ちていた。
中庭の土は湿っていて軟らかい。これを踏む寛美は裸足だ。一方で志桜里は、ハニカム構造の底面をもつキックボクサー仕様のシューズを履いている。
先に地を蹴ったのはシューズだった。
開始の合図と同時、砂を蹴り上げて寛美の顔面に浴びせる。
これが榛耶流、目潰しも立派な戦術。
とっさに顔をかばった寛美のボディに烈空、志桜里は左腕ずんと突き込むも籠手は空を切った。
見透かされていた――!
寛美は横に身をかわしている。そればかりか反動を利用し、志桜里の膝を蹴り上げたのだ。
竹の爆ぜるに似た音。
ダメージ目的の一撃ではない。体勢を崩すことが狙い。志桜里の堅固な筋肉は激しく揺れる。
「初手からえげつないことしてくれんじゃねーか! 気に入った!」
胸元に飛び込むや寛美は左右の拳を連打した。短距離からのラッシュ、進む歩幅も極小だ。詠春拳に近い。まるで音速、筋が見えず志桜里はたてつづけにこれを胸で受けた。倒れず踏みとどまって左手で防ぐが籠手越しでも骨が痺れるような鋭い打擲だ。一発二発はいいのをもらったと思う。
だが致命傷ではない。ウォーミングアップにちょうどいい程度だ。
やはり寛美さんの本領は投げのようで。
ぱっと距離を離すと再び構え、志桜里は唇を三日月型にゆがめた。
「えげつないのはお互い様。中庭を選んだ時点で読んでたんでしょう? 目潰し」
そうでなくては。
「まーな」
寛美が踏み出す。音を立てずやわらかに。野生の虎のように。
寛美の口から言葉にならぬ音が漏れた。
志桜里もまた、寛美との間合いを詰めたからだ。
相手は柔術家、身長差にリーチの差も充分とくれば、志桜里がアウトボクシング戦術でくるのは当然の流れといえた。すなわち徹底的に距離をとり、つかませず投げさせないよう試みるのである。ところが志桜里はあえてその逆、寛美にとって絶好の位置まで踏み込んだのだ。
虎穴に入らずんば虎児を得ず。
寛美さん、あなたの虎の子、引っ張り出してさしあげます。
あなたが虎なら私は龍
天高く舞い上がる
ride the wind
その風に乗る
頭にまた、即興の歌詞が浮かび上がった。
インファイト姿勢の志桜里を見て舐めやがってと思ったか、誘う気なら乗るまでと決意を固めたか、無言で寛美は身をかがめ腕を伸ばした。
志桜里は体を引いたが寛美は稲妻。迅(はや)い。
取った。
寛美の左手は志桜里の右襟だ。万力のような力で握りしめている。右腕を志桜里の右腋下に差し入れ背負い上げながらも右脚、棍棒のように振り志桜里の右脚を払い上げた。柔術でいう『山嵐』の動きだ。
芹香は思わず両の拳を握りしめ、香蓮も一瞬息を止めた。その場の誰もが同様だったろう。
志桜里の体が宙に舞う、かと見えた。
教科書に載せたいくらい完璧な体勢だったにもかかわらず、寛美の上体は崩れたのである。そのままどっと横倒しになる。
並の格闘家であればそのまま起き上がらなかっただろう。しかし寛美は耐えた。左手をついて立ち上がった。
寛美の左肩、体操服が渦を巻いたようになっている。局所的に強い力を受けたためなのは明白だった。
寸勁(すんけい)。またの名をワンインチパンチ。瞬間的な破壊力や効果を最大化し最小限の努力で一点集中の強烈な打撃を与える技術である。
「お前、その左手のやつ」ぺっと血の混じった唾を吐いて寛美は言った。「殴るためじゃなく、大技隠すためだったのかよ」
志桜里の左拳から篭手が消えていた。寸形の爆発力で砕け散っていたのだった。
「まあ、こちらもノーダメージとはいきませんでしたけども」
志桜里は左手をあげてみせた。籠手を粉砕するほどの威力ゆえ自身もただではすまなかった。派手に出血している。骨にヒビが入ったようで熱っぽい痛みもあった。
道場に怪鳥でも飛び込んだのかと思えた。
それほどの声を上げたのである。寛美が。
戦いの第二幕がひらく。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月19日
参加申し込みの期限
2023年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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