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外の世界は広くて、人も沢山いて、そのほとんどが未知のものだった。
暖かく返事してくれる家族とはちがう。誰もがだ。
しゃべった声が届かないことがあった。先のたとえで言えば、壁に投げたつもりのボールが海原に飛んでいき、そのまま消えてしまったような。
そればかりではない。
返事があったとしても、おざなりで冷たい視線まじりであったり、よく聞かず生返事だったり、そればかりか勘ちがいされたりもした。聞いていないふりをされることも少なくなかった。現代風にいえばディスコミュニケーションということになろうか。
小学一年生の時期などそんなものかもしれない。けれどいつのまにかラッセルは『口下手』というカテゴリーに押し込められ、見えない木の札を首からさげさせられているように感じていた。
ラッセルに加えられた苦痛はこれにとどまらない。日本において多様性をいちはやく実現した寝子島とはちがって、ラッセルの育った地域では金髪碧眼の少年は珍しかった。多少なりともポライトな人は彼を外国人と呼んだかもしれないが、もっとストレートにガイジンと呼ぶ者も少なくなかった。子どもはとくにそうである。流行っていたテレビ番組にかけて「ユーは何しにJAPANへ!?」などとからかわれたことは一度や二度ではない。今でこそそんな意味合いはないと理解はしているが、「ハーフ」と説明するのも当初はしっくりこなかった。なぜ『半分(half)』なのだろう。カロリーハーフを謳うマーガリンやマヨネーズになった気がした。
いつしかラッセルは気配を殺して生きるようになり、教室では片隅が定位置に、登下校は一番遅い時間帯が日常になった。野生のうさぎのように視線に怯え、注目を恐れた。
五月に入るころには声がでなくなっていた。
でない。
声がでない。外では、まったく。
授業中指名されたとき、氷柱になったように凍り付いた。
あるとき担任教師は、根比べするように押し黙ってラッセルの発言を待った。けれど硬直が授業が終わるまでつづいただけだった。
でも、しゃべれなくても人が好きだ。聞いてるだけだけど一緒にいるのが好きなんだ。
独(ひと)りは寂しい。
長じるに従い、低学年のような露骨なからかいはラッセルの周辺からなくなった。かわりに訪れたのは、配慮だった。クラスメイトたちはラッセルにかかわらなくなったのである。悪意でそうしているのではなく避けているのでもなく、きっとそのほうが本人の好みだと信じて。
毎日が恐怖であった時代から毎日が苦悩である時代へ。話したくても話せず、発言の機会があっても止まってしまい。なにか言いかけても舌にブレーキがかかってしまう。そうしてますます、周囲はラッセルに配慮する。入学当初のように攻撃を受けているわけではない。むしろ善意が根底にある。だがある意味攻撃より苛烈だ。存在していないようにみなされるのだから。それも、わざわざ気を遣(つか)ってもらって。
無口だからそっとしておこう、が堪える。
笑顔になれなくてごめん――怖くて表情が動かないんだ。
優しくされたのにお礼言えなくてごめん――いつも心の中でお礼を言い謝ってる。
まちがいを教えられなくてごめん――回避できたのに俺のせいだ。
こんな俺に話しかけてくれてごめん――返せないのがつらい。
意気地なし、といわれてもおかしくない。幸いなことに耳には届かなかったけど。
何で声がでないんだろう。
寂しそうな顔をされたり、授業でもやはり言葉に詰まり「もういいですよ」と言われる、自己嫌悪の日々だった。
ラッセルが停止してしまうのはやはり外に限られた。帰宅するとたちまち制限が解除され、解放されたように声も出るし困ることがない。
いつまでこうなんだ。
当時ラッセルが自分に投げつづけていた問いだ。
この症状を場面緘黙(かんもく)という名がついているとラッセルが知ったのは、もっとずっと後のことである。知っていれば心療内科なりカウンセラーにかかって治療をはじめていたかもしれない。けれど『もしも』に過剰な期待を寄せるのもまたまちがいだ。知ったところで動くに動けず、黒く冷たい悩みの沼に沈んでいただけかもしれない。
何年も無口、正確には無口と思われる身としてすごしてあきらめつつあった折、転機が訪れた。
名は海道 千里(かいどう せんり)、小学校も高学年になったとき、ラッセルと同じクラスになった少年だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年05月07日
参加申し込みの期限
2023年05月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年05月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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