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とぷりと足を踏み入れたのは、浅い水たまりだったように思う。
ジーンズに跳ねそうな勢いで走っていたわけでもない。なのに何故か、
鴻上 彰尋
は身の丈ほど大きなウォータークラウンに包まれていた。
(時間が止まってる?)
一瞬しか見られないはずのこれを、ゆっくり視認できている。どころか形を維持しているということは、普通ではない現象が起きているということ。
先に見た夢とも合わさって、彰尋は容易に想像がついた。
(雨水、静止……いろんなイメージがあるけど、おそらく会えるのは)
濃青色の瞳を持つ猫神様が近くにいるはず。
高いところから低いところまで、くまなく探すのは猫の姿。なんとなく、このウォータークラウンの中心から動いてしまえば空間が崩れ去ってしまうような気がして、彰尋は軸足を決めて前に後ろにと確認した。
「そこですか? 濃青色の瞳の猫神様……ですよね」
彰尋が怪しいと睨んだのは、ウォータークラウンの先端のひとつ。他と変わらぬようでいて、小さく動いた気配がした。
もぞりと先端が動き、ぴょこりと水球に耳が生え。丸まっていた身体を伸ばすように形を変えると、水球は次第にしっかりと猫の姿となって、濃青色の瞳が現れた。
「それで、私に何かご用かな」
「本当の思いを、届けたい人がいるんじゃないかって」
ぴくりと耳を動かして、猫神はじぃっと彰尋を観察した。その威圧感に、最初こそ直球過ぎたかと緊張した彰尋だけれど、猫神は声を張り上げることも、わかりやすく怒りを露わにすることもなかった。
「ふむ……面白いことを言う。なら、文に入れる香木か花でも持ってきたのかい?」
「いえ、物を売りに来たわけじゃ……! その、夢を見たものだから」
「……放っておくこともできただろうに」
興味深そうに彰尋を見る瞳は、非難しているわけではない。
ただ好んで他人の世話を焼こうとする彰尋が不思議だと、そう言っているようだった。
「猫神様たちの60年、天女様の60年。それぞれの感じ方は俺たちとも違うかもしれない」
伝承として残っているほど長く生きる彼らなら、人間と時間感覚はズレているだろう。だからといって、猫神と天女が同じ感覚だという保証などどこにもないのだ。
それは、人間だってそう。同じ24時間を与えられているはずなのに、ある人にとっては数日が短く、ある人にとっては数日が長く感じてしまうのだから、考え方や思いの強さによって違うことはありえると思う。
すれ違いとは、本人の気付いていない小さな歪みから生まれてしまうのではないかと、彰尋は天女の涙を思い返した。
「たとえ君たちが会えなくても、『とわのあい』を彼女に思っていたとしても。その想いが彼女に伝わらなければ……届かなかったら、その想いは無い事になってしまう」
だから呼ばれたのではないか。
届けたくてもどうしようもなくて、会いたいけど我慢するしかないような。落ち着いたイメージのある青は哀しみのイメージも持つため、青濃色の瞳の猫神は何かを押し殺しているのではないかと、彰尋は考えた。
「それなら俺は、この手を貸すから」
するすると喋ってしまうのは、猫神に大人と接するような安心感があるからだろうか。荒くれ者だったという伝承がある猫神だけれど、落ち着いた様子からは想像も付かない。
これであれば話も通じそうだ。彰尋は出来ることを懸命に提案する。伝言を預かればいいのか、それとも別の何かを届ければいいのか。二の足を踏んでいる場所があるなら、抱きかかえて走ることだって出来る。
彰尋からの真っ直ぐな思いを受け止めきれず、猫神は目を逸らした。
「若者のようには難しいよ。大人には大人のやり方が――」
「大人だから、なんて都合のいい言い訳だ。寂しいと思うことは悪いことじゃないし、必要以上の我慢だってすることはない」
何かあれば飲み込んでしまうことも、相手を思うからこそ引いてみることも、彰尋にはわかる。わかるからこそ、勇気は失わないで欲しかった。
自分から踏み出せなくても、心の底までは誤魔化さないで欲しい。今までがそうだったからと、希望を捨てないでほしい。
「あの気持ちが、夢で知らせてくれた想いが本当なら……天女に届ける手伝いをさせてくれませんか」
「やれやれ……人間の願いを叶えることには慣れていたんだがね」
そこに損得など考えずに、他人の幸せを願える。そうした思いの力は、人も神も関係なく動かせる物があるのだろう。
猫神が空へ鳴く。何度も何度も、切なく甘く鳴き声をあげる。
ぱしゃりとウォータークラウンがなくなり、酷かった雨は霧雨に変わって。
「虹……」
沈んだ空気が前向きになったとき、1人の少女が近づいてきた。
夢で見たとおりの雪のように輝く髪。涙を堪えて猫神を睨み付ける様子からも、きっと天女なのだろう。
ここから先の時間には、もう手伝いは必要なさそうだ。
おずおずと2人がある程度距離を詰めるのを見守って、彰尋はそっと傘で視界を隠して立ち去った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月28日
参加申し込みの期限
2023年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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