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声は、本当に届かないだろうか。
荒れ狂う雨の中で、
綾辻 綾花
は必死に叫んだ。
「『わからずや』って言うだけじゃなくて、行動で伝えてみませんか!」
待ってる言葉は、待っているだけでは聞こえてこない。行動を起こさないと伝わらない想いがあると実感しているからこそ、天女に伝えてあげたかった。
「猫神様は、きっと…………きゃあっ!」
雷が落ちる。辺りは真っ白な光りに包まれて、天女の影が逆光となって浮かび上がった。
――それは、あなたが愛されているからでしょう?
弱々しく呟いた天女の声が、染み入るように頭に響く。
深い悲しみが自分のことのように心を震わせ、綾花はそっと……目を閉じた。
声が聞こえる。
綾花を呼ぶ、悲痛な声。大事なだいじな、
早川 珪
の声だ。
「……珪、さん?」
「良かった……っ! ずっと気を失っていたんだよ」
次に綾花が目を開いたときには、嵐の面影はどこにもなかった。それどころか冬の気配までなく、春が間近に迫ったように温かなエノコロ岬でうたた寝でもしていたかのようだ。
きょろりと周囲を見回して、綾花は状況を確認する。直感的に、今いるここが作られた世界なのだろうと思った。でも、未だ不安げに顔を覗き込んでくる珪は、間違いなく本物だ。
何度となく彼と似た存在も見てきたけれど、好きな人を見まがうほど綾花も盲目な恋はしていない。
「心配かけてすみません、もう大丈夫です」
元気に笑って立ち上がると、珪は幾分か表情を和らげはするものの、倒れないように支える腕は解こうとしない。その優しさが珪だなと思う。だけど、願望かなとも少し思う。
「珪さんは、猫神様の気持ちがわかりますか?」
2人は同じ夢を見た。『ひと』である珪も見たということは、かなりメッセージ性の強い物なのだろうか。もしくは解決したら……忘れてしまうのかもしれないけれど、綾花には猫神と天女を放っておくことはできない。
「彼らと腹を割って話したわけじゃないけど……やっぱり、素直でありたくても本音と建て前は生まれてしまうものじゃないかな」
包み隠さず言えることが、必ずしも美徳とならないように。
余計なことを言わないようにと言葉を選び、大事なことまで抜け落ちてしまうように。
想い合うからこそすれ違ってしまうと言うのは、珪にも覚えがあるらしい。
「なら、あのメッセージは間違っていませんよね?」
「多分ね。言えないからこそ、ああやって秘めていたんだと思うよ」
夢の情報を元に2人で考え、導き出した答えは『とわのあい』だった。おそらく猫神様から天女への気持ち。
……天女に聞き入れてもらえなかったけれど、この解釈に間違いはないはずだ。
(どうして、あんなに怒ってしまったのかな)
猫神様を信じられないのだろうか。それとも自信が無いのだろうか。
確かに遠回しなように感じるが、羨ましいくらいに愛されていると思うのに。
「ん?」
見上げた先に珪がいる。好きな人とこうして寄り添えることは嬉しいと思うけれど、内心は複雑だ。
実際のところ、綾花から珪に気持ちは遠回しに伝えたが返事は曖昧で、彼は明確にどう思っているか言葉に表してくれたことはない。
僅かでも距離を縮められていたらいいなと思う。でもそれは、一方的に詰めるものではない……とも思う。
「珪さん」
カラランと鐘の音が聞こえる。
永遠の祝福をもたらすと言われる猫恋の鐘を一緒に鳴らしたとき、珪は「本との縁があるように」と願ったようだけど――決して、鐘について何も知らないわけではなさそうだった。
期待してしまう。だって、彼は。
「私の気持ちは預かってもらってるけど、珪さんの気持ちは卒業まで預かれないんですか?」
あの日に提出出来なかった、綾花だけが記入した恋人宣誓書。『今は』書くことが出来ないと言った彼は、綾花に何ひとつ気持ちを見せぬまま、宣誓書を預かると持ち帰った。
まだ綾花は、正面から想いを伝えることは叶わない。でも彼は違う。『ごめんね』というつもりならば、いつだって言えるはずなのだ。
(聞きたい言葉は、それじゃないけれど。でも)
何も言ってくれないのは、タイミングを待つ必要がある言葉をくれると思っていていいのだろうか。
このドキドキしてばかりの不安定な形状の恋は、何かもっと大きく包み込めるような、小さくとも強くあれるような、大事な物に2人で育めていけるのだろうか。
下手に遇っても見抜かれてしまいそうなほど、綾花はじっと珪を見つめている。だから珪は、困ったように笑いそうになるのをやめて――額を合わせて優しく微笑んだ。
「まずは見せる勇気を僕が持つところからかな」
ずるい。こんな風に言われれば、珪の気持ちが気になるとせっつくことなどできない。
でもこれが珪の本音だと言うならば、綾花には心を大らかにして待っているほかないだろう。
「あ……!」
ふと、最後に聞こえた天女の言葉を思い返し、彼女の機嫌を損ねた理由に思い当たった。
天女はこの60年、その前から数えたら気が遠くなるような長い間、猫神には会えていない。そんな中、親密そうな2人が訪れたらどう思うだろう。
(仲良く、見えたのかな)
少なくとも天女から見て、珪から『愛されている』ように見えたなら嬉しい。でもその答えは桜の季節が終わるまで、もしくは珪が勇気を持つまでの間はおあずけだ。
「珪さん、少し天女と女性同士のお話があるので待っていてくれませんか?」
今度は間違えず、機嫌を損ねず伝えたい。
そして彼女の気が晴れたら。彼女の幸せな姿を見ることができたなら。
――私もいつか珪さんと愛を育めたらいいな。
そう伝えてやるのだと心に決めて、綾花は幸せそうに微笑んで見せた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月28日
参加申し込みの期限
2023年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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