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【エイプリルフール】『幻』の江ノ島へ！
●あおいのブロマイドが
「ふうっ……はぁっ……誰だこんな場所に出店決めたのは」
決死の崖降下でやってきた八神 修は、店に来た時すでに息も絶え絶えであった。
きょろきょろと店内を見回して、店長と札を下げたののこを発見！
「野々かっ！ クッ……納得だ」
「納得するんですね」
バイトの想花は思わずツッコむ。
「あ、遅ればせながらいらっしゃいませ」
一応接客スマイルをする想花。
崖下にも関わらず次から次へとよく客がくるものだ。
修は崖降下で乱れた呼吸を整えて、想花に尋ねた。
「ここは……寝子島グッズの店か？」
「はい。どうぞごゆっくり御覧ください」
「うん、そうさせてもらうよ」
店内には１００を超える寝子島グッズがずらりと並んでいる。
オーソドックスなところだと、マンボウくんやサンマさん関係のグッズだとか。
「神魂のせい」と書かれたＴシャツだとか。
ぽにょにょんののこゼリー（１２個入り） だとか。
「お、海原先輩愛読のガイドブック『おちこぼれ姫』シリーズも売ってるじゃないか。ええと隣は……」
そこで修はぴたりと足を止め、突如叫んだ。
「こ、これはっ！」
「どうしたの？」
びっくりして、ののこ店長が駆けつけてくる。
「どうしたの？ じゃないっ！ どうやって作っ……」
修の手が震えている。
「本人に許可とかは！」
「へ？」
「売れたりは？」
「いや、まだだけど……」
「ならいい」
「ほんと、どうしちゃったの修くん。すごい汗だけど」
「なんでもない……動悸が一寸な」
七夜あおいブロマイドセット（ランダム７枚入り） ／ 1,500円
（その圧倒的存在感……全俺が奮える！！！！）
「修くん、本当に大丈……」
ののこが心底心配そうな顔になったその刹那。
修の漢気がさく裂した！
「これを買おう！」
「へ？」
「全部だ！」
「ぜ、全部？」
「そ、全部！ 全てだ！！ みんなだ！！！ ひとつ残らずだ！！！！」
「本気で？」
「あおいの写真だ。ほしいに決まっている。けどそれ以上にこういうのって本人がどう思うかなんだ恥ずかしがるだろう嫌かもしれない誰が持つか分からないんだからな」
早口でまくし立てる修に気おされ、さすがのののこもたじろぎつつ想花を呼んだ。
「わ。わかったよ……想花ちゃーん」
「はい」
「店にあるブロマイドセットぜーんぶお買い上げだって」
「全部、ですか？」
想花も唖然として修を見つめる。
修はシックでブラックなカードをビシ、と出した。
「カード一括で！ 発送よろしくな！」
「か、かしこまりました。レジへどうぞ」
かしこまってはみたが……。
（寝子島に発送ってどうやるんだろう……クロ〇コヤマトならぬ、ハイネコテオ便とか……？）
ともかく、想花はすべてのブロマイドを箱に詰めた。
支払いを済ませ、修の鼓動はようやく落ち着いてくる。
お客様に失礼と知りつつ、想花はつい尋ねてしまった。
「あのう……この大量のブロマイド、どうするんですか」
「流通は阻止した。どうするかは本人と相談したいんだ」
なるほど、と思ったそのときである。華やぐような七夜 あおいの声が響いたのは。
「あれ？ 修くん？」
「え、あ、あおい！？」
振り向いた修の、仰天した顔と言ったら。
「あおいも来てたんだな」
「うん。ののこちゃんに誘われて」
「これ、どうしようか？」
修が指差したのは箱一杯に詰められた『七夜あおいブロマイドセット』の山。
「え、わ！ やだ！ だめだめ、捨ててーーーっ！」
「わかった。そうするよ」
マジで！？
驚愕して目を剥いたのは、ののこと想花である。
かなりの高額支払いのあと、全部捨てるとおっしゃいますか！
（本当に！？）
（１枚も持ち帰らなくていいの、修さん！？）
いや、いいのである。
それが修の漢気なのである。
後腐れなくブロマイドの廃棄を決めた後、修はあおいと楽しく買い物をした。
各種ぬいぐるみ、永田先生のパイプにキーホルダー、焼きそばパン、ビール……。
修が店を去ったあと、ののこ店長はにっこにこだった。
「想花ちゃん接客ありがとー。クレジット対応の機械、入れといて良かったー」
「お金持ちって、すごいね……いや、そんなことよりののこ店長すこしは手伝ってくださいよ」
また客がやってくる。
崖下にもかかわらず、意外に人が来るのでおちおち休んでもいられない。
でもこの忙しさのほうがいいかもしれない。
なぜなら。
（そのほうが滴さんのことと、過去の忌まわしい記憶を忘れられるから──）
「わーっ。ぬいぐるみ落っことしてがちゃがちゃになっちゃったー！ 想花ちゃん助けてー」
「はいはい」
ののこのフォローのほうが、接客より忙しいかもしれないな……。
そんなことを思う想花であった。
「ふうっ……はぁっ……誰だこんな場所に出店決めたのは」
決死の崖降下でやってきた八神 修は、店に来た時すでに息も絶え絶えであった。
きょろきょろと店内を見回して、店長と札を下げたののこを発見！
「野々かっ！ クッ……納得だ」
「納得するんですね」
バイトの想花は思わずツッコむ。
「あ、遅ればせながらいらっしゃいませ」
一応接客スマイルをする想花。
崖下にも関わらず次から次へとよく客がくるものだ。
修は崖降下で乱れた呼吸を整えて、想花に尋ねた。
「ここは……寝子島グッズの店か？」
「はい。どうぞごゆっくり御覧ください」
「うん、そうさせてもらうよ」
店内には１００を超える寝子島グッズがずらりと並んでいる。
オーソドックスなところだと、マンボウくんやサンマさん関係のグッズだとか。
「神魂のせい」と書かれたＴシャツだとか。
ぽにょにょんののこゼリー（１２個入り） だとか。
「お、海原先輩愛読のガイドブック『おちこぼれ姫』シリーズも売ってるじゃないか。ええと隣は……」
そこで修はぴたりと足を止め、突如叫んだ。
「こ、これはっ！」
「どうしたの？」
びっくりして、ののこ店長が駆けつけてくる。
「どうしたの？ じゃないっ！ どうやって作っ……」
修の手が震えている。
「本人に許可とかは！」
「へ？」
「売れたりは？」
「いや、まだだけど……」
「ならいい」
「ほんと、どうしちゃったの修くん。すごい汗だけど」
「なんでもない……動悸が一寸な」
（その圧倒的存在感……全俺が奮える！！！！）
「修くん、本当に大丈……」
ののこが心底心配そうな顔になったその刹那。
修の漢気がさく裂した！
「これを買おう！」
「へ？」
「全部だ！」
「ぜ、全部？」
「そ、全部！ 全てだ！！ みんなだ！！！ ひとつ残らずだ！！！！」
「本気で？」
「あおいの写真だ。ほしいに決まっている。けどそれ以上にこういうのって本人がどう思うかなんだ恥ずかしがるだろう嫌かもしれない誰が持つか分からないんだからな」
早口でまくし立てる修に気おされ、さすがのののこもたじろぎつつ想花を呼んだ。
「わ。わかったよ……想花ちゃーん」
「はい」
「店にあるブロマイドセットぜーんぶお買い上げだって」
「全部、ですか？」
想花も唖然として修を見つめる。
修はシックでブラックなカードをビシ、と出した。
「カード一括で！ 発送よろしくな！」
「か、かしこまりました。レジへどうぞ」
かしこまってはみたが……。
（寝子島に発送ってどうやるんだろう……クロ〇コヤマトならぬ、ハイネコテオ便とか……？）
ともかく、想花はすべてのブロマイドを箱に詰めた。
支払いを済ませ、修の鼓動はようやく落ち着いてくる。
お客様に失礼と知りつつ、想花はつい尋ねてしまった。
「あのう……この大量のブロマイド、どうするんですか」
「流通は阻止した。どうするかは本人と相談したいんだ」
なるほど、と思ったそのときである。華やぐような七夜 あおいの声が響いたのは。
「あれ？ 修くん？」
「え、あ、あおい！？」
振り向いた修の、仰天した顔と言ったら。
「あおいも来てたんだな」
「うん。ののこちゃんに誘われて」
「これ、どうしようか？」
修が指差したのは箱一杯に詰められた『七夜あおいブロマイドセット』の山。
「え、わ！ やだ！ だめだめ、捨ててーーーっ！」
「わかった。そうするよ」
マジで！？
驚愕して目を剥いたのは、ののこと想花である。
かなりの高額支払いのあと、全部捨てるとおっしゃいますか！
（本当に！？）
（１枚も持ち帰らなくていいの、修さん！？）
いや、いいのである。
それが修の漢気なのである。
後腐れなくブロマイドの廃棄を決めた後、修はあおいと楽しく買い物をした。
各種ぬいぐるみ、永田先生のパイプにキーホルダー、焼きそばパン、ビール……。
修が店を去ったあと、ののこ店長はにっこにこだった。
「想花ちゃん接客ありがとー。クレジット対応の機械、入れといて良かったー」
「お金持ちって、すごいね……いや、そんなことよりののこ店長すこしは手伝ってくださいよ」
また客がやってくる。
崖下にもかかわらず、意外に人が来るのでおちおち休んでもいられない。
でもこの忙しさのほうがいいかもしれない。
なぜなら。
（そのほうが滴さんのことと、過去の忌まわしい記憶を忘れられるから──）
「わーっ。ぬいぐるみ落っことしてがちゃがちゃになっちゃったー！ 想花ちゃん助けてー」
「はいはい」
ののこのフォローのほうが、接客より忙しいかもしれないな……。
そんなことを思う想花であった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年04月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年04月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年04月08日 11時00分
