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GOOD BYE YESTERDAY
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平日であってもお昼のコアタイムはさすがに忙しい。バタバタとランチを提供しているだけで時間は飛ぶように過ぎる。天気のいい日には行列ができることもあるくらいなのだ。今日も見事な秋晴れだった。
一段落して見回せば昼過ぎ、ちょうど客はゼロになっていた。
「アリスちゃん休憩にするー?」
清子が言ったところでカランコロンとカウベルが鳴った。
「はいー、お店まだやってますかー?」
のっそりと入ってきたのは大柄な初老の男性だった。まん丸な体型、真っ白な髪、眉毛も真っ白で分厚くて、目が全部隠れてしまっている。グレート・ピレニーズというのだったか、白くてモフモフの大型犬を思わせる姿だ。
「あー眉毛のデカサン」
お久しぶりデスーと言うアリスは言う。
「デカサン?」
問い返す清子にふおふおふおとデカサンは笑った。
「刑事(デカ)さんということですよー。つまり警察。あ、ご心配なく今日はお客さんとして来ただけですからー」
なかなかランチの時間が取れなくてとかなんとか言いながら、寝子島署の老刑事
吐前 亀二郎
は案内も受けずにテーブル席についた。
奥の席、壁側に背を向けて座る。入り口はもちろん厨房を含めた店全体が見渡せる席だ。
メニューを取って眺めつつ、
「先日の健康診断、結果が悪くてですねぇ。要再検診が三つもついちゃいましたよ、はいー」
などと亀二郎はぼやいている。
「カロリー的に軽いカレーはどれになるでしょうかねぇ」
水をテーブルに置いてアリスは「だったら、野菜とアサリ入りなんてでどうデス?」と提案する。
「そうしましょう。アリちゃんが推薦してくれるならまちがいなさそうだ」
アリちゃん?
わざわざ『ス』を抜いて愛称化する老刑事のセンスがいまいち理解できない。それに、
「ワタシの推薦ならまちがいないってなぜ思ウデス?」
「アリちゃんのいた国は浅蜊(アサリ)貝の大輸出国だ。そりゃあまちがいないでしょうよ。はいー」
眉毛のデカサン……やっぱりちょっと怖いヨ。
アリスは彼に密入国者であることは明かしていたが、それまでどこに住んでいたかまでは言っていないはずだった。
にこにこしているものの亀二郎は鋭い。しかもその鋭さを、こちらが油断しているタイミングでいきなり突き出してくる。
しかし亀二郎は得意そうな顔などせずやはり大型犬の雰囲気のまま「じゃあそのカレーライス。大盛りで」と言ったのだった。
「カロリー気にしてても大盛りにしたら一緒ヨ?」
「はいー、面目ない。でもここの並だと私にはちょっと物足りないんですよねえ、はいー」
タハハと亀二郎は苦笑いするのである。
ということはこの店に来るのははじめてではないネ?
だとすれば彼の先ほどの「お店まだやってますかー?」という発言も疑わしくなってくる。ひょっとしたら亀二郎はわざと空いている(他の客がゼロになる)タイミングをはかってやってきたのかもしれなかった。
いけない、あんまり疑い深くなっちゃダメデスネ。
アリスは大きな声でオーダーを厨房に告げた。
やってきたカレーをペロリと平らげ、「水おかわりお願いしますー」と亀二郎は告げた。
「ハイデス」
「アリちゃん、ちょっと座りませんか? 話をしましょう」
「テーブルにご指名デス?」
「あっはっはこれは一本取られた。『プロムナード』ではなかったですねえ。じゃあ指名料は払えませんが、実はねえ」
釣り込まれるようにしてアリスは亀二郎の正面に座った。亀二郎は咳払いして軽く体を傾けた。(おそらく視線上のアリスを避け、店の入り口が見える位置に移動した)
「以前、『プロムナード』でお会いした後でいろいろ調べてみました」
世間話みたいに言っているが、彼の口調はほんのりと変わっている。
「当時、マスコミを騒がせていた宗教法人がありましてね」
語尾につける「はいー」という口癖も消えた。
●
ちらりと亀二郎の眼差しが眉の下からのぞいた。険しい。
「何でもその宗教法人、『巫女はこの地に戻られた』とか派手に喧伝してるようで」
しかし眼光はまるで雨の夜の月のように、次の瞬間にはまた隠れている。
「しばらくはあなた、身を隠した方がいいかもしれませんよ」
刑事の口調はずっと穏やかで、一年生に話しかける小学校長のようだ。それだけにアリスは、彼の発言内容が嘘でも冗談でもないと理解している。
「連中はテロ集団です。信者から多くの献金を集め、与党やその補完政党の政治家を抱き込んで平和団体を称していますが、多数の暴力事件、行方不明者に深く関与している疑いがある。あまり知られていませんが、先日も団体の批判本を書いていたジャーナリストが消息を絶ちました」
あ、これ警察の公式見解じゃなくてあくまで私、吐前個人の見解ですからねえとわずかに口調を緩めて、
「もちろん警察も十分警戒しますが。アリスさん、くれぐれもお気をつけなさい。漫画みたいな話ですが、あいつら傭兵上がりの実行部隊までかかえてるって情報もありましてね。ああ、これはオフレコで」
とまでほぼ一気に語って刑事はテーブルの水を飲んだのである。
もちろんアリスは冷静ではいられない。
「そんな、ホントデスカ!?」
頭がパニックである。
さもあろう。過去の亡霊がよみがえり、骨張った手で扉をノックしているようなものなのだから。
亀二郎は深々と息を吐き出す。背中が丸い。ずっとひょうひょうとしていた彼がはじめて見せる哀しげな姿だった。
「言いづらいのですが、あなたの件は……既に国内法では時効が成立しています」
亀二郎は椅子から降りた。床に正座する。
「いまさらですが、当時、連中をアゲられなかった我々の責任です。本当に、申し訳ない」
アリスは目を見張った。亀二郎が土下座したのだった。予想外すぎる行動だ。
「そんなことしなくていいデス。デカさん、悪いのはアナタだけじゃナイヨ?」
アリスは彼の肩に手を触れ椅子に座り直させた。
「でも、ことは深刻ね」
「清子!?」
いつのまにか清子が厨房から出ており、腕組みしてアリスの横に立っていた。三角巾こそ解いていたが『テイスト・オブ・インディア』のエプロンは巻いたままなのでおかしみはある。けれども清子の表情はまったくもってゆるふわではなかった。
「ごめんね。立ち聞きしちゃった」と断って清子は言った。「私、アリスちゃんの事情を全部知ってるわけじゃないけど、ある程度はわかってる。とある新興宗教団に利用され捨てられたってことくらいまではね」
「そうだヨ」
力なくアリスは応じた。
「つまりこういうことでしょ? 教団はアリスちゃんが日本に戻ってきたことを知って、またアリスちゃんを利用しようとしてるって」
アリスは否定できない。ため息とともに言う。
「とにかく……昨日までの、平和な日常とは、good byeになりそうネ」
「居場所まで特定されてるかもよぉ。アリスちゃん、恋々さん家(ち)から移ったほうがいいかも」
もう今日は仕事あがってくれていいから、と清子は告げた。こういうとき、本当に清子は決断が早い。
「帰って引っ越しの準備をなさい。恋々さんまだ出勤前だし協力してくれるわ」
アリスも理解していた。期せずして、小半時ほど前に思い悩んでいた住居問題の結論を迫られる状況となったわけだ。引っ越しといってもアリスの場合、着替えが少々あるくらいなので簡単だ。しかし、
「デモ、ワタシ、行くところ、ナイヨ?」
肝心の引っ越し先がないのだ。
それなら心配ご無用、と亀二郎が言った。
「私の知り合いに寺の住職がいましてね。変わり者ですが信用できる人物で、じつはね、アリちゃんのこと、もう頼んどるのですよ。はいー」
とうにお膳立て済みなのだった。さすがはとアリスも舌を巻くほかなかった。いつのまにやら亀二郎の呼び方は『アリちゃん』に戻っている。
「さすがに、連中もあなたが古寺にいるとは思わんでしょう。ボロっちいけど広くて住むには困りませんよ。寺の近くに、『出る』って噂のトンネルがあるんで、物好きか寺の縁者位しか訪れませんし」
ふおふおとサンタクロース風に亀二郎は笑うのである。なお寺の住職は一清(いっせい)というのだそうだ。
「わかったデス。デカサンの話に乗るデス」
「じゃあもう今日は店締めちゃおうかー。臨時休業ならぬ臨時早じまいっ。あたしお寺までついてくよ~」
清子はまたまた即断した。
「刑事さんのお話だから信用はするつもりだけど、ほらそのお坊さん、一休さんじゃなくて一清さん? どんな人なのか見ときたいし~」
「ダケド勝手に店閉めちゃって、怒られないデスカ?」
「大丈夫、アーナンドさんなら理解してくれるよー。ちゃんと連絡もしとくから。なんでアリスちゃんは片付けはじめて」
「いやだけど閉店まであと二時間くらいアルし閉店してからでも……」
「四の五の言わずにやるやる! 責任はあたしが取るからアリスちゃんは自分の心配だけなさい」
大至急だよーと言い残し、さっそく『CLOSED』の札をかけるべく清子は出て行くのだ。行動の早さよ。
やっぱり清子はゆるふわ女子なんじゃなないデス、とアリスは確信するのだ。一見ゆるふわっとしているが芯に強さをもつ女性こそがゆるふわ女子の真の定義だというのならそれでいいのだろうけども。
けれども清子の言うとおり、心配すべきはこれからの身の上だ。
悩まずにはいられない。
ワタシ……これから、どうなるんだろう?
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月30日
参加申し込みの期限
2023年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年04月06日 11時00分
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