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安アパートの立てつけは良好とはいえない。ビブラートのかかった口笛みたいに窓を鳴らし隙間風が忍び入ってくる。
けれども
見帰り沼の コトコ
はいっこうに平気だ。なぜってぬくぬく、こたつに入っているからだ。
後藤 杏那
(ごとう・あんな)宅にはすでに十月末ごろから、大きなこたつが鎮座ましましているのである。それもテレビの前に!
「えーりゅー!」
こたつ布団を肩までかけて、体も心もホットになってコトコは日曜朝のお楽しみことテレビアニメ『魔法少女ミスティック・エール』を鑑賞している。
最近のコトコにとって、日曜朝に杏那宅にあつまっての『エール』鑑賞会は、一週間で一番エキサイティングなひとときだ。メンバーはコトコのほかは家主の杏那、それにコトコの大好きな友達
比嘉 桐太
(ひが・とうた)の合計三名だ。
杏那は『プロムナード』という店でキャバ嬢をしている。いつもその前夜は遅くまで仕事のはずだが、コトコが桐太をさそって訪れると毎回寝ぼけ眼(まなこ)で起き出してきて部屋に入れてくれる。そしてあくびをしながらも、コトコのウキウキウオッチングに参加してくれるのだ。この鑑賞会につきあっているおかげであんなは、アニメファンの同僚と親しくなったという。
「とたにーに、とたにーに、あたらしいおうたれす!」
コトコはただ観ているだけではない。隣の桐太に何度も注意喚起をうながしている。ときにはゆさぶったりもする。
「ああ、うん。そうだね」
桐太もエールを観ないわけではなかった。しかし彼はどちらかというと『エール』の後の特撮番組のほうが好みなのだ。といっても最近は、そろそろ戦隊ものからは興味が薄れつつあるようだが。
かくしてエールは、きっちり次回予告まで終了した。
「ほわあー、めでたしめでたしれしたねー!」
コトコは上機嫌だ。今週のエールもテーマは無痛分娩だったりして、女児向けアニメとしては相当に攻めたテーマだった。インターネットの世界ではまた論争を生むことだろう。だが無痛分娩を批判する側を一方的に悪者に描くわけでもなく、ちゃんとメリットデメリット(たとえば、無痛分娩は費用が高くなる)にも触れた内容であり、知識を伝えるだけではなく物語性も高かった。このところ裏番組の『けものホスピタル』に押されつつある『エール』だが、一流のスタッフに支えられているだけあって絵も話もやはり底力がある。もちろんコトコもそのすべてを理解したわけではないけれど、楽しんだことだけはまちがいない。
次回予告まですませても『エール』のハッピータイムは終わりではなかった。
なぜって『エール』はオープニングに本編、踊るエンディングもさることながら、CMまで目が離せないからだった。魅惑の玩具CMだけがコトコの目当てではない。
「まってましたー!」
目が輝いた。エンディングテーマで踊ったとき同様コトコはこたつから飛び出し、コマソンを歌いそして踊る。
「つーれてっけ、つーれってっけ、つれてっけー♪ ハワイニャンズ♪」
ポーズもつける。「とたにーにもやるれすー」と命じて最後の「ハワイニャンズ♪」の決めポーズだけでも一緒にやらせようとする。(桐太はいささか照れくさげだが一応やってくれる)
全国一斉放送のアニメだといっても、合間に流れるコマーシャル(CM)にはローカル枠が存在する。ハイクオリティCMの映像美がだしぬけに終わり、ザ・ご近所と言いたくなるようなチープなCMに切り替わって驚いた経験は、きっと誰にもあるだろう。しかしローカルCMにはローカルCMの味がある。一流ホテルのディナーより、近場の定食屋のほうがごちそうに感じることも多々あるものだ。
コトコがポーズまで完コピしたのはもちろんローカルCM、屋内スパリゾート『ハワイニャンランド』の宣伝であった。読んで字のごとくハワイを想定したプール&温泉施設で、冬目前の季節を忘れ一時の南国感覚にひたることのできる異空間である。
ポーズを決めたままだったコトコは、ポーズ解除と同時に欲求を口にした。
「あんなねーね、ここ、いきたいれす、いきたいれす!」
「……へ?」
杏那はエネルギーが切れたのかこたつの天板に突っ伏して目を閉じていた。まだ夢を見ているような彼女にかまわず、
「とたにーにも、いきたいれすおねー?」
コトコは桐太にも呼びかけ賛同を求める。
「そりゃあまあ……でも」ためらうように桐太は言った。「ハワイニャンランドって、遠いんじゃない?」
直線距離だけでもそれなりにある。CMでは『あなたの近所のハワイニャン』などとうたっているが、心の近所であろうと実際はそこまでネイバーフッドではないのだ。
「ほら、電車とかバスとか、けっこう乗りつがないと行けなさそうだよ」
「う? バス? でん車? のりもの? れもらいじょぶれす!」
けれどコトコとて思いつきで行きたいといったのではなかった。ちゃんとリサーチ済みである。
「とー、しっかりしらべてきまいた。とそかんに、いきかたの本、あるんれすね!」
あらかじめ図書館で借りてきたツアーガイドの本を、リュックサックからひっぱりだしたのだ。ぱかっと開けてひろげる。
本土まではねこでんで行く必要がある。だがそこから二本乗り継ぐだけで大きな駅にたどり着けるのだ。そして駅からはハワイニャンランド行きの無料送迎バスが出ている。
「これならまよわないね」
「それにれすねー」
ちゃらーん♪ とBGMを口で告げてコトコが披露したのは、ハワイニャンランドのイラストと微妙なゆるキャラが描かれた封筒大の紙片だった。
「おみせやしゃんのカウンターに『おやすいカード』があるのも、見つけまいた!」
つまり施設割引券だ。コトコが両親と買い物にいったときに見つけて入手したものである。
背後では特撮ヒーローのオープニングがはじまっているがかまわず、桐太はあごに手を当て芝居がかった口調となった。
「なるほど、これはお得だー!」
どこまでお得かわかっているかは少々疑わしい。
「あんなねーね、いきたいれすいきたいれすー」
のっそりと身を起こした杏那に、合掌するようにしてコトコは告げる。
「いきたいれすー♪」
「行こうよ、うん、きっと楽しいよ」
今度は桐太も一緒だ。コトコほど全力ではなくちらちらと杏那の様子を観察しながらではあったが。
「むー」
二本の棒みたいになった目を薄くひらき、杏那は頭をぼりぼりとかいた。
「しょーがないっすねぇ。そんなにお願いされちゃ断れねーっすよ」
ま、あーしも温泉は好きっすからと言いつつ、杏那はまた大あくびをしたのだった。
「さ、これれじゅんびバッターンれす!」
杏那ならきっと連れてってくれると信じていた。だからしっかり、コトコは用意をもってきている。
「とーには、おねさんのしるし、スクールみじゅぎがあるのれす! 学校のプールとおなじじゅんびすれば、じゅんびバッターンれすおね?」
「いんじゃねーっすか? あーしには沖縄行ったときの水着があるし」
タオルとかはこんな感じっすかねぇ、と杏那はボロボロのクローゼットを開け閉めしている。
「とー君も家から取ってきたらいいっすよー。あー、大丈夫、あーしも一階まで行って美佳さん(※桐太の母親)に説明するっすから」
これを聞くなり「本当っ!?」と目を輝かせ桐太は部屋を飛び出したのである。
「あんなねーちゃん、早く早く!」
弾丸みたいに階段を駆け下りていく。コトコ以上のはしゃぎようだった。
「美佳さん毎日お疲れなんスから、そんな大きな音たてちゃだめっすよー」
けれども杏那の追う言葉は、桐太の背中に届いたのかどうか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月30日
参加申し込みの期限
2023年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年04月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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