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GOOD BYE YESTERDAY
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数日前、理緒と紗月はカタログ撮影を終えたところだ。
ファッション業界に詳しくない人間でも知っているような名デザイナーと顔合わせをし、クライアント立ち会いのもと都内のスタジオでフォトセッションを行った。
ハロウィン☆デイズ以前にオファーを受けた仕事だ。交際宣言の影響でキャンセルも危惧していたが杞憂に終わった。当日もしかりで、からかうような発言はもちろん、ふたりの交際にかかわるようなコメントすらデザイナーもクライアントもついに一言も口にせぬまま撮影は完了したのだ。多少身構えていた理緒からすれば、むしろ拍子抜けするくらいビジネスとして完成度の高い仕事となった。一流の世界というのはそういうものかもしれない。しいて瑕瑾をあげるとすれば、撮影後たまたま遭遇した一般人男性たちから心ない言葉を受けたことくらいだろう。
しかし本番は今日これからだ。撮り直し可能なフォトセッションとはちがい、ファッションショーはライブであり一発勝負である。当然スタッフの緊張感もちがっていて、はっきり殺気立っているといえた。剣の舞、そんな言葉すら頭に浮かぶ。
開場のアナウンスが流れるやあらゆるスタッフは、羅刹の目つきへと変わった。
F1レースのピットクルーもかくやという俊敏かつ訓練された動きで、スタッフたちは理緒をランウェイに送り出す。
頭が割れそうなほどの大音量で音楽がかかっているが、スタッフのキューは音の隙間をつらぬいた。
「はい、十秒後で紗月さんも! ジャストで願いますっ!」
「いきます!」
彼ら彼女らの魂が乗り移ったように紗月も負けぬ気迫で、ノルマンディーに揚陸する英国兵のようにステージへと繰り出したのだ。
ああ――。
紗月は言葉を失った。
頭のなかが真っ白になるという表現は誇張ではない。寄らば斬ると言わんばかりの聴衆の大半はファッション関係者で、値踏みする視線でステージを見上げている。まず理緒が視線の集中砲火を浴びている。全身あますところなく蜂の巣にされ、背を向けても同じ洗礼を浴びている。
落ち着いて。
紗月は自分に言い聞かせた。
落ち着いて。みんなが見ているのは私じゃないから。
私の着ている服だから。
春物としては挑戦的な色使い、赤と黒をベーシックにしたジャケットとスカートだ。よく言われるように服が自分の鎧なのではない。自分こそが服の付帯物なのだ。そう考えれば緊張も不安も、どんどん色を薄めていく。付帯物なら付帯物で大いに結構、だったら服が魅力的に映るよう、張れるだけの虚勢を張って歩こう。
胸を張るのは紗月にとって、理緒のためでもあった。
くだらないバッシングに屈したなんて思われなくない。
理緒ちゃんのキャリアを台無しにしたくない。
私が、理緒ちゃんにふさわしいパートナーだって世界に示したい。
堂々と紗月は歩いた。突き刺さるような視線をものともせず一瞬の隙も見せず、我が身にふりかかるすべてのものを、祝福とみなしているかのように歩いた。最高のアクトであったかどうかはわからないものの、少なくとも後悔することはなかったと思う。最初の出番はなんとかこなせた。
でも、これからだ。
表舞台だけがファッションショーなのではない。むしろ舞台裏こそ戦場だ。
舞台裏に引っ込んむやいな、つぎの装備がはじまる。
次の衣装に着替えるため紗月は即座に服を脱いだ。
「急いで!」
金属のボウルを金属のヘラでこするような声、ディレクターの指示が飛んでいるのだ。マシンのように紗月は動作に移る。
衣装を邪魔しないよう、下着はベージュTバックのパンツだけだった。ブラはつけていない。着替え終わりメイクが済むタイミングで、もう次の登場が待ち構えている。
水面下の白鳥の足なんてものではない。華やかなステージと地獄のバックステージの対比は天地の差があった。
躊躇は存在しなかった。着替えるときは半裸どころか全裸状態になるのも当たり前である。たとえ異性がいようとお構いなし。そんなことに目を奪われている暇や下賎なことを考える余裕すら許されないのだから。モデルが舞台に出るタイミングも細かく決められているため、些細なことでもミスを犯せば関係者たちから激しい言葉が飛び出す。
全員がノルマンディーだ。入り乱れての混戦だ。ほんのわずかな心の隙から前線は崩壊する。わずかなミスで土嚢は崩れ塹壕は埋まってしまうだろう。
理緒ちゃん、すごいな。
紗月はまなざしを理緒に向けた。すっかり順応しているのだ。銃弾飛び交うバックステージを理緒は豹のように全力で駆け抜け、メイクも着替えも正確無比に進めていた。
理緒ちゃんに追いつかないと、ただその一心で紗月も心を殺し戦闘者(ウォリアー)へと身を転じた。中学生高校生のころも真面目と言われた紗月だが、その自分でも驚くほどの真剣ぶりで環境に適応している。怒鳴られても傷ついたりしない。
「ヘアピンがないの!」
逆に怒鳴り返して必要なものを叫んだ。
私は、理緒ちゃんの足でまといにはならない。
理緒ちゃんに頼るだけのか弱いお姫様じゃない。
理緒ちゃんと一緒に歩んでいくパートナーだから!
もう何度目のランウェイだろう。これまでとはぐっと雰囲気を変えたガーリーな衣装で紗月は繰り出す。目がくらむほどの光が集中したが目を閉じない。まばたきすらしない。黒い瞳に光を照り返す。
ハロウィン☆デイズでの恋人宣言に後悔はない。まったく後悔はしていない。
だけど今日にいたるまで、私たちに向けられた有象無象の悪意には心が折れかけた。
理緒ちゃんみたいにSNSはチェックしていなかったけど、不意に道ばたで浴びせられる中傷、カミソリ入りの手紙、どうやって番号を調べたのかしらないけどイタズラ電話、たくさんあったから。
覚悟はしてたけど、実際に向けられるとやっぱり厳しかった。
でも、ここで私が折れるわけにはいかない。
理緒ちゃんは私の身勝手な想いに応えてくれた。
だから、理緒ちゃんがくれた私への愛を倍にして分かち合いたい。
ランウェイは光の世界に浮き上がる黒い橋だ。しかし茨の道であっても構わない。
私は渡るから。
理緒ちゃんと一緒なら、なにも怖くないから。
カジュアルな服、制服風に水着、何度着替えたろう。何往復しただろう。
途中から頭は思考をやめて、紗月は自動人形(オートマータ)になったように歩きつづけた。
「ラストは……!」
と叫んだのは司会者だったか、デザイナーであったか。
それとも理緒であったか。
とっておきの衣装だ。きっとカタログでも表紙を飾ることだろう。
真夜中に見る夢のような理緒、
よく腫れた日に昇る太陽のような紗月、
そろってドレスだ。ふたりが、かけがえのない一対として映えるようなデザインだった。
手を取り合い、身を寄せ合ってランウェイへと躍り出す。
紗月は確信している。
理緒ちゃんとなら絶対に、どんな道でもずっと歩いていける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月30日
参加申し込みの期限
2023年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年04月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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